平成20年4月5日号から
高性能住宅Q&A 暖房負荷の実測値・上
年ごとでも違う
測ってみなければわからない


6件の住宅の暖冷房負荷実測値グラフ(単位は床面積1?あたりで表示している)
 Q…北海道の省エネルギー住宅の現状を教えてください。わたしたちの地域でも高断熱・高気密化が進んでいますが、まずは先進地を見習いたいと思います。(北東北 設備メーカー所長)
 A…住宅の省エネルギー性能は、一般的には断熱スペックで見たり、熱損失係数(Q値)で見たりします。それに加えて最近は実測値で見ることが簡単にできるようになりました。
 断熱スペックや熱損失係数設定の時は、どうしても細かいところのやりとりになり、「0.1Wよくなった」と一喜一憂しがちです。これももちろん大切な作業ですが、それが終わったら検証をしてみることも大切です。暖房負荷が計算値通りになっているのか、なっていない場合はどんな要因があるのか。
 グラフは札幌(Ⅰ地域)などに建つ住宅の年間暖房負荷です。まず注目してほしいのは、シーズンによって暖房負荷が変わることです。A、B、Dの物件は05~06年のシーズンと06~07年のシーズンの両方がありますが、A物件は2シーズンともほぼ同じ、BとDは06~07年シーズンが少なくなっています。06~07年シーズンは暖冬だったため、一般的には少なくなるはずです。
 また、BとCはほぼ同じ断熱スペックで建てられているにもかかわらず、Cの負荷は大きめです。いずれも次世代基準は軽くクリアしています。(続く)

道産材で家づくり

道水産林務部 建築推進業者の認証開始

道ホームページへの掲載イメージ
 北海道水産林務部では、今月1日より道産木材を使った『北の木の家』に取り組む建築推進業者の認証制度をスタートさせた。道では、認証会社に対して『北の木の家』見学会費用の支援などを行う。
 『北の木の家』は、北海道木材産業協同組合連合会(道木連)が認定する住宅で、JAS制度により品質が確保された構造材、構造用合板、内装材、外装材のうち、森林法などを遵守して合法性が証明された道産木材を、延床面積1m2あたり0・1m3以上使用していることが条件となっており、道がこの『北の木の家』をさらに普及させようと後押しに乗り出した。
 推進業者になるには、◇道内に本店・支店・営業所を置いている、◇木造住宅の設計・施工に5年以上経験がある、◇建築主との契約書等を10年間保存する、◇北方型住宅など省エネ性・耐久性に優れた家づくりに努めること。
 認証を受けると、1.道ホームページに推進業者として掲載し自社PRができる、2.「北の木の家」普及・PRのための住宅見学会への支援が優先的に受けられる、3.道から道産木材や北の木の家についての情報提供を受けられる。また、制度を利用して家を建てるエンドユーザーには、北洋銀行、北海道銀行など数行で住宅ローンの金利優遇が受けられる。
 同部林業木材課では、「『北の木の家』制度普及のため、道としてもできるだけのことをバックアップしたい」と話している。
 問い合わせは、同課需要推進グループ(Tel.011・204・5492)。

木製並み断熱性能

シャノン 樹脂トリプルサッシ発売


2月の展即にもカットモデルを出展、来場者の関心を惹いていた
 (株)シャノンは、アルゴンガス入りトリプルガラスを樹脂枠にはめこんだトリプルサッシ「トリプルシャノン」をこのほど発売した。
 トリプルシャノンは、木製トリプルサッシ並みの断熱性能を樹脂サッシでも実現しようと開発。トリプルガラスはペアガラスよりも重量が増すが、もともと樹脂枠の強度が高いシャノンウインドなら可能と判断、また空気層を通常の12ミリから9ミリにしてサッシの総ガラス厚を27ミリに抑えたため、見た目も従来とあまり変わらないデザインとなった。今回、樹脂スペーサーも採用した。Low-Eコーティングは、室内側と室外側のガラス計2枚に施されている。
 断熱性能は、道立林産試験場で実測したところ、熱貫流率で1.23W/m2Kと同社従来製品より約2割アップし、木製トリプルサッシ並みとなった。さらにオプションのハニカムサーモスクリーンを装着すると0.95W/m2Kに向上する。
 製品バリエーションは、引き違い、縦すべり出し、外開き、ドレーキップ、横すべり出し、FIX、テラスドア、バルコニードアなど一般的に使われる形式をほぼカバーする。
 価格は3月末時点では未定だが、実勢価格で真空ガラス入り樹脂サッシに比べて何割か安くなるという。同社では「Q値1・0以下の高性能住宅に対応するサッシとして道内で既に多数の問い合わせをいただいており、ヒットの予感がある」と話している。
 問い合わせは、同社北海道支店(札幌市白石区南郷通19丁目北1-31、Tel.011・863・8511)。

北区屯田にオープン

キムラ 商品提案のモデルハウス


商品提案モデルハウスの外観。赤系はゼオン化成のゼオンサイディングで、白系はニッタイ工業のタイル
 (株)キムラは、札幌市北区屯田に商品提案モデルハウスを3月にオープンした。ジョイフルエーケー屯田店の西900mほどにあるこのモデルハウスは、同社が扱う建築資材の使い方を提案する目的で計画したもので、住宅会社や資材販売店といったプロを中心に希望者に公開している。
 同社はここ30年ほど輸入建材に力を入れており、床材、内装材、ドア、外装材などさまざまな商品を扱っているが、ショールームがなかったためカタログやカットサンプルで色や質感を確かめてもらうことが多かった。そこで、実際に品物を確かめてもらおうと本社4階の空きスペースにミニショールームを作ったが、展示面積が限られていることなどもあり、商品展示を目的としたモデルハウスを開設することとなった。

モデルハウスの1階部分は、同社が扱うビンテージ風床材や擬木でコーディネート
 同社では「人と環境に優しい住まい方の創造と提案」をテーマに、省エネ化のための高断熱・高気密化部材と、耐久性を高める高性能建材を住宅会社に販売している。今回のモデルハウスでは、北海学園大学佐々木博明教授の協力でヒートポンプ暖房やヒートポンプ給湯「エコキュート」を採用、こうしたエコ機器の提案も行っている。
 外装建材では、屋根材が天然石を吹き付けた「セキスイかわらS」、外壁材は高耐久でノーメンテの樹脂サイディング「ゼオンサイディング」と、高級感あるニッタイ工業の乾式タイルを張り分け、窓はキムラが北海道・東北地区代理店を務める米・ペラ社のアルミクラッドサッシ「デザイナーシリーズ」を使用。それぞれがデザイン性の良さ、高耐久性をアピールしている。
 内装は、床材は同社オリジナルのアンティーク調フロアやパインを使い、2階には床材や羽目板のサンプルを展示。室内ドアも同社オリジナル品を使用。また高性能断熱材や制震工法のカットモデルも展示している。
 北海道ホームビルダーズショー開催時は、本州からの見学者が観光バスで次々と訪れ、モデルハウスを丹念に見ていた。
 モデルハウス見学の問い合わせは、同社商品課へ(011・742・3173)。

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