平成20年8月15日号から
まさかの白サビ
ガルバ外装 水洗い必要

カーポート内部に使ったガルバリウム鋼板外装材に浮き出ている白サビ。雨水がかからない部分であることに加え、自動車の排気ガスの影響もあり、白サビの原因となる腐食促進物質が堆積しやすかったと考えられる(下は拡大写真)
 昨年の春、札幌市内の築5年の住宅で、外装材に使った溶融55%アルミニウム亜鉛めっき鋼板、いわゆるガルバリウム鋼板に“白サビ”が発生しているのが発見された。オーナーは「20~30年は持つと思って使ったのに…」と落胆の色を隠せないでいる。

腐食促す物質が堆積
 ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカ・ベツレヘムスチール社が開発したもの。日本国内では日鉄住金鋼板 (株)が1982年に初めて商品化し、新日本製鉄(株)の登録商標となっている。通常の亜鉛めっき鋼板の3~6倍以上の耐久性があると言われており、モダンデザインの住宅を中心に屋根や外壁に採用されるケースも増えてきている。
 今回ガルバリウム鋼板外装材の白サビが見つかったのは6年ほど前に建てられた住宅で、建物と一体化したカーポートの内部と、こう配屋根の軒の下、さらに 2階のバルコニー回りという、雨水がかかりにくい部分に発生。オーナーは発見当初、単なる汚れだと思っていたが、指でこすっても落ちなかったため、施工した住宅会社を通して外装材メーカーに調べてもらったところ、ガルバリウム鋼板のメッキ中の亜鉛が溶け出して酸化した白サビであることがわかった。
 白サビはガルバリウム鋼板表面の腐食の進行を遅らせて鉄を保護するもので、耐久性に直接影響を及ぼすことはないと言われている。原因は腐食促進物質の堆積で、この住宅の白サビ部分からは酸性雨や酸性雪、自動車の排気ガスに含まれるナトリウム、塩素、硫黄という腐食促進物質が検出された。これらの物質は外装材表面に付着しても、雨水がかかれば洗い流されるが、軒下や庇・出窓の下など雨水がかかりにくいところはそのまま堆積していき、その部分だけメッキ中の亜鉛の溶け出しが早くなって白サビが発生しやすくなる。この住宅でも雨水がかかりにくい部分にだけ白サビが発生しているのはそういう理由からだ。

「ノーメンテだったのでは…」
 ガルバリウム鋼板外装材を扱うメーカーも、あらかじめカタログやパンフレットで、付着物が腐食やサビの発生を引き起こす場合があるため、雨がかからない場所を重点的に水洗いすることを勧めているが、住宅会社もユーザーも“ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、メンテナンスも不要”と思い込んでいることがほとんど。今回ガルバリウム鋼板外装材を使っている住宅会社数社にも確認したところ、定期的な水洗いが必要と認識している会社はなかった。
 この住宅のオーナーも「メンテナンスは一切いらないし、20~30年は大丈夫と言われて使ったのに、いくらなんでも白サビが出るとは思っていなかった」と話しており、現在はどのように補修するのかを検討しているところだ。


軒下に近寄って見ると、白い斑点状の白サビがよくわかる。汚れと思って指でこすっても取れない
 

軒下の部分の白サビの様子。外回りでも雨水がかかりにくいので付着した腐食促進物質が洗い流されず、堆積しやすい。鋼板外装のカタログを見ると、特に定期的な水洗いを推奨している部分でもある
情報の周知を徹底
 この件についてガルバリウム鋼板外装材メーカーは「注意を促すという意味では、以前からカタログに水洗いやメンテナンスをして下さいと記載しており、最近では酸性雨や大陸からの大気汚染物質などによって環境条件が厳しくなっていることに加え、営業担当者もより周知しやすいよう、カタログの最初のほうのページで、よりわかりやすく記載している」と話す。
 ただ、今回白サビが発生した住宅のオーナーは「最初に水洗いが必要だとわかっていれば、別の選択肢を考える人もいるのでは。特に軒下にわざわざ水をかけて洗うのはおかしいのではないか」と語っており、施工した住宅会社も「家の水洗いはあり得ないことだと思う。カタログに書かれている以外にもっと積極的に徹底する情報を提供すべきでは」と話すなど、メーカーとの間に温度差があるのも事実だ。

消費者目線が必要
 外装材の問題というと、北海道では5年前に無塗装ステンレス製の雪止め金具を付けたガルバリウム鋼板の屋根材で、電食により腐食が発生したという事例が記憶に新しいが、この時もメーカー側は「異なる金属同士を接触させれば電食が起きるのは業界の常識」としていたのに対し、住宅会社・板金業者側の間には常識と言えるほど認識されていなかったという問題が浮き彫りになった。
 今回もメーカーはカタログで水洗いを行うように記載しているが、住宅会社もオーナーもその点についてまったく知らなかったという現実がある。メーカー各社には水洗いやメンテナンスの必要性をより周知徹底することが望まれるし、住宅会社・ユーザーも含めた3者で行き届いた情報を共有できるようにすることも必要。メーカーの一社も「洗浄や点検といったメンテナンスの必要性が住宅会社や消費者にまだ十分周知されていない状況にあるならば、メーカーとしてこれまで以上に周知徹底を図りたい」としている。

旭ファイバー グラスウール再値上げ
9月出荷から23%
 旭ファイバーグラス(株)はグラスウール全品を9月1日出荷分から23%値上げする。値上げは今年4月に続くもので、原油価格の高騰に端を発したグラスウールの原料や燃料価格の高騰は予想を超えており、4月の値上げではコストアップを吸収しきれなくなったという。
 小口配送のチャージについても10月1日出荷分から体系を見直す。
 同社では値上げと並行して一般管理費の削減や製造部門のコストダウン、営業部門の合理化などを実施しており、今後も引き続きコストダウン努力を続けるとしている。
 問い合わせは同社営業部へ(Tel.03・5296・2034)。

