平成20年9月15日号から
提出書類は15種類
北方型ECO申請ポイント 作業多く時間に余裕持って
 国土交通省の「超長期住宅(200年住宅)先導的モデル事業」に選ばれた北海道の北方型住宅ECOモデル事業が本格的に動き出し、道やこの事業に参加している住宅会社等で構成する北方型住宅先導的モデル事業推進協議会では8月29日に国土交通省に対し第1回の補助金交付申請を実施。近く12月末の第2回申請へ向けた説明会も開催する予定だ。ここでは補助金交付申請のポイントについてまとめた。
 補助金交付申請を行うにあたっては、1.建築主が決まっていること 2.設計が確定していること 3.北方型住宅サポートシステムの「基本シート」と「基準シート」への記入が終わっていること 4.登録性能評価機関による設計住宅性能評価または基本性能確認が終わっていること 5.建築士による提案内容への適合確認が終わっていることが必要。北方型住宅ECOの性能や提案内容が確実に確保されていると判断できれば、着工は申請前でもかまわない。


提 出 書 類
1. 平成20年度超長期住宅先導的モデル事業費補助金交付申請依頼書
2. 交付申請額の算出方法及び事業経費の配分
3. 交付申請額の算出方法の明細
4. 請負契約書の写し
5. 積算内訳書集計表
6. 積算内訳書 ※事業費、補助対象事業費が明確になるもの2~3枚程度提出する
7. 設計住宅性能評価書又は基本性能確認書(登録住宅性能評価機関による基本性能確認書)※評価書は3部全てコピー、確認書は1部原本2部コピーとすること
8. 建築士による整備される住宅の設計内容が提案内容に適合している旨を示した書類(建築士による提案内容への適合確認書)
9. 設計図面(配置図、各階平面図、立面図、平面詳細図、矩計図・断面詳細図、電気設備図、配管設備図、構造計算書・壁量計算書)
10. 北方型住宅報告書(基本シート・基準シート)
11. 熱損失係数(Q値)計算書
12. 除排雪負担量計算書(北総研プログラム計算結果)
13. 審査協力機関による提案内容への適合確認書 ※「1.住宅の基本事項」及び「2.申請者等の概要」は事業者が記入する
14. 口座振込申出書
15. 共同事業実施規約
建築主は法人も可
 必要となる提出書類は15種類。1.補助金交付申請依頼書 2.交付申請額の算出方法および事業経費の配分 3.交付申請額の算出方法の明細 4.請負契約書の写し 5.積算内訳書集計表 6.積算内訳書 7.設計住宅性能評価書または基本性能確認書 8.建築士による提案内容への適合確認書 9.配置図や平面図などの各種設計図面 10.北方型住宅報告書(基本シート・基準シート) 11.Q値計算書 12.除排雪負担量計算書 13.審査協力機関による提案内容への適合確認書 14.口座振込申出書 15.建築主と住宅会社との共同事業実施規約で、各3部提出。 4. 6. 9.以外はあらかじめ用意されている書式を使用する。
 このうち、 6.の積算内訳書は事業費や補助対象事業費が明確になるものを2~3枚程度提出。 7.は設計住宅性能評価書であれば3部すべてコピーでよいが、基本性能確認書であれば1部は原本とする。なお、建築主は同協議会会員以外であれば、会社などの法人であっても補助対象となる。

外構は工期次第で別契約に
 また、道内では住宅が冬期に完成する場合、外構工事は雪解けを待ってから行うケースが多いが、今回の事業では外構工事費まで補助対象に含めた場合、外構工事も完成させないと完了実績報告書を提出できず、補助額の確定を受けられない。完了実績報告書の提出期限は来年3 月6日であり、遅くとも1月下旬まで工事を完了することが必要なので、外構工事を1月下旬まで完成できないのであれば、補助対象外の別契約とするなどの措置が必要になる。


北方型住宅で定められたトイレの介助スペースは、非耐力壁等の撤去などで確保できればよい。また、高齢者の使用を想定していないトイレは基準適用外となる
バリアフリー基準には注意
 設計・施工上の最大のポイントはQ値で1.3W/m2K以下、C値で1.0/m2以下をクリアすることだが、交付申請を行ううえでは、設計性能評価または基本性能確認と、北方型住宅への適合もポイントとなる。
 注意すべき点として挙げられるのが高齢者等への配慮(バリアフリー)。段差の解消に関しては、くつずりと玄関土間の段差を5ミリ以下、くつずりとポーチの段差を20ミリ以下としなければならないが、特にツーバイフォー工法で床断熱の場合、FLが高くなるので、玄関回りの設計に注意が必要。
 7分の6こう配の階段も仕様によっては微妙にクリアできない場合もある。トイレでは便器の前方に1000ミリ以上、同じく側方に500ミリ以上の介助スペースを求めているが、非耐力壁を撤去するなど軽微な改造により基準値を満たすことができるのであれば、それぞれ基準値未満のスペースでもかまわない。なお、トイレの介助スペースの基準は高齢者の利用が想定されるトイレだけ適用され、例えば1階のみ高齢者の利用を想定しているのであれば、1階のトイレだけ基準に適合させればよく、2階のトイレは基準対象外となる。

