新聞記事

2008年11月05日号から

来年4月施行

省エネ新基準1.3Wか?

来年4月に施行と言われている次世代省エネ基準の改定に住宅業界の関心が高まりつつある。これまでにも様々な憶測が飛び交い、行政関係者からは北海道などⅠ地域の熱損失係数=Q値が1.3W(/m2K)という話も聞こえてくる。そこでこれまで得られた情報をもとに、次世代省エネ基準改定の方向性を検証してみた。

20081105_3_1.jpg2本柱で基準構成
 まず基準の方向性については、これまで2つの案が検討されていたようだ。一つは現行基準通りに暖冷房負荷により判断する方向で、地域ごとに熱損失係数や相当隙間面積=C値を定めるもの。そしてもう一つは空調や給湯、照明なども含めた住宅の総エネルギー消費量だけで省エネ性を判断する方向だ。ここ何年かは総エネルギー消費量で見る方向に転換するのか、それとも暖冷房負荷で見る方向も残して2つの判断基準を設けるのかが議論されていたというが、最近の行政筋の話によると、Ⅰ地域の熱損失係数は1.3Wになるとのこと。つまり暖冷房負荷で見る現行基準の方向は残しつつ、総エネルギー消費量でも見るという2本立ての基準になる公算が高い。
折りしも北海道が国の超長期住宅先導的モデル事業に提案・採択された北方型住宅ECOもQ値1.3W。憶測の域を出ないが、換気による熱回収を計算に入れるか否かの違いはあるものの、北方型ECOのQ値が1.3Wとなっているのは次世代省エネ基準改定にどれだけの住宅会社がついてこれるかを見るテストモデルの役割もあったのではないだろうか。
なお、Ⅰ地域以外のQ値については、Ⅱ・Ⅲ地域が1.6W(現行Ⅱ地域1.9W、Ⅲ地域2.4W)、Ⅳ・Ⅴ地域が1.9W(同2.7W)、Ⅵ地域が2.7W(同3.7W)になるという説が有力だ。

20081105_3_2.jpg建売業者は総エネ1割削減
このほか、建売住宅については年間150戸以上を建設・販売する業者に、すでに販売されている住宅のうち最も高性能な住宅以上の性能を義務付けるトップランナー制度の義務化がほぼ確定。施行される来年度から5年後の2013年を目標とし、次世代省エネ基準+一般的な設備の住宅と比べてエネルギー消費量1割減の性能水準を義務付ける内容で検討されているという。
 今後は、今月中にも国土交通省から改定案が出され、パブリックコメントを募集した後、年末に告示。年明けから技術マニュアルを使用した講習会を開催し、4月1日施行というスケジュールが予想される。


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