平成20年5月5日号から
床根太は連続梁で
I型ジョイスト工業会セミナー 床のたわみや振動が軽減

講演を行う新井会長
 I型ジョイストの普及を目的として今年2月に発足した日本木質I型ジョイスト工業会(新井信吉会長、(株)新井建築工学研究所社長)では、創立記念講演会を4月23日に帯広、24日に札幌で開催(帯広は十勝ツーバイフォー協会との共催)。同会の新井会長が講師を務め、枠組壁工法の日本での歴史や各国仕様の比較、I型ジョイストのメリットなどを解説した。
 講演会では同会の梅林修二専務理事が「一般的に工業会と言えば、大抵は製造業者の団体だが、当会では木質I型ジョイストに関わる製造業者・設計業者・施工業者が一堂に集まり、日本の住宅建設事情に適した方法で木質I型ジョイストを普及させるために発足した。みなさんの仕事につながる情報・知識を提供していきたい」と挨拶。
 続いて新井会長が講演を行い、枠組壁工法住宅技術基準の歴史と今後の動向について話を進める中で「枠組壁工法の外壁は、北米でツーバイシックス、北欧では170×45ミリサイズのスタッドなどを使っていることを考えると、日本でもツーバイシックスにしなければ省エネの推進や灯油価格の高騰に対応できないのではないか。現在の日本の枠組壁工法の技術基準はツーバイフォースタッドを前提としたものなので、早急にツーバイシックススタッドに対応した技術基準を作らないといけない」と枠組壁工法の高断熱化と新たな技術基準を確立する必要性を強調した。
 また、枠組壁工法の構造部材に関し「床根太は床のたわみや床鳴りなどにかかわってくるとても重要な部材。1スパンごとに1本の根太を掛ける単純梁(根太)が一般的だが、1本の根太を2スパン以上に掛ける連続梁(根太)とすると、たわみ量は単純梁の41%程度になる。つまり、根太はできるだけ長尺ものを使うほうが、たわみも振動も少なくなる。その点、I型ジョイストは長さ8~10メートルまで製造でき、寸法安定性も高いので、連続梁として使えば構造をかなりしっかりできる」と、床根太の使い方やI型ジョイストのメリットについて説明した。
 同会への問い合わせは事務局(Tel.03・3342・1939、新井建築工学研究所内)へ。

ブローイング
値上げ避けられず

原綿引き上げなどが直撃
 ブローイング工事の価格が上昇しそうだ。原油価格の高騰により施工車両の燃料である軽油価格が上昇する中、工事業者各社は企業努力によって価格維持に努めてきた。しかし、ここにきてグラスウールメーカー各社がブローイングの原綿価格を2割前後引き上げた。ある大手工事業者は「景気が厳しい中、値上げはできるだけ抑えたい。引き続き企業努力を行いながら工事品質の確保や雇用維持などに対応するためには、m2あたり200円の値上げが必要だ」と話す。
 道内ではブローイング工事の施工品質を確保するため、検査などに相当のコストをかけており、その成果としてここ数年で信頼性が高まっているという。前出の業者は「引き続き品質の確保に努めながら、ユーザーが安心して暮らせる断熱住宅づくりの一翼を担っていきたい」としている。

健康性の評価定着

夢ファクトリー知床 ダイアトーマスが市場に浸透


コテ跡を大胆に残して仕上げた例(左)と、植物の葉を混ぜて仕上げた例(右)
 (有)夢ファクトリー知床(斜里町)が道内で販売している「健康塗り壁・ダイアトーマス」が発売4年目を迎え、有害化学物質の吸着・分解効果や施工性の良さに対する評価が徐々に定着。標準仕様とする住宅会社も出てくるなど道内住宅市場で普及が進みつつある。
 ダイアトーマスはカルシウムとミネラルを含む海洋藻類の化石・ケルザイムを主原料とした塗り壁材。ケルザイムはアメリカ・ネバダ州の一部でしか採掘できず、アメリカでは自然栄養補助食品や有機土壌改良促進剤、スキンケア製品として使われているほど人体に安全で、ダイアトーマスでは他の原料もすべて無添加物質を使うことにより、ゼロホルムアルデヒド、ゼロVOCを達成。
 ケルザイムの効果によって、室内空気汚染の原因となる有害化学物質の吸着・分解や調湿、脱臭などの効果も発揮し、昨年4月にはJISの測定方法でマイナスイオンの発生も認められた。ダイアトーマスを採用した住宅では新築特有の臭いがなく、焼き肉をしても数時間で臭いが消えると話すユーザーもいるそうだ。

施工性とデザイン性も好評
 また、住宅会社からは施工性とデザイン性が評価されている。施工性については下地となる石こうボードの目地さえ処理すればプライマーは必要なく、そのまま一発塗りで仕上げることが可能。クリーム状で塗りやすいため短時間で施工でき、リフォームでは既存のビニールクロスの上から直塗りすることもできる。この施工性の良さは低コスト化にもつながり、実行価格はm2あたり2千円程度に収まるという。
 デザイン性については、従来の左官材料と同様にコテ押さえやくし引きなどの仕上げが行えるほか、材料自体に強度があるので藁や土、砂、植物の葉など様々な素材を混ぜることができ、洋風・和風のどちらでも多彩な意匠が可能になる。
 同社取締役の丹羽豊文氏は「冬に札幌で行われている展即に出展して3年になるが、特に今年は今までにないくらい問い合わせが多く、ダイアトーマスが市場ニーズに合った塗り壁材であることに自信を深めた。特に施工性・デザイン性は大きなメリットなので、今後もより多くの住宅会社とユーザーにPRしていきたい」と話している。
 ダイアトーマスの問い合わせは同社(Tel.0152・23・2152、FAX.0152・23・2117)へ。

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