6月1日から労働安全衛生規則の一部が改正され、建築用足場の安全確保に新たな規制が加わった。これまで必要とされてきた手すりのほかに、中さんや巾木などの設置が義務づけられ、人の転落事故や、物の落下事故を防ぐことが求められる。これにより、重大事故が減ることが期待される一方で、規制強化から除外される足場もあり、その解釈をめぐって現場で波紋が起きている。
(写真...ビケ足場に1.手すり、2.中さん、3.幅木を設置した例)
ビケ足場も対象か
規則の改正では、足場、架設通路、作業構台の3通りについて墜落防止措置が記載されている。いずれも手すり以外に新たに中さん、下さん、幅木などが必要となる。
このうち足場に関する改正では、わく組足場とそれ以外の足場で必要な措置が異なる。わく組足場は、これまで必要だった交さ筋かい以外に下さん、幅木、手すりわくのいずれかが新たに必要となった。それ以外の足場の場合は、高さ85センチ以上の手すりと中さん等を設ける必要があり、物体落下防止措置として幅木あるいはメッシュシート、防網が必要となる。ただし、『一側足場(ひとがわあしば)』は今回の規則改正の対象から外れると明記されており、これまで通りの措置で良い。
わく組足場は中高層ビルや公共建築物などの工事でよく使われる一方、木造住宅の現場では組み立てのしやすさや狭小地・複雑な形状へ柔軟に対応できることから「ビケ足場」のようなくさび緊結式足場が使われている。このくさび緊結式足場が『一側足場』かそうでないのかはっきりしないため、現場で波紋が広がっている。
そもそも一側足場とは、足場をかける柱が一列に並んでいる状態の足場を言う。くさび緊結式足場はコーナー部などは柱が2列並ぶが、部分的に1列になる架け方が多い。このため足場全体として一側足場と見るのか、そうでないのかが問題となるが、監督官庁の北海道労働局では、「現場を見て全体として判断する」としているだけで明確な判断基準は示していない。
そこで足場レンタル会社などに取材すると、現場を直接見て回る労働基準監督署によって見解が異なるという声が出ている。
くさび緊結式足場は、作業床の奥行きが24~25センチと40センチの2種類あるが、24~25センチの作業床なら柱が2列であっても『一側足場』と見なす労働基準監督署がある一方、実際の柱が一列か二列かで一側足場を判定する監督署もある。前者ならば幅の狭い作業床を使えば今回の規則改正に対応する必要はないが、後者であれば改正への対応措置が必要となる。
(写真上...規則改正への足場対応例・建設業労働災害防止協会(建災防)発行の資料より 写真下...24センチの作業床(写真)に幅木を設置するのは現実的ではない、という意見も出ているが、今のところ統一した見解は出ていない)
続き「足場に新たな規制2」はこちら
新聞記事
2009年06月15日号から
足場に新たな規制1/安全確保に中さんや巾木
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