家づくりの窓口となる「担当者」は、われわれユーザーにもっとも身近な人です。プランから施工まで、長い時間を共に過ごす担当者と「いい家づくり」を共感できるか否かは重要なポイント。特に「女性担当者」が家づくりに関わるとちょっといいことがあるようです。

- 築21年のお住まいをフルリフォームしたM様邸。和室をフロアーにし、広々としたリビングを実現。ダイニングスペースとの間に設置した蒔ストーブが、空間のアクセントになっており、廻りにはご主人の好きな銘酒のビンが並び、 リラックスタイムを楽しんで頂いている様子。
今回、ご紹介するのは三五工務店で二級建築士・トータルプランナーとして活躍する山本玲さんです。短大を経て、事務職で設備会社に就職するも憧れだった住宅の仕事へ転職。グラフィック・デザイナーであった父親の影響から、「暮らしに豊かさをプラスする仕事に、小さい頃から憧れを感じていた」と言います。現在は、同社でリフォーム専門の技術スタッフとして、現地調査、打合せ、設計、見積から契約、現場管理、引渡しに至るまでのトータルプランナーとして忙しい毎日を送っています。
要望以上の家づくりのために
「家づくりの仕事はお客様の個性を形にすること」と語る山本さん。「単にお客様のご要望に応えるだけではなく、打ち合わせの過程で伝わるお客様のお人柄やセンスから、その暮らしをイメージし、住宅の機能やデザインとして形にすることを心がけています。そのお客様がどんなことを大切に感じていらっしゃるか等により、住宅にプラスするべきものをつかみます。それはとても感覚的なものですが、そうすることにより、そのお客様にとっての、いごこちの良い家づくりが出来ると考えています。そのため、打合せでは、家の話以外の様々な話題も含め、お客様と良い関係を築いていくことを第一とし、お客様の夢を共に実現できるよう努力しています」。
山本さんにとって打合せは、家づくりのなかで特に重要な業務。つい長くなってしまい、時には6時間もの打合せもあると言います。「お客様の大切な財産を預かるわけですから、一軒一軒、ご要望以上の家づくりとなるよう、できる限りのことをしたいと思っています」。
お客様とのおつき合いを大切にしたい
山本さんは、もともと現職のトータルプランナーではなく設計・コーディネート担当者として勤めていました。しかしある時、「お客様とのおつき合いが完成までで終わってしまうことに寂しさを感じ、それまでの仕事に加え打合わせから完成までトータルにかかわりたいと思うようになりました」。三五工務店でリフォームを専門に手掛ける今は、施工管理までの一貫した仕事の重要性を強く感じていると言います。さらにアフターまで対応することで「引渡し後のお客様とのおつき合いの中にこそ、家づくりの本質が見えてくると感じますし、私自身も本当の喜びを感じるようになりました」と言います。
特に毎年春先は、大工さんと一緒に訪問して小さな不具合はその場で補修してくれる "道具箱訪問" (材料費以外は無償)を実施。このような建てた後の細かな気配りは、ユーザー側にとっても、嬉しいサービスとなっています。
また、打合せなどで会社まで足を運んでもらうお客様に感謝の気持ちを伝えるため、お客様の来社時には地場で作られているお菓子やパンをお渡しているとのこと。これには道内地場の企業を応援する意味もあるそうで、「家を造る過程でもお客様に喜んでもらいたいという会社のポリシーをお伝えすることで、"ホッ"とした場の雰囲気も生まれるんです」という。
この仕事が自分を成長させてくれる
山本さんがこの仕事を始めて20年。「長く仕事を続けてこられたのは、この仕事が自分を成長させてくれるから。家づくりは、ご家族の問題などに立ち入らなくてはならないこともあります。そんな時、女性だからこそ理解できる部分もあり、また住まいがその問題を解決するひとつのきっかけとなる場合もあります。後に温かい雰囲気で家族団らんしている姿を拝見した時などは、担当者として涙が出るほど嬉しいのです」と仕事への思いを語ってくれた。
リフォームでは、壁や床をはがすまで構造体の状態が分からないことが多く、制約も多い。しかし、あるはずの構造材がなかったり、余計なものが入っていたとしても山本さんは、「それを乗り越えるのが楽しい」と笑います。さらに、「この仕事を通じて、私自身様々なことを学び、これで終わりということがなく常に何かに挑戦していられる。だからこの仕事は辞められない(笑)」。制約をやりがいに変えてしまうバイタリティと情熱からは、山本さんの仕事に対する思いがうかがえます。
記者の目
家づくりにおいて、プロセスとアフターを重視している山本さん。信頼できると感じたのは、ユーザーのベストな家づくりを追求することはもちろんのこと、常に自分自身のベストに挑戦しているその姿勢でした。「住宅の仕事は生活に直接結び付き、お客様の幸せを創造することができます。家づくりの楽しさや喜びを、よりいっそう感じて頂けるように努力して、子供たちがこの仕事に憧れを抱いてもらえるようになればいいですね」と語っていたのが印象的でした。
(株)三五工務店の企業データ
編集部からの一言
創業50年を超え、性能追求の時期を超えて近年は顧客ニーズに応えるための新事業部を複数新設。
社員・大工とも新規採用を続け将来に向けての準備も進めている。
田中社長は、業績好調時であっても油断せず先陣を切って社内改革を断行し続けている
オーナーがこの会社を選んだ理由
築20年の住宅を二世帯住宅にリフォーム。三五工務店リモデル35の山本玲さんは、キッチンや間取り、収納、部屋の明るさ、家事動線など、私と母の言葉をしっかり聞き、ヒントを得て丁寧に解決策を導いてくれました。打ち合わせも何度も重ね、終盤には間取りの大きな変更もありましたが嫌な顔ひとつせず対応してくれて。母と私、山本さんの女3人で楽しくリフォームできました。(札幌市・T)
建築総額の傾向

社長インタビュー
株式会社三五工務店は、1958年(昭和33年)創業の札幌市北区の地場工務店で、現在は2代目の田中寿広社長が手腕を発揮中。他社に先駆けて断熱・気密の追求を行い、社内改革も継続、いつも注目を浴びています。50年を超えたその歴史を北海道住宅新聞社も見続けてきました。
[記事全文を読む]会社情報
| 企業データ | 昭和33年設立 資本金3000万円 |
|---|---|
| 社内体制 | 社長・設計7名・施工管理10名、パート3名、専属大工3名(専属チームは7チーム)(女性は24名中7名) |
| 過去の実績 | 累計約800棟 過去3年間では合計新築約120棟 |
| 社名 | 株式会社三五工務店 |
|---|---|
| 住所 | 〒001-0034 |
| TEL | 011-726-3535 |
| HP | http://www.kk35.jp/ |
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