最後に、道内の工務店社長の声を紹介しよう。
A工務店社長
「瑕疵担保保険が義務化になった時は大賛成だった。第三者に検査してもらうことで自分では気付かなかったことを指摘されれば、改めて襟を正す部分も出てくるだろうし、一番検査が厳しい保険会社を選ぶことで当社の家づくりの正しさを証明できると考えていた。そしてそれが他社との差別化にもつながると思っていた。
ところが法律の施行直前で国土交通省が保険会社の検査回数などを横並びにしたと聞き、とても腹が立った。どの保険会社も配筋と躯体の検査しかやらないとはどういうことだと。それで本当にユーザーに安心してもらえる住宅を提供できると思っているのだろうか。消費者保護をうたっておきながら、このままでは誰のためにもならない法律になると思うのは私だけではないはず」。
B工務店社長
「これまでも利用していた保険法人の担当者が来た時に、保険法人各社検査2回で横並びはおかしいのではないかという話をすると、『オプションでさらに現場検査・現場確認をするということで国交省に申請したら却下されてしまった』と話していた。そこでこのような横並びはおかしいし、住宅会社としては2回の検査では不安があるということを国交省の書式を使って書き、同法人経由で国交省へ提出した。
今までは地盤、配筋、躯体、防水、完了時に検査があり、杭を打つ時は杭の検査もあったことで、現場の職人にも緊張感を与えることができたが、検査回数が2回になると減った分は社内検査となり、緊張感が薄らいでしまうのではないかという心配がある。
このままでは瑕疵担保履行確保法が手抜き工事をチェックできない骨抜きの法律になってしまうのでは」。
国土交通省は、こういった声に耳を傾け、施行前に問題を修正してほしい。
新聞記事
2009年04月25日号から
瑕疵担保保険の義務化目前 業界から見直し請願の声・3
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