2世帯住宅の作り方~5事例まとめ

| オーナー体験談 | ハウスメーカー | 家づくりの基本 | 工務店 | 断熱・省エネ・zeh | 設計事務所 | 2世帯住宅 | 2017.03.29

2世帯住宅の家づくりで重要なポイントは何でしょうか。それぞれの世帯の住まいへの要望が異なったり、世帯間のつながりや、逆にプライバシーの確保でしょうか。2世帯分の家ですから、住宅の大きさ自体が大きくなる傾向もあります。そこで今回は、実際に2世帯住宅を建てた方々の体験談をまとめてみます。

1 完全分離型の2世帯住宅を実現したHさんファミリー

1階に親世帯3人、2階に子世帯4人が暮らす完全分離型のシンプルモダンな2世帯住宅。それぞれのライフスタイルを反映した快適な住まいで「スープの冷めない距離」を保ちながら3世代交流を楽しむオーナーのYさんとご家族です。
2016_10taiyo_1251re.jpg賃貸アパートではお子さんの生活音が迷惑にならないか心配で新築を決意。倶知安で暮らす母が体調を崩したので、お母さんと次姉も一緒に暮らすことを決意。住宅性能が高く、2世帯住宅の施工実績も多い大洋建設を選びました。

1階が親世帯、2階が子世帯と上下に住み分ける2世帯住宅。2つの世帯はホールのドアを挟んで繋がっています。5歳と2歳になるお子様は毎日この扉を通って大好きなおばあちゃんがいる1階・リビングへ。夜はYさん夫妻も加わり、一家7人で賑やかなひと時を過ごします。
2016_10taiyo_1129re.jpg1階・親世帯はリビングダイニングと仏間のある洋室、個室が2部屋。子世帯とは全く雰囲気が違うナチュラルで落ち着いたインテリアです。握力が低下してきたお母さんの希望で出入り口は浴室も含めて全て引き戸。将来、必要なところに手すりが設置できるよう壁の下地補強をしています。

「階段を下りると母がいて子供たちを見てくれます。1人で買い物や散歩に出かけられるようになり、ストレスを感じることが少なくなりました」。安心した表情を浮かべる奥さんに2世帯住宅の成功の秘訣を尋ねると、こんな答えが返ってきました。「家族が多いと要望もいろいろ。完全分離型なのでプランニングで意見が食い違う場面はほとんどありませんでしたが、土地決めが大変でした。私は『幼稚園と小学校の近く』、母は『川のそばは水害が怖い』、夫と次姉は『通勤に便利な場所』と主張。間をとって今の場所に決めました。時間がかかっても納得するまで話し合うことが大事だと思います」。
詳しくは 
二世帯で助け合う、支え合う。ほどよい距離の7人家族/大洋建設

2 限られた敷地を最大限活用、洋館風の明るい三世帯住宅

まるで洋館のような3階建ての家。1階は鉄筋コンクリート、2階以上は木造です。こちらのT邸も、入山俊也さんが担当・設計をしました。60代のTさんご夫婦、30代の娘さんご夫婦とお子さん2人、奥さんの母親と、全部で4世代7人の大家族です。
sankei_matome2_Ttei01.jpg 娘さんご家族が同居することになり、それまでの家を建て替えすることになりました。サンケイ建匠さんの構造見学会、完成見学会の両方を見て「これなら大丈夫」と決めたそうです。

「丸みがかった外観の家にしたい」というTさんの希望通り、南側は多角形で洋館のような雰囲気に。縦長の窓が並んで日差しもたっぷり入るこの空間は、親世帯の2階、子世帯の3階ともリビングルームが配置されています。1階は多目的に使える洋室で、バレエに励む娘さんの練習スペースにもなっているそうです。
sankei_matome2_Ttei02.jpgTさんの家は国道のそばにあり、車の往来も多いところで土地の広さも限られています。そこで、入山さんは敷地いっぱいに建物を設計して2世帯住宅として十分な広さを確保。室内も、極力無駄なスペースも造らないよう工夫しました。

土間付き平屋、二世帯洋館、モダン~サンケイ建匠施工例まとめ(2)


3 昭和の家をまるごとリフォームした、大開口のリビングが魅力な2世帯住宅

築約40年の中古住宅をライフスタイルに合った高性能な2世帯住宅にフルリフォームしたAさん。設計・施工を担当したヨシケン一級建築士事務所専務取締役・吉田純治さんの立ち会いのもと、およそ150坪の庭に面したサンルームのようなリビングが見どころのマイホームにお邪魔しました。

Aさんが住まいづくりを真剣に考え始めたのは高齢のお母さんとの同居によって、それまで住んでいた家が暮らしにくくなってきたことがきっかけでした。「もともとモデルハウスとして造られた輸入住宅。デザインがとても気に入っていましたが、母と暮らすうちに不便な部分が目についてきました。特に上下に開閉するダブルハング窓は腕の力が弱い母には扱いにくかったようです。閉めたつもりが閉まっていなかったり...」。生活サイクルの違いによる音の問題や日当たりの悪さも気になっていたといいます。
150219yoshiken_6315cc.jpg新築も視野に入れ、趣味のガーデニングが楽しめる広めの土地を探したAさんですが、前の住まいの近くに大きな庭のある3LDK2階建ての中古住宅を見つけました。広さは40坪ほど。昭和53年の建物ながら築年数の割に状態が良く、水廻りも比較的きれいだったことから、この家をAさんのライフスタイルに合うよう全面改修する道を選択。ヨシケン一級建築士事務所に施工を依頼しました。
2015_02_19_00009.jpg 同社を選んだのは「札幌良い住宅」に掲載されていた壁一面の大きな窓のある住まいに惹かれたから。「こういう遊び心を感じる家にしたいなと。ナチュラルなデザインも好み」。

