新聞記事

2009年02月05日号から

間違い、行き過ぎた表現 道がチラシ表現で指導

20090205_2_1.jpg 昨年、国の超長期住宅先導的モデル事業に採択された北方型住宅ECOモデルの来年度実施がまだ確定していない中、このほど札幌市内で「国と道による200年住宅モデル事業『北方型住宅ECO』いよいよ申込み開始!(注文住宅)」という宣伝文句が大きく入ったチラシが新聞の朝刊に折り込まれた。これに対し同事業の実施主体である北方型住宅先導的モデル事業推進協議会の事務局である道建築指導課では"間違いであり、行き過ぎた表現"として、この住宅会社を厳重注意。市場環境が厳しさを増し受注競争が激化する中で、住宅会社のモラルが改めて問われた出来事と言える。
 問題のチラシは今年1月下旬の朝刊に折り込まれた。それを見ると、これから北方型ECOの申込みを開始するという一文が大きく目立ち、さらに「国庫補助金の申請(工事代金の10%)、所得税控除の割り増しご利用」と記載。北方型ECOのモデル事業がまた始まったのかと誤解しかねない表現だ。
 今年度実施の北方型ECOモデル事業はすでに全123棟の建設が確定しており、事業に参加した住宅会社各社からの補助金交付申請書類をまとめて国へ提出する最終段階に入っているところ。今から新たに建てるのが不可能であることは、事業に参加している住宅会社であれば当然わかっているはずだ。
 また、次回の事業実施についても、道は今月の第3回目の募集に提案するのか、春先と言われる第4回目の募集に提案するのかを決めていない。そのような状況で申込み開始などとは間違っても書けないだろう。

道では厳重に注意

 道建築指導課ではこの住宅会社に対し厳重に注意し、住宅会社側も行き過ぎた表現だったと認めたという。同課ではこのようなことが起こらないように、職員が札幌圏の新聞のチラシなどを常にチェックしており、注意を行ったのは今回で2件目。もう一件は「国から認定を受けた」という表現をした住宅会社だったという。
 市場が冷え込み、生き残りをかけた受注競争の中で、最大200万円の補助金が受けられる北方型ECOは、使いようによってはセールスポイントになるだろう。
 しかし、まだ次回の実施も決まっていない段階で申込み開始というユーザーを騙しかねない記述は、当の住宅会社だけではなく、北方型ECOのモデル事業に参加しているすべての住宅会社にとってマイナスにこそなれ、プラスになることはない。
 
 事前に相談OK
 道建築指導課では「もし表現等が適切かどうか自社で判断できなければ、こちらで事前に内容をチェックすることもできるので、相談してほしい」と話している。
 
 
(写真...これが問題のチラシ。北方型ECOの次回実施が決まっていないうちから「いよいよ申込み開始」と明記してある)


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