完了検査も道書式
道建築指導課 ホームページから提供予定

道建築指導課ではこのほど、先月から施行された改正建築基準法(シックハウス対策)に対応する完了検査の申請について、添付する書類や写真の取り扱い内容をまとめた。
 完了検査を申請する時は、添付書類として工事監理の状況がわかる完了検査申請書第四面と、内装仕上げに用いる建築材料のうち、主要な部分の写真を提出する。
 完了検査申請書第4面には、次の3点を記入する。シックハウス対策の措置状況写真を添付した部位に対応する写真番号他の部位と同一の建築材料の使用により写真の添付を省略した部位は、その写真番号。
 このうちのシックハウス対策の措置状況は、どの部位にどの建築材料を使用しているか、どの番号の写真がどの部位に該当するか、どの設計図書によって建築材料を照合したかなどを記載。
 また、換気設備と天井裏等の措置もわかるよう、各居室ごとに全圧力損失を考慮した換気量を記載し、「居室の空気圧が天井裏等の空気圧以上」「気密層や通気止め等によって気密区画化」「第1種・第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使っていない」の該当部分をチェックする。
 なお、完了検査申請書第四面は道が作成した別紙様式に代えることが可能。別紙様式は道庁のホームページ上から、今月上旬にはダウンロードできる予定だ。

写真は床・壁・天井 接着剤・塗料は容器を撮影
 一方、添付する写真は内装仕上げに用いる建築材料のうち、居室単位で床・壁・天井・建具等ごとに撮影し、部位・材料を明記する。規制対象外の建築材料も撮影する。同一部位で二種類以上の建築材料を使っている場合は、最も使用面積が大きい方を撮影する。
 また、壁紙、接着剤、下地ボードのように仕上げが重複する場合、最もホルムアルデヒド発散等級の低い建築材料の写真を添付。等級が同じ場合は見え隠れになる建築材料の写真(ここでは接着剤)を添付する。種別を判別できる表示等がない建築材料は、写真に代えて製品安全データシートや品質証明書など種別が判別できる関係書類を添付する。
 写真は横向きを原則とし、デジタルカメラや写真のカラーコピーも可。写真は種別が表示等によって判別できなければならないが、仕上げ材や造作家具など表示が裏面にあって見え隠れになる場合は、取り付け前に表示部分を撮影し、梱包以外に表示等がない場合は梱包の表示部分を撮影。接着剤や塗料は、容器の表示部分を撮影する。 




シックハウス新法関連
道に取材しました
チェックリストの記入
確認申請時の添付書類を一まとめ オリジナルシート
 道では新法施行に伴い新たに必要になる「換気計画のエリア毎に換気回数を算定した表」及び「使用建築材料表」を整理・統合し1枚にまとめたチェックシート(化学物質の発散に対する衛生上の措置チェックリスト)をホームページ上に公開した。国交省編集のマニュアルに記載されている記載方法よりも簡便なことから、申請者は道オリジナルのチェックシートを使うケースが増えている。
 これはコンパクトで簡便なシートだが、最初はわかりにくい部分もある。これらの点について道建築指導課に取材した。
 下表チェックリストは道が示している記入例1。


集中換気はエリアごと一体
 項目を左から見ていくと、「ブロックNo」は一つの換気設備で対応する居室を同じブロックとする。ここでaは第三種セントラルで、2階のトイレまでを換気することを示している。なお、bとcの居室は通称ロスナイ型といわれる同時給排の換気扇を使うことを示している。ロスナイ型は1室のみの換気として認められており、セントラルのような複数居室の換気としては認められない。
 「天井高さ」はそれぞれの高さを記入しても良いが、(小計)では平均を出している。このほうが換気回数計算がやりやすくなる。
 計算方法は、換気対象空間の容積計算を行い、それをすべて合計して床面積で割る。容積計算から除外していいのは、人が入らない部分。例としては、天井裏、床下、押入、クローゼットおよび造り付け家具の内部など。逆に含めなければならないのは、廊下や玄関のほか、納戸、ウォークインクローゼット、トイレ、浴室、小屋裏物置など(計算方法は右表も参照)。
 一番簡単なのは押入なども含めて容積計算する方法。この場合は換気量が多めになる(安全側となる)。
 「換気量」は機械換気の端末がある部分に数値を書き込む。
 「指定換気回数」は、この記入例ではaブロックすべてについて0.5と書き込まれているが、これは現実に即さないので(小計)に0.5と記入すればよい。
 「必要有効換気量」は式を書き込み、(小計)に計算値を記入する。

告示274は3項目に分類
 「告示274」は少々わかりにくい。まず項目が5つあるが、このうち3と3イ、3ロの三つと、1、2はそれぞれ別の項目となる。区別としては赤線のように3つに分類される。
 1は機械換気の換気口(端末)がある部屋に○印を付ける。圧力損失を端末部分でチェックするという考え方。2は居室に○印を付ける。これは居室の使用に支障を来さないかという観点でチェックする。3については天井裏等の規制をどの方法でクリアするかについて見る。
 このチェックシートでは居室ごとにチェックするという形をとっているため、仕上げ規制も天井裏等の規制も部屋に面する面と空間についてチェックすることになる。例えば二階の洋間なら、仕上げ規制で床(フロア材)、壁・天井(クロス)。天井裏等の規制で床下地と1階天井ふところ、壁間仕切と外壁下地、そして天井裏ということになる。
 このため天井裏等の規制の欄では外壁など気密層や気流止めによる方法イと、1階天井ふところなど第三種建材による方法ロの両方をチェックするケースがほとんどだろう。
 「仕上げ種別・部位」からの4つの欄は仕上げの面積規制に関するもの。ここでとしている規制対象外の建材を使えば「使用面積」を書き込む必要がない。第三種建材を使う場合は、その面積を書き込み、「乗数」をかけ算して結果を示す。

告示273は住宅と関連薄
 一番やっかいなのが「告示273」について。これは天井高が高い場合に換気回数を少なくしても良いという基準をチェックするもの。住宅で0.5回の換気の場合、仮に吹き抜けなどがあったとしても各部屋の平均天井高で緩和規定が適用される2.9メートル以上となることはほとんどないので、ここに記入する必要はない。
 一応の説明をすると(以下の説明は、ここをクリックして上図を拡大したチェックシートをダウンロードし、それをご覧になりながらお読みください)、緑の線のようにチェックしていくことになる。まず、平均天井高が3.5メートルとすると、右下の囲みの部分から換気回数は0.4回となる。この場合、「告示273第3、第4」の欄に第2号i)と書き込む。指定換気回数は0.4回となる。この先は仕上げ規制に関するもので、「告示273第1、第2」の欄に第一と書き込み、面積規制が緩和される。

室容積の計算例

ブロック
No
居室名
床面積
(u)
天井高さ
(m)
容積計算
(m3 )
1F
和室
11.18
2.30
25.71
LD
26.50
2.35
62.28
台所
9.11
2.25
20.50
廊下・ホール
11.18
2.30
25.71
階段
3.30
5.00
16.50
2F
ホール
10.77
2.30
24.77
トイレ
1.60
2.30
3.68
 
(小計)
73.64
2.43
(平均)
179.15

179.15(容積)÷73.64(床面積)
       =2.43(平均天井高)