協力会社と勉強会
イーハウジング函館 会員のダイエット競争も

講演する渋谷旭会長
 函館地区の地元工務店グループ、イーハウジング函館は7月28日に会員工務店と協力会社の社員合計55名を集めて「高効率設備勉強会」を開催した。
 原油高騰の影響を受けて、顧客のニーズがこれまで以上にエコ、省エネ志向になっているため、イーハウジング函館のメンバーはこれまでも積極的にエコキュートなどの高効率設備の勉強会を行ってきた。今後は灯油暖房・給湯や電気の生焚き機器を高効率機器にリフォームするなどニーズが高まることが予想されるため、工務店と同じ意識で協力会社にも関わって欲しいと考えて実施することとなった。
 イーハウジング函館は平成15年8月設立の工務店グループで2週に一度集まって技術面の意見交換を行ったり、広告戦略の相談や建材などの共同購入、専門工事業者の一本化、土地の共同購入・開発、知識や情報の共有によるコストダウンなどに取り組んでいるほか、北方型住宅への取り組みなど行政との連携を重視している。

予想を上回る55名が参加

家も増えて街並みが形成されつつある追分サスティナブルビレッジ
 最初に挨拶した渋谷旭会長(渋谷建設(株)社長)は、まず会の活動を紹介し、現在北斗市で会員企業が合同で開発・分譲中の追分サスティナブルビレッジについては、コンセプトにエンドユーザーが共感していただき、販売が順調に推移していることを説明した。今後の重点戦略としては自然エネルギー活用やCASBEE、補助金の活用などに取り組むとした。
 続いてほくでんサービス(株)函館支店佐野泰士氏が電気料金メニューについて、(株)コロナ函館営業所の佐藤玲主任がエコキュート、北海道ガス(株)函館支店の山本郁夫課長がエコウィル、三菱電機住環境システムズ(株)北海道社函館営業所の八戸修司所長がエコヌクールなどについてそれぞれ解説を行った。

遠慮無く言いあう良さ
 イーハウジング函館の会員が隔週で集まって話し合っていることは、住宅施工のレベルアップや、工務店経営の改善、今後の営業戦略や共同事業の計画などがほとんど。「工務店経営者は社内では批判されたりすることも少ないが、この会合では皆が遠慮無くそれぞれの問題点などを指摘するのでとてもためになる」((株)ハウザー・川村伸之社長)という。
 通常業務が終わる18時以降に集まって議論しているうちに、話題が様々に広がることもある。全員が中年男性ということもあってか「健康」がテーマになることも多い。2年ほど前には「禁煙」を目標に設定し、ほとんどの会員が達成した実績もある。
 08年の新年会の席上であがった目標は「ダイエット」。08年4月からの特定健診制度で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満で生活習慣病の原因になりやすい人)に指導が行われるという話題がきっかけとなった。
 早速08年2月に9名がエントリー。ダイエットの方法は各自自由だが、月1回の体重申告をすることを定め、08年7月末までの半年間でどれだけ痩せられるかの競争を行うことになった。
 7月31日に渋谷建設の事務所に全員が集合し、パンツ一丁で体重計に乗り、全員立ち会いの下で測定を実施した。
 その結果、9名の総減量実績は78・3㎏、1人平均で8.7㎏のダイエットを達成した。
 体重が重い人ほど減量の成果が出やすいと考え、順位付けは何%の減量を達成したか(減量率)で評価。最優秀者は(株)三協テック北海道函館支店の藤澤竜一氏でマイナス1 6・3㎏、減量率は14・76%という断トツの結果となった。
 2位は(株)葛西建設の葛西利吉社長でマイナス11・8㎏(12・86%)、3位は(株)小西工務店の小西義人社長でマイナス10・3㎏(12・ 71%)、4位は渋谷建設の渋谷旭社長でマイナス9・6㎏、(11・58%)、5位は(有)山野内建設の山野内辰男社長でマイナス10・6㎏(10・ 47%)。


最優秀者藤澤竜一氏

ダイエット前の藤澤氏
減量達成で健康志向も
 最優秀者である藤澤氏の場合、それまで毎日欠かさなかった缶ビール3~5本を週1回に減らしダイエットコーラで代用。週3回は食べていたというラーメンも週1回に減らし、うどんなどヘルシーな食事に変更、肉類など脂肪分の多い食事は極力避けるようにした。また週3回は早朝に五稜郭を2周、約40分をかけてウォーキングを半年間継続したという。
 藤澤氏いわく「1人では達成出来なかったと思う。ウエストは15㎝細くなりベルトを切るのが楽しかった。健康診断では肝臓の数値が正常値を示し体調も非常に良くなった。優勝が決まった時にはこれまでに無い達成感も感じた」と述べる。
 4位で、9.6㎏減量した渋谷会長はこんにゃくの煮付けや刺身、バナナ、ヨーグルトなどを中心とした食事とジョギング、腹筋を実施。
 5位で10.6㎏減量した山野内氏は週2回のジム通いで10キロのウォーキングと20キロの自転車、ウエイトトレーニングで3時間のトレーニングを実行。2ヵ月間は菜食主義も貫いた。本人いわく「メンバー間でこのくらいの根性を見せないと相手にされなくなるという意地のようなものがあった」「来年銀婚式なので、記念にフルマラソンを走れるように鍛えたかった」のだという。

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