床根太は連続梁で |
I型ジョイスト工業会セミナー 床のたわみや振動が軽減 |
講演を行う新井会長 |
I型ジョイストの普及を目的として今年2月に発足した日本木質I型ジョイスト工業会(新井信吉会長、(株)新井建築工学研究所社長)では、創立記念講演会を4月23日に帯広、24日に札幌で開催(帯広は十勝ツーバイフォー協会との共催)。同会の新井会長が講師を務め、枠組壁工法の日本での歴史や各国仕様の比較、I型ジョイストのメリットなどを解説した。
講演会では同会の梅林修二専務理事が「一般的に工業会と言えば、大抵は製造業者の団体だが、当会では木質I型ジョイストに関わる製造業者・設計業者・施工業者が一堂に集まり、日本の住宅建設事情に適した方法で木質I型ジョイストを普及させるために発足した。みなさんの仕事につながる情報・知識を提供していきたい」と挨拶。
続いて新井会長が講演を行い、枠組壁工法住宅技術基準の歴史と今後の動向について話を進める中で「枠組壁工法の外壁は、北米でツーバイシックス、北欧では170×45ミリサイズのスタッドなどを使っていることを考えると、日本でもツーバイシックスにしなければ省エネの推進や灯油価格の高騰に対応できないのではないか。現在の日本の枠組壁工法の技術基準はツーバイフォースタッドを前提としたものなので、早急にツーバイシックススタッドに対応した技術基準を作らないといけない」と枠組壁工法の高断熱化と新たな技術基準を確立する必要性を強調した。
また、枠組壁工法の構造部材に関し「床根太は床のたわみや床鳴りなどにかかわってくるとても重要な部材。1スパンごとに1本の根太を掛ける単純梁(根太)が一般的だが、1本の根太を2スパン以上に掛ける連続梁(根太)とすると、たわみ量は単純梁の41%程度になる。つまり、根太はできるだけ長尺ものを使うほうが、たわみも振動も少なくなる。その点、I型ジョイストは長さ8~10メートルまで製造でき、寸法安定性も高いので、連続梁として使えば構造をかなりしっかりできる」と、床根太の使い方やI型ジョイストのメリットについて説明した。
同会への問い合わせは事務局(Tel.03・3342・1939、新井建築工学研究所内)へ。 |