集中換気はエリアごと一体
項目を左から見ていくと、「ブロックNo」は一つの換気設備で対応する居室を同じブロックとする。ここでaは第三種セントラルで、2階のトイレまでを換気することを示している。なお、bとcの居室は通称ロスナイ型といわれる同時給排の換気扇を使うことを示している。ロスナイ型は1室のみの換気として認められており、セントラルのような複数居室の換気としては認められない。
「天井高さ」はそれぞれの高さを記入しても良いが、(小計)では平均を出している。このほうが換気回数計算がやりやすくなる。
計算方法は、換気対象空間の容積計算を行い、それをすべて合計して床面積で割る。容積計算から除外していいのは、人が入らない部分。例としては、天井裏、床下、押入、クローゼットおよび造り付け家具の内部など。逆に含めなければならないのは、廊下や玄関のほか、納戸、ウォークインクローゼット、トイレ、浴室、小屋裏物置など(計算方法は右表も参照)。
一番簡単なのは押入なども含めて容積計算する方法。この場合は換気量が多めになる(安全側となる)。
「換気量」は機械換気の端末がある部分に数値を書き込む。
「指定換気回数」は、この記入例ではaブロックすべてについて0.5と書き込まれているが、これは現実に即さないので(小計)に0.5と記入すればよい。
「必要有効換気量」は式を書き込み、(小計)に計算値を記入する。
告示274は3項目に分類
「告示274」は少々わかりにくい。まず項目が5つあるが、このうち3と3イ、3ロの三つと、1、2はそれぞれ別の項目となる。区別としては赤線のように3つに分類される。
1は機械換気の換気口(端末)がある部屋に○印を付ける。圧力損失を端末部分でチェックするという考え方。2は居室に○印を付ける。これは居室の使用に支障を来さないかという観点でチェックする。3については天井裏等の規制をどの方法でクリアするかについて見る。
このチェックシートでは居室ごとにチェックするという形をとっているため、仕上げ規制も天井裏等の規制も部屋に面する面と空間についてチェックすることになる。例えば二階の洋間なら、仕上げ規制で床(フロア材)、壁・天井(クロス)。天井裏等の規制で床下地と1階天井ふところ、壁間仕切と外壁下地、そして天井裏ということになる。
このため天井裏等の規制の欄では外壁など気密層や気流止めによる方法イと、1階天井ふところなど第三種建材による方法ロの両方をチェックするケースがほとんどだろう。
「仕上げ種別・部位」からの4つの欄は仕上げの面積規制に関するもの。ここでとしている規制対象外の建材を使えば「使用面積」を書き込む必要がない。第三種建材を使う場合は、その面積を書き込み、「乗数」をかけ算して結果を示す。
告示273は住宅と関連薄
一番やっかいなのが「告示273」について。これは天井高が高い場合に換気回数を少なくしても良いという基準をチェックするもの。住宅で0.5回の換気の場合、仮に吹き抜けなどがあったとしても各部屋の平均天井高で緩和規定が適用される2.9メートル以上となることはほとんどないので、ここに記入する必要はない。
一応の説明をすると(以下の説明は、ここをクリックして上図を拡大したチェックシートをダウンロードし、それをご覧になりながらお読みください)、緑の線のようにチェックしていくことになる。まず、平均天井高が3.5メートルとすると、右下の囲みの部分から換気回数は0.4回となる。この場合、「告示273第3、第4」の欄に第2号i)と書き込む。指定換気回数は0.4回となる。この先は仕上げ規制に関するもので、「告示273第1、第2」の欄に第一と書き込み、面積規制が緩和される。
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ブロック
No
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居室名
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床面積
(u)
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天井高さ
(m)
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容積計算
(m3 )
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a
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1F
和室 |
11.18
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2.30
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25.71
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〃
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LD
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26.50
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2.35
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62.28
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〃
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台所
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9.11
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2.25
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20.50
|
〃
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廊下・ホール
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11.18
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2.30
|
25.71
|
〃
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階段
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3.30
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5.00
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16.50
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〃
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2F
ホール
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10.77
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2.30
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24.77
|
〃
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トイレ
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1.60
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2.30
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3.68
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(小計)
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73.64
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2.43
(平均)
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179.15
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179.15(容積)÷73.64(床面積)
=2.43(平均天井高)
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