指導センターで事前確認できる
 また、北方型住宅の技術基準解説書の中には、ホールダウン専用アンカーボルトについての記述やホールダウン金物の取り付けに関する図が掲載されているが、これは基礎と建物の緊結の例を挙げているだけで、建築基準法でホールダウン金物が義務付けられていない一般の2階建てツーバイフォー住宅はもちろん、在来工法でも必ずこの通りにしなければならないということではない。
 このほかの部分も含め、申請時点で北方型住宅に適合しているかどうかは、サポートシステムの入力が終わった段階で北海道建築指導センター(Tel.011・241・1893)に連絡すれば、確認してもらえる。
 今後、事業を進めていくにあたって、道建設部建築指導課建築企画グループの芥川昌久主任は「C値(相当隙間面積)1.0/m2をクリアすることと、会計上の処理を適切に行うことに注意してもらいたい。特にC値については、気密施工のやり直しができなくなる前に1回、気密測定を行うなど十分に配慮してほしい」と話している。
 すでに申請書類の作成を開始した数社の声は「かなりめんどう」。慣れない作業の連続となるため、時間に余裕を見ておくことが何より大切なポイントとなりそう。

11月出荷から15%
ニットーボー東岩 グラスウール再値上げ
 ニットーボー東岩(株)は11月出荷分から「太陽SUN」などグラスウール断熱材全品を15%値上げする。今年4月に次ぐ再値上げとなる。
 原油相場がやや落ちついたとはいえ依然として水準は高く、合成樹脂は値上がりが続いている。
 この影響でグラスウールの原料と燃料、こん包材などの副資材や輸送関連経費が4月以降も上昇し続け、再度の改訂に至ったとしている。
 11月1日出荷分からで、価格は現状の15%アップ。
 同社では製品の安定供給を続けるために、値上げと並行して一般管理費の見直しや製造コストの削減などを実施しており、今後もコストダウン努力を続けるとしている。

設置・運搬ラクラク
サンエナジー 折り畳み式の軽量産廃カゴ

産廃カゴのフレコンスタンド(左)と家庭・資源ゴミ回収用のペタールボックス(右)
 サンエナジー(株)では、ペットボトルのリサイクル材料で作った折りたたみ式の産廃カゴ「フレコンスタンド」を発売。軽量・高強度で現場への設置・片付けも手間がかからず、軽自動車で持ち運び可能なことから、従来の鉄製産廃カゴに代わるものとして関心を集めている。
 従来から建設現場で使われている鉄製の産廃カゴは、重量があるために持ち運びや設置にはクレーン付トラックなどが必要になり、サビも付くほか、最近では鋼材価格の上昇によって価格も上がっているという。
 フレコンスタンドは、本体にペットボトルをリサイクルした環境に優しい軽量・高強度なシート素材を使っており、耐久性が高く、パタパタと折りたためるので軽自動車でも楽に持ち運びでき、使わない時は場所を取ることもない。

いずれの製品もこのように折り畳めるため、1人で持ち運びでき、保管も場所を取らない
 住宅の建設現場などに設置する時も1人で簡単に組み立て・設置が可能。現場では平らな場所で四角に広げてから大型土のう袋を入れておくだけで済み、ゴミを搬出する時は土のう袋だけ運ぶ仕組み。芯材にはFRP(硝子繊維強化プラスチック)を使っているので、変形や転倒に強く、専用のフタをすれば雨水の浸入も防止できる。
 標準サイズは幅・奥行が830ミリ、高さが1100ミリで、定価は2万6000円(税別・送料別途)。サイズ・色は自由に注文することもでき、別料金で社名などを入れることも可能。


現場でフレコンスタンドからゴミを回収してもらう時は、中に入れてある大型土のう袋を重機で取り出すだけ
家庭ゴミ収集タイプも用意
 このほか同社では、同じペットボトルのリサイクル素材を使った製品として、家庭ゴミ収集場所に設置するタイプの「ペタールボックス」も販売している。この製品は四方をメッシュ状のシートで囲っており、中身が見えやすく、水はけも良いのが特徴。メッシュの目は細かく、強度があるため、カラスがゴミを引っ張り出してまき散らかす心配もない。道内では釧路市や置戸町、鶴居村などが、資源回収用に採用している。定価は8000円(幅・奥行・高さ各700ミリ。税別・送料別途)から。
 問い合わせは同社(Tel.011・688・4446、FAX.011・688・4447)へ。

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