もとの「茶の間」は吹き抜けのある開放感あふれるリビングダイニングに。2階天井まで突き抜ける迫力満点の大開口部は構造材の外側にガラスを取り付けるカーテンウォールという窓をヨシケンさん独自で造作しました。
昭和の家をまるごとリフォーム。開放感ある大開口のリビング 札幌市・Aさん

4 光熱費も低く抑えた2世帯住宅

札幌のYさんは公務員。共働きの奥さんと団地住まいでしたが、奥さんのご両親の家を建て替えて一緒に住むことになりました。限られた予算の中で難航した住宅会社探し。数社に絞ったものの、ハウスメーカーは「いくつかのパターンの中から選ぶお仕着せの感じがイヤ」(Yさん)で、誠意を持って相談に乗ってくれる白田建築事務所さんに決定しました。
131020shirota_2657_ov3.jpgYさんの家は延床面積が43坪。二世帯住宅としてはコンパクトですが、空間を上手に使いながら、1階にはリビングとご両親それぞれの個室、2階はYさんご夫妻の寝室と客室、それに部屋としても使える納戸も確保しました。

昨年12月から住みはじめて1年近く、「冬はとにかく暖かくて、家の中では半袖で過ごしていましたよ」と振り返るYさんご夫婦。ご両親によれば、建て替え前の家では灯油代が月10万円になることもあったとか。この冬の暖房費は、同じ二世帯でも最大3万円ちょっとで済んだそうです。
131020shirota_2608_ov3_NR_m.jpg初めは「同居するYさんが気を使うことになるのでは」と心配していたという奥さんのご両親。1階にキッチンやバスルームを共有しましたが「家族全員で食事をする生活なので、特に分けるこだわりもありませんでした」とYさんご夫婦は話します。リビングでは、4人でおしゃべりやゲームなどをして過ごすことも多いとか。

二世帯住宅であれば、なおさら「設定されたお仕着せのパターン」ではなく「我が家らしい暮らし仕様」にしたいもの。Yさんファミリーが笑顔で話す向こうの窓に、前の家から残したというモミジの紅葉が映えていました。

電気代が建替前の3分の1!お財布にもエコな二世帯住宅/札幌市・Yさん、Uさん

5 ほどよい距離感にこだわった店舗兼2世帯住宅

2世帯住宅のポイントはお互いに居心地のよいスタンスを保つこと。同居するお母様と一緒に酒屋さんを営む鎌田さん夫妻が選んだのは、リビングとキッチンは別々だけど玄関は1つの住まいで、親世帯と子世帯が行ったり来たりしながら、それぞれの生活を楽しむライフスタイルでした。

石狩市花川南1条5丁目にある「鎌田本店」は全国各地の地酒を扱う酒屋として、長年地域の人たちから親しまれてきました。昨年、10月1日の「日本酒の日」に合わせて築41年の店舗兼住宅を和モダンな建物に建て替えました。
shirota_kamada6983.jpg以前の店舗兼住宅は延床面積175坪もありました。普通の家の4~5軒分です。もともとスーパーだったため、店舗部分も大きすぎました。お店の2階は全くの空きスペース。使っていない居室もあったそうです。奥様もお母様も口をそろえて「ムダな部分が多すぎたんです。使い勝手が悪いうえ、光熱費がかかってたいへんでした」。

そんな悩みを親身に聞いてくれたのが、お店のお得意様として10年以上お付き合いしている、白田建築事務所の白田智樹さん。「使っていない空間を残したまま、断熱・気密性能も耐震性も不十分な古い建物をリフォームで思い通りにするのは難しい。お金もかかります」というアドバイスで思い切って建て替えることにしました。

新しい建物は前の半分以下の75坪。お店を切り盛りしながら2世帯6人が暮らすにはちょうどいい広さです。レジカウンター近くのドアから店舗と居住空間を行き来できるようになり、プライベートで急な来客があっても慌てることがなくなりました。
玄関ホールのまっすぐな階段を上ると、お母様とご主人の妹さんが暮らすスペースがあり、小上がりのあるリビングや客間、寝室があります。キッチンと客間の間に引き戸が見えます。「納戸かな?」と思って開けると、なんとそこには別の2階ホールが。
shirota_kamada7038.jpgホールの先は、子世帯の鎌田さん夫妻のベッドルームと子供部屋です。そのホールにも階段があります。さっき上がってきた階段とは別です。どうなってるのでしょうか?実は、親世帯の階段と子世帯の階段とが隣り合わせになっているのです。2つの階段は、壁で仕切られているのでお互いは見えません。2世帯がプライベートを確保しながら気軽に行き来できる白田さんのアイディアです。ちなみに、子世帯の階段を下りると、1階の子世帯のリビングにつながっています。

「音で『あ、いるんだな』とわかります。孫たちが遊びに来やすくなったおかげで毎日が賑やか」とうれしそうなお母様。「子供がリビングを通ってから自分の部屋に入るようにしたい」という奥様の希望も実現しました。

ほどよい距離感にこだわった店舗兼2世帯住宅 石狩市・鎌田さん


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