住宅の外壁塗装工事で、ガス設備機器の給排気筒などを養生シートで塞いだままにしたことで起こる不完全燃焼や異常着火の事故が増えている。去る7月7日に経済産業省が旭川市内で開催した「第29回製品安全点検日セミナー」で報告された。同省では施工業者・ユーザーに注意を呼びかけている。
問題になっているのは、ガス設備機器の給排気筒などが養生用のビニールシートで塞がれてしまうケース。給排気筒などが塞がれた状態でガス機器を使ってしまい、不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故や異常着火による機器の破損事故が一昨年から今年にかけて死亡事故1件を含む13件にのぼっている
いずれも本州の事故だが、例えば今年6月に起こった一酸化炭素中毒事故では、中毒患者と思われる住民が病院に搬送されたと通報を受けたガス事業者が調べたところ、建物は外壁塗装工事中で、ベランダにある屋外式風呂釜の給気・換気口が養生シートで塞がれており、さらに居室の換気口も同じシートで覆われていたことが確認されている。
また、今年3月に起こった強制給排気式ガス瞬間湯沸器の変形事故では、「機器使用中に大きな音がした」という通報を受けたガス事業者が調べたところ、機器の前面カバーが変形していた。この建物は塗装工事中で、塗装業者が給排気トップの給気部分を養生シートで塞いでいたため給気不足となり、異常着火したと推測される。
経産省では、塗装工事業者などに対し、外壁塗装作業で養生、目張り、マスキングを行う際は、給排気部分を塞がないよう十分注意するとともに、やむを得ず給排気部分を塞ぐ場合は、その間のガス機器の使用禁止を住民に徹底してほしいと呼びかけている。
また、居住者に対しても、外壁塗装の工事中も工事終了後も、給排気部分が塞がれていないことを確認してから、ガス機器を使用するよう呼びかけている。
(図...外壁塗装工事などで、このようにガス設備機器の給排気部分を養生シート等で覆ってしまったままガス機器を使用すると、一酸化炭素中毒事故や異常燃焼事故につながる可能性が高い)
新聞記事
2009年08月05日号から
原因は給排気筒養生/経産省が注意促す
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