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素朴だけれど丁寧に手間をかけた料理、そして空間   西区・小別沢「やぎや」

| さっぽろてくてく探訪 | 西区 | 佐久間由里 | 2009.10.15

里山にたたずむ「やぎや」の店構え
里山にたたずむ「やぎや」の店構え
庭。というよりすべてが緑。
庭。というよりすべてが緑。
つり橋がかかるツリーハウスも。どこか懐かしく自然豊かな風景
つり橋がかかるツリーハウスも。どこか懐かしく自然豊かな風景
山羊フレッシュチーズと生野菜のオープンサンド(スープ付)900円
山羊フレッシュチーズと生野菜のオープンサンド(スープ付)900円
山羊熟成チーズのオーブン焼きオープンサンド(サラダとスープ付)1200円
山羊熟成チーズのオーブン焼きオープンサンド(サラダとスープ付)1200円
豚モモスモークとオープンオムレツと生野菜(スープ付)900円
豚モモスモークとオープンオムレツと生野菜(スープ付)900円
豚の腸詰めと季節の野菜の盛り合わせ(スープとパン付)1200円。私が注文したのはこれ。
豚の腸詰めと季節の野菜の盛り合わせ(スープとパン付)1200円。私が注文したのはこれ。
 
 

西区の秘境?
 西区西野・福井側から宮の森に抜ける小別沢トンネルの直前を右に入ると「やぎや」がある。
 車1台が通れるほどの狭い道なので「えいっ!」と右にハンドルを切る。やぎや好きな私は何度もここを訪れているはずだが、注意していないとこの狭い道を見落とす。また、ここまでの道は道幅が狭く対向車が来たら車を寄せなければならない所もある。
 そんなこんなだから、運転に自信のない私にとって、「やぎや」は悲しいかな季節限定である。雪の降る前の年末やぎやから、雪が融けた春の年初やぎやまでは通えない。私にとっての「秘境の店」なのである。

さらりと漂うセンスにひかれる
 深い緑色のやぎやの建物は、まるでその場からニョキニョキと生えてきたかのような周りとの一体感。黙々と草を食べる山羊の群れ、奥にはウサギのいるゲージがあり、年寄りのボルゾイがいて鶏小屋もある。以前に猫好きな娘を連れて訪れた際、猫に近づいたところ、戦利品?の転がったネズミを見つけて大声を上げて飛び上がっていた。子どもも退屈しない場所だ。この日は気の合う友人と訪れたが、彼女もまたウサギやら猫に楽しそうだった。

 店は築60年の古い農家を利用したカフェで、オーナーの永田温子(はるこ)さんのお家にお邪魔したような、くつろげる店内になっている。カウンターの上には瓶がずらりと並び、乾燥したいろいろな形の豆などがつまっている。ところどころにさりげなくオブジェが飾られ、流れる音楽は二―ル・ヤング。若輩者の私が失礼を承知で、すごくおしゃれでセンスが良い。

 温子さんて一体何者? と好奇心が湧いてくる。やぎやはオープンして6年。「知り合いが気軽にご飯を食べに来られるように」と立ち上げた。店の塗装なども周囲の友人たちに手伝ってもらいながら作り上げたという。「周りの人たちの力を借りて、自分に出来る事をただやっているだけ」と笑う温子さん。

できる限り自家産自然メニューに舌鼓
 料理を待つ間、広い敷地を散策した。ここは長靴を持っていくといい。またしても失敗だ、スニーカーでは奥にいる豚の所まで行く元気が湧かない。やぎやの豚は冬を越すことなく腸詰めになったり、塩漬けになったりするから一目みておきたいと思うが、靴の事で躊躇していると山羊と遭遇し、意外な大きさにすこし不安になり店内に逃げ込む。

 さて、一息ついたところでお楽しみの料理だ。私が頼んだのは「腸づめと季節野菜の盛り合わせ」。やぎやに来たなら名物の山羊のチーズだが、残念ながら私は鼻から抜ける独特な香りの山羊のチーズがちょっと苦手。ただ、ここのオリーブ油漬の熟成させた酸味のある山羊のチーズだけは、美味しく食べられる。しかし、この日は残念ながらなかった。

 今回のセットには野菜とベーコンが入ったスープがついてきた。薄味で野菜のほのかな甘みがする。子どもたちにこんな美味しいスープを作ってあげられたら、と思うほどやさしい味。腸づめはプリッとした歯ごたえで、豚の脂が口の中に溶け出してまたまた美味しい。季節の野菜はできる限り敷地内の畑で採れたものを使用。この日は生野菜のサラダにきゅうりのピクルス、カレー風味のジャガイモが添えられていたが、いつ来ても同じ料理に遭遇しないのも、ここを訪れる楽しみのひとつだ。

 料理に添えられたパンは、甘酸っぱい良い香りのする山羊乳酵母で作られている。これを作っているのは二男の塁(るい)さん。時折見かける「頭にタオルをキュ」が似合う寡黙そうな彼が、生地をコネ、店の奥のガラス戸一枚を隔てたところに作られた石窯のオーブンで丁寧に焼き上げている。天井までびっしりと煤(すす)と山羊乳酵母がついたこの窯も手作りという。

 窯の中には笹の葉が敷かれているが、これは粉を振って焼くより笹の上で焼いた方がおなかに優しいからだそうだ。笹の良い香りが窯の中から漂ってくる。店頭ではパンのみの販売もしていて、必要な分だけ切り分けてもくれる。

1200円以上の満腹、満足!
 豚の腸詰めと季節の野菜の盛り合わせ(スープとパン付)で1200円。最後にコーヒーを頼み合計1600円。 月一くらいなら主人に気兼ねなくランチができるかなという私にとって、決して安くはないが、こじゃれた流行りのカフェではまず味わえない、根を下ろした生活の中で作られる手間暇かけた料理と、力強い草木の香りや動物たちの姿はその金額以上の十分な満腹感、満足感を味わえる。

 気の合う友だちとのランチも良し、一人でふらりと入っても良し。大好きな「赤毛のアン」の素朴で丁寧なくらしを覗いているような「やぎや」。雪が降る前に必ずまた行こう。(佐久間 由里・エピルカ)
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やぎや へのアクセス
住所/札幌市西区小別沢30
電話/011-664-5148
営業時間/11:00~日暮れまで(会員制。来店時に会員の登録があります。19時からディナーもあり。希望の方は2日前までに要予約のこと)
定休日/火・水曜日
アクセス/グーグルマップ参照。小別沢トンネルに西区側からアクセスしてトンネルと直前を右。

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エピルカスタッフ

佐久間 由里(さくま ゆり)

1968年生まれ。蟹座のO型。義理と人情に溢れた時代劇と時代小説が大好きな専業主婦。手先を使う細かい手芸も大好きで、細かければ細かい程メラメラと闘志が湧く。旦那には内緒だが実は韓流好き。
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