拒否する住宅会社も
ところで住宅会社側の対応はどうなっているのか。
ハウスメーカーの中には規則改正への対応が必要と判断して5月の現場から足場に中さんを入れている会社がある。ただし幅木は使わずメッシュシートで対応している。一方で、関東のある労働基準監督署が「くさび緊結式足場は一側足場と見なす」という見解が出ていることを示して、「当社では一側足場と考え、今回の規則改正で新たな対応措置はとらない」と明言しているハウスメーカーもある。
工務店の対応はまだこれからだ。足場レンタル会社も、「すべての工務店に営業担当が詳しく説明して回ることは時間的に困難」だという。また、札幌の工務店も取材に対し「足場のことは足場屋さんに任せているから」と答えて規則改正を詳しく知らない社長もいた。
レンタル会社によると、規則改正を説明されても「コストアップになるのなら必要ない」と対応を突っぱねる住宅会社もあったという。「その場合は『万が一の足場事故時には、責任は住宅会社側にある』と一筆書いてもらおうかと考えている」と話している。
別のレンタル会社は、「今はサービスで中さんを付けるなどの対応を行っているが、今後労働基準監督署の一斉パトロールの指導で明確な判断基準が示されるのではないか。その後にコストアップの打診をしたい」と話している。
(写真...わく組足場の例。鳥居型のわくを組み上げていく(写真は規則改正前に撮影))
コストアップ200円/m2
規則改正に対応した場合のコスト増は、足場レンタル会社に聞くと「架け払いで200円/m2程度のアップが必要」という。しかし、完成した住宅に直接反映されないコストアップはなかなか住宅会社も認めがたい。
足場レンタル会社が規則改正に地道に対応しようとしても、工務店側が法改正をよく知らなかったり、コストアップ要因として拒否する、そして規則改正の対象外かどうかの判別基準が明確でないということが対応を難しくしている。
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2009年06月15日号から
足場に新たな規制2
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