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問題の一つは空気漏れ
第一種に限らず、すべての換気ユニットに共通する特徴として、器内および器外での空気の漏れ“リーク”がある。第一種の場合、これが15%以下といわれている。第三種でもリークは発生するが、第一種の場合、漏れた空気の一部(5%程度といわれている)が、新鮮空気に混入して室内に再供給されてしまうという問題がある。
機械である以上、漏れなどの現象はある意味でやむを得ないもので、新法でもその分を見越して換気量を増やせばよいとしている。換気量増加分はどのくらいになるか。例えば150立方メートル/hの換気が必要な場合、5%のリークがあれば150立方メートルの5%増し、つまりおよそ160立方メートルの換気をする必要がある。換気量を増やすことでファンを動かす電気エネルギーと排気熱エネルギーのロスは増えるが、対応は可能だ。
最大の問題は“混合”
汚染物質の5割も?
本当の問題は、ほとんどの全熱タイプで発生する熱交換器内での汚染空気と新鮮空気の“混合”だ。
顕熱タイプは車のラジエータのような金属、または樹脂のフィンを使い、そのフィンを介して熱を汚染空気から新鮮外気に伝えるもので、リークは多少あるものの、空気の混合はほとんどない仕組みになっている。
一方、全熱タイプは水蒸気なども受け渡すことができる紙状の熱交換素子を使っているため、水蒸気と同じかそれより小さい化学物質などは、水蒸気とともに紙の熱交換素子を通って新鮮空気に入り込んでしまう。そしてその混入率は熱交換率とほぼ同じと言われている。つまり汚染空気の五割程度が新鮮空気に混入してしまうのだ(四面の表参照)。
この問題は以前から非公式には指摘されていたが、公的にも明らかになったのは今回のシックハウス新法の具体的な基準制定の過程だといわれている。
熱交換換気を積極的に推奨すべきだとする意見と、推奨すべきではないとする意見に大きく分かれるなか、ホルムアルデヒドなどのVOC濃度がどれくらい低くなるかを測定。その結果があまりにも悪かったため原因調査を開始し、給気と排気の混入が主な原因とわかったという。
国交省も注意を促す
この結果を踏まえ国土交通省は全熱交換器内部での汚染空気の混入について、同省などが編集した『木造住宅のシックハウス対策マニュアル』の中で問題点を指摘している。同マニュアルの190ページでは、熱交換の方式として顕熱型と全熱型を説明した上で次のように解説している。そのまま『』で引用する。
全熱交換型は『給気の湿度調整効果があり、熱回収効果も顕熱型よりやや高いのですが、環気(排気)の一部が給気に混入するというデメリットもあります。〈以下正誤表による追加文。編集部注〉熱交換換気システムを導入する場合、機械換気量の設計において「有効換気量率(熱交換装置における排気及び装置周辺空気の給気への混入率)」を考慮しなければならず、熱交換器のない換気システムよりやや大きめの機械換気量が必要となります。』
後半はずいぶんわかりにくい表現となっているが、早い話、全熱型の熱交換換気は汚染空気が新鮮空気に混入するので、その分、換気を増やしなさいと言っているわけだ。
この問題は極めて重大だ。例えば0.5回/hの換気を行っても、そのうち本当の新鮮空気は0.3回分もないかもしれないということ。先の引用文では『やや大きめの機械換気量が必要』と言っているが、全熱型で起きる混入についてはそういう問題ではないだろう。なぜなら、全熱型の汚染空気の混入率は熱交換効率と同じ50%程度にのぼると考えられ、これでは少なくてもホルムアルデヒドなどのVOC濃度を低減するための換気設備としては、問題ありと言わざるを得ないからだ。
熱交換換気を採用する場合、多くの全熱タイプのような混入の多い製品は採用すべきではない。必ず顕熱タイプを採用することだ。
このほか、熱交換タイプは1.器内(特に熱交換素子)での空気抵抗が大きいため、消費電力が大きくなる、2.熱交換による省エネ効果を高めるためには住宅の隙間換気の影響を極力低減できる気密性能(相当隙間面積で0.5平方センチ/平方メートル)が求められる、といわれている。またフィルターの目詰まりは、即・換気不良につながるので、十分に注意が必要だ。
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