恵庭市を中心に札幌、北広島、江別など札幌圏で安定した受注を得ている工務店、株式会社キクザワの菊澤里志社長インタビューの後半です。
前半はこちらhttp://www.iesu.co.jp/ghs/article/20100618163014.htmlをご参照ください。
大工・社員全員が良い会社づくりを目指す
まず大工さんを全て常勤雇用しました。住宅業界では、工務店やハウスメーカーの多くが大工さんを常勤雇用していません。仕事が少ない時に彼らの給料を払わなければならないからです。外注大工さんたちは、仕事の依頼がくると、その住宅会社が俺に仕事をくれた、というふうに考えがちです。その結果、現場に見学に訪れたオーナーさんに親切な対応をしようとしない、あるいはお客さまが現場でおっしゃった突然の要望などに対して、新たな工事が発生するからと断ってしまったりするのです。引き受ける権限がないし、そのことで新たなコストを発生させると住宅会社に怒られるかもしれないと考えるからです。
何よりもお客さまのために仕事をしているという意識が希薄になり、心のこもった仕事がしにくくなくなるのです。住宅会社やお客様に対する愛着は薄く、お客さまのことを考えて精一杯の努力をするという意識も希薄になりやすい。そんな大工さん達の心がこもっていない住宅は、実際はたくさん建設されているのです。
当社は7名の大工を社員として常勤雇用し、頻繁に社内会議で大工さん達と家造りについてディスカッションを行っています。当社の大工は、オーナー様のために良い家を建てようとまず考えています。自分自身が株式会社キクザワという会社の社員であり、自社に対し住宅建設を依頼いただいたオーナー様に対しては、自分自身が期待に応える側だからです。現場見学に訪れたオーナー様には手を止めてきちんと工事の状況を説明しますし、全員名刺を携帯しています。信頼できる棟梁も育っていますし、勉強を重ね、現場で努力し自分の職域を広げようという志を持って仕事をしている大工もいます。
また株式会社キクザワの経営理念や収支の状況などを全社員に全て明らかにしてディスカッションをする全体会議も年4回開催しています。自分の努力が自分の収入とやりがい、会社の成長に結びつくという関係が理解できるようにしている結果、社員全員がキクザワという会社を良くしようと思えるのです。
当社の社是は「住まいはお客様と共に創り上げるもの」です。住宅は売りさばくものではありません。また大量販売するものでもありません。規格住宅にお客様のライフスタイルを合わせていただくのではなく、私たちがお客さまのライフスタイルを見抜き、またお客さまとご相談しながら、楽しみながら時間をたっぷりかけて家創りをしていくことを基本としています。
当社は着実に、一歩一歩成長し、利益は社員とお客さまに還元し、社員もお客さまも喜んでいただく経営をずっと続けています。
提案したい住宅は
住宅性能に関しては当社も気密性能は相当隙間面積(C値)0.4平均、断熱性能はお客様の要望を踏まえ熱損失係数(Q値)1.0を上回る住宅も建てることもできます。ただ断熱性能はハウスメーカーや勉強熱心な工務店など他社の水準も上がっています。もはや当社だけのアドバンテージではありませんので、お客さまにはあまり強調していません。「性能が高いということは当たり前」のこととして一定以上の性能を確保するということです。
むしろ現場見学会などでは室内空気環境の良さ、無垢素材を使った質感やクリーンさなどをお客さまにご説明させていただくことが多いと思います。当社は価格競争力も優れています。取引会社様に対して手形を切らず、現金で期限を守ってしっかり払っていることと、毎年の安定受注があるため、取引会社様にとっても当社との取引にメリットがあって、建材の仕入れ価格を下げてくれているのです。ただ当社の家は高いという印象をお持ちの方もいると思います。それは素材にこだわっているからです。当社がお客さまにまずご提案するキッチンは、他のキッチンメーカーよりも使い勝手や質感で圧倒的に良いものです。仕入れ価格が倍近く高いため、もちろん価格の安いキッチンもご説明しますが、ほとんどのお客さまが当社提案のキッチンを選ばれます。キッチンは特に奥様にとって大事です。一生満足いただけるものを選んでいただきたいと思うのです。その他にも、お客さまの要望を伺った上ではありますが、本物素材を使った住まいづくりをご提案させていただくことが多いため、品質も価格も良いものになる傾向があるということが原因だと思います。安いけれども粗悪なものを最初に提示することがないため、高い印象を持たれることもあるのだと思います。
当社は創業以来一度も同じプランで家を建てたことがありません。アメリカの住宅のように家自体が大きければ様々なライフスタイルを受け止めてくれると思いますが、日本の住宅は大きくないため、お客さまのライフスタイルを知り、それにあった住まいを建てる必要があるのです。企画プランも用意していません。あくまでお客さまのライフスタイルを伺うことから始まるのです。
北海道の住宅業界を支えていくのは優秀な地域工務店だと思います。アース21という団体では、地域密着の工務店や賛助会員、学識経験者など56社が結集し、日々デザインや施工、経営などを学び合っています。お互いの施工現場を見せ合って様々なことを学んでいます。真剣に学び努力している仲間の工務店と一緒に私も努力していきたいと思っております。
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