協栄ハウス
光熱費ゼロ住宅・チャレンジ企業
 本誌30ページでも紹介した、外壁に33センチの断熱材、木製三層ガラス窓、ヒートポンプシステムと熱交換換気など様々な省エネ技術を投入した「無暖房」への実験住宅。オーナーが1シーズン実際に使用した暖房用の電気代は合計でおよそ26,000円。「無暖房」とまではいかないものの、家計の面ではかなり貢献。来年の冬は温度調整にも慣れて、もっと削減できそう。
 暖房費3分の1が実現でき、その住宅性能アップ分の費用を10年で回収できる「現実に手の届く価格の超省エネ住宅」。デザイン、仕様にもこだわって作られていて、本体価格は坪単価で50万円前後。熱損失係数(Q値)は0.99W。体験宿泊者からは「エコ住宅に興味があったが床暖房の快適さを実感した」と好評を博した。
 同社主催の「住宅で考える地球温暖化対策のシンポジウムin千歳」に講師として北海学園大学工学部建築学科教授の佐々木博明氏を招聘。
 「無暖房」の実験住宅で実施した測定や検証の結果を踏まえ、無暖房への挑戦が暖房費の削減だけでなく、室内の快適性やCO2の排出削減に大きく貢献できることを解説、約80名の市民が熱心に聞き入った。

年間光熱費は平均21万円

 協栄ハウスは06年12月に建設した「無暖房への挑戦」住宅以降、30棟以上の新築住宅で、オーナーの協力を得て、月毎の光熱費(水道料を除く)を集計しています。

  これは、ライフスタイルや家族構成、省エネ意識などが異なるユーザーが、実際に同社の省エネ住宅で暮らしたときに、どれだけ冷暖房や家電、照明などでエネルギーを消費するのかなどを検証するために実施しています。もちろん各オーナーの意向によって、それぞれの住まいは省エネ性能にかける費用、仕様も異なっています。

 結果を見ると最も年間光熱費が安かったご家庭が約12万円で、最も高かったご家庭が約28万円。平均は約21万円でした。月にすると約1万8千円を光熱費として支払っていることになります。例えば冬期間に暖房費だけで1カ月3万円もかかるような住宅では実現不可能な金額です。

 協栄ハウスで家を建てた30戸のエネルギー使用データ(オーナーのお名前は伏せています)と省エネ性能を元に住宅購入希望者と打ち合わせができるため、建設費と光熱費を踏まえた家づくりができます。

 例えば、家族4人で家電も多いという購入希望者が、断熱性能を高めにして建てることを想定した場合、光熱費は年間22万円まで削減できることがわかり、さらにヒートポンプ暖房と太陽光発電を導入すると、年間光熱費は5万円以下。初期費用のアップ分は16年で回収できてその後は得になるというように、ある程度現実的な数字として把握できます。「住宅ローンは1万円増えるが、光熱費は1万○千円減る」といった計算もできます。

省エネ技術の裏付け

 ここ数年間、住宅業界は住宅購入希望者の減少と低所得化を背景に厳しい価格競争を強いられています。住宅を安く売るために全力を挙げてきた住宅会社は、初期費用が安い普及品の建材や機器類を最優先に採用してきたため、省エネ性能が高い最新型の機器や断熱手法などを採用した実績が少ないケースもあります。同社は06年の無暖房挑戦住宅以降、住宅の初期費用ローコスト化を最優先するのではなく、将来の省エネ志向の高まりを予測して企業方針を転換してきたのです。

 例えば初期費用、ランニングコストともに安かった灯油のセントラルヒーティングの採用をやめて、外気の熱を集めてお湯を作るヒートポンプシステムを標準化、温水床暖房による室内温度環境の快適化もセットで取り組んできました。

 数年にわたる施工実績の積み重ねと工夫を重ねた結果、ヒートポンプによる温水床暖房システムでは国内最高レベルの実績を持つようになり、同社の省エネ提案力を高めることになりました。

 実際の光熱費測定結果を現場にフィードバックさせてレベルアップに取り組んできました。無暖房住宅への挑戦ではチャレンジのために1000万円以上の投資と多くの時間をかけました。

 家計と環境に優しい住宅づくりを実現できる住宅会社への転身の努力の積み重ねが、光熱費や生活用品の値上げで将来への不安を感じている住宅購入希望者に対して説得力のある提案ができ、多くの関心を集めているのです。

光熱費ゼロ住宅公開中!

 06年12月の「無暖房への挑戦住宅」に始まり、07年11月には本体価格は坪単価50万円前後で、熱損失係数(Q値)は0.99Wという省エネと安さを両立させた「Q1.0の家」、08年3月に北海学園大学工学部建築学科教授の佐々木博明氏を招いて行った地球温暖化対策のシンポジウム、08年4月には、光熱費を太陽光発電で相殺する「光熱費ゼロ住宅」のモデルハウスを公開しました。現在は2棟目となる「光熱費ゼロ住宅」の建設を今秋公開をめざして進めています。

 断熱性能を徹底的に高めても、多少の冷暖房費、そして家電の使用、照明などの光熱費は必要。そこでそのランニングコストを太陽光発電などの自然エネルギーで補い、実質的に光熱費ゼロの住宅を実現させたいと考えて、千歳市上長都に建設、今年4月にモデルハウスとしてオープンしたのが「光熱費がゼロになる太陽の家」。  灯油や電気代の値上げなど、家計を圧迫する要因が増え、同時に地球温暖化防止を目指す機運も高まっている。同社に対し「光熱費ゼロ」を希望するユーザーからの問い合わせも増えているため、光熱費ゼロを目指す住宅の第2弾をモデル公開することを計画中。詳細は今後、同社ホームページなどで告知予定。
株式会社協栄ハウス
千歳市朝日町5丁目1-1
Free.0120-42-8812
Fax.0123-42-8813
http://www.kyoueihouse.jp/

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