高性能住宅Q&A 暖房負荷の実測値・上
年ごとでも違う |
測ってみなければわからない |
6件の住宅の暖冷房負荷実測値グラフ(単位は床面積1?あたりで表示している) |
Q…北海道の省エネルギー住宅の現状を教えてください。わたしたちの地域でも高断熱・高気密化が進んでいますが、まずは先進地を見習いたいと思います。(北東北 設備メーカー所長)
A…住宅の省エネルギー性能は、一般的には断熱スペックで見たり、熱損失係数(Q値)で見たりします。それに加えて最近は実測値で見ることが簡単にできるようになりました。
断熱スペックや熱損失係数設定の時は、どうしても細かいところのやりとりになり、「0.1Wよくなった」と一喜一憂しがちです。これももちろん大切な作業ですが、それが終わったら検証をしてみることも大切です。暖房負荷が計算値通りになっているのか、なっていない場合はどんな要因があるのか。
グラフは札幌(Ⅰ地域)などに建つ住宅の年間暖房負荷です。まず注目してほしいのは、シーズンによって暖房負荷が変わることです。A、B、Dの物件は05~06年のシーズンと06~07年のシーズンの両方がありますが、A物件は2シーズンともほぼ同じ、BとDは06~07年シーズンが少なくなっています。06~07年シーズンは暖冬だったため、一般的には少なくなるはずです。
また、BとCはほぼ同じ断熱スペックで建てられているにもかかわらず、Cの負荷は大きめです。いずれも次世代基準は軽くクリアしています。(続く) |