6月4日に長期優良住宅の認定制度がスタートしてからちょうど1ヵ月。補助金や減税、ローン金利引き下げなどの優遇措置が用意され、冷え込んだ新築市場のカンフル剤として期待を寄せる住宅会社も多い。そこで長期優良住宅の認定や優遇措置などの現状についてまとめた。
おさらい・認定取れば補助や減税
長期優良住宅は、「いいものをつくり、きちんと手入れして長く大切に使う」ことをコンセプトとした住宅で、福田元首相が一昨年発表した200年住宅ビジョンをきっかけに法制化された。
最近のたび重なる法律の施行・改正などにより、別の基準や制度と混同しがちだが、年間150戸以上の建売住宅を建設・販売する住宅会社に義務付けられた住宅事業建築主基準(トップランナー基準)や瑕疵担保履行確保法とはまったく別のものだ。
関連するのは北方型住宅ECOなどが採択された長期優良住宅先導的モデル事業で、このモデル事業の対象となる新築住宅は長期優良住宅の認定を取ることが前提条件になる。
制度を利用するかどうかは自由だが、認定を取得することで、補助や減税、ローン金利引き下げ(フラット35S)などの優遇措置を受けることが可能になる。
これらの優遇措置は、当初最大600万円のローン減税など各種減税措置が柱となっていたが、認定制度開始と前後して住宅金融支援機構が長期固定金利ローン・フラット35Sの金利優遇期間を20年間に延長したほか、50年償還が可能なフラット50の創設も発表。
100万円補助に900社
さらに国土交通省が緊急経済対策として、年間新築戸数54戸以下の中小住宅会社が建設する木造の長期優良住宅に最大100万円を補助する長期優良住宅普及促進事業(以下、普及促進事業)を実施。国交省では同事業実施支援室を開設し申請受付やサポートを行っている(03・6214・5909)。この補助事業は先着約5000戸が対象となるだけに、認定申請を急ぐ住宅会社も少なくない。
普及促進事業は1.事業へのエントリー(参加申請)2.建設する住宅の補助金交付申請3.完了実績報告書の提出という3段階の手続きが必要だが、国交省の同事業支援室によると、6月26日現在でエントリーした住宅会社は全国で900社強、補助金交付申請件数は約25戸となっている。
また、補助を受ける条件として、長期優良住宅の認定取得以外に施工中の現場公開と住宅履歴情報の保管が義務付けられているが、住宅履歴情報は国の指針にのっとって保管されていることが必要。この秋には住宅履歴情報の保管を行う情報サービス機関が立ち上がる予定なので、それまでは必要な書類・図面を自社で保管しておくことになる。
なお、道内では北方型住宅サポートシステムが利用できるかどうか気になるところだが、道建築指導課によると「現在国の指針に適合しているかどうかを国交省に確認中」とのこと。
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2009年07月05日号から
長期優良住宅 動き出す
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