2015年5月

2015年05月24日(15:00)

日本で唯一「セントラルヒーティング工事店の団体」

日本全国では暖房といえば「こたつ」。しかし、日本でもっとも寒い北海道ではこたつの普及率が日本一低いという。
じゃあ、あんなに寒い地域でどうやって暖房しているの?

はい。今日のお題「セントラルヒーティング」のお話です。

日本で唯一、北海道は「セントラルヒーティング」が戸建住宅の標準的な暖房方法です。
セントラルヒーティング=集中暖房と訳すことができます。
なので、本来の意味では1台のボイラーで家全体を暖房する方法を差します。
例えば温水セントラルヒーティング。
セントラル温風暖房も少ないですがあります。

また、セントラルヒーティングを「家じゅうくまなく暖房する」という意味にとらえるなら、
ストーブ1台やエアコンと個室に小さな暖房器でもセントラルヒーティングと言っていいのかもしれません。

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そのセントラルヒーティングは誰がつくるかというと、
例えばですが、ボイラーはノーリツ、部屋につけるパネルヒーターはまた別のメーカー、温水を回す配管は銅管、システム部材は外国製といった具合で、どこかのメーカーが完成品を持っているわけではなく、1軒ごとにシステム設計が必要です。
このため、北海道では暖房工事店が40年ほど前に誕生し、経営と技術が現代まで引き継がれています。

温水暖房は、基本的には秋口にスイッチを入れるだけで、あとは春まで何もしなくていいすごいシステムです。
その工事店の団体が北海道にあります。おそらく日本で唯一の存在です。
北海道暖冷房換気システム協会・略称:北暖協(ほくだんきょう)といいます。
非常に価値ある北海道の資産だと、白井は思います。

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この団体は、業界団体ですが誰かに圧力をかけるために存在しているわけではありません。技術の研さんと次世代への継承、会員企業の経営基盤強化が目的です。

日本で唯一、かつ地域の資産。そういう目線で、北海道の住宅産業を見直すと、もっと楽しくなるのではないかと思います。
写真は、先週、5月22日に開かれた北暖協の総会の様子です。
同会のホームページはこちら
http://hokudankyou.com/

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2015年05月20日(18:57)

水漏れ発生!!

今朝のことです。目がさめて、いつものようにトイレで用を足し、スッキリしてからもう一回布団にもぐり込もうかな、なんてヤワなこと考えながら部屋の前まで来たら、足裏に水が。
瞬間的に
「朝からネコの吐しゃ物を踏んじまった」
とトホホな気持ちになって床を見たのですが、毛玉も吐しゃ物もないっぽい。
「?」

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ケンケンしながらゾウキンを取りに行き、まず足裏を拭く。
「おかしいな、臭くないぞ」
そのまま床を拭くが、やっぱり臭くない。

何となく天井を見上げたら、案の定、天井が濡れていました。
朝食の準備をしている女房どのに事態を伝え、真上にある冷蔵庫を点検すると、案の定、庫内でジプロックから水が出ていたそう。

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朝から冷蔵庫の掃除をすることになった白井家でした。
女房どのによると、以前にも冷蔵庫から水漏れを起こしたことがあるそう。
わが家は台所も木床なので、水漏れするとすぐに下階に水がたれる仕組みになっています。
善きにつけ悪しきにつけ。

この時とっさに頭をよぎったのは、
1.台所が1階なら発見は相当遅れるか気がつかないな。
2.台所がクッションフロアの床材で、その下に合板・ポリエチレンシート・断熱材という構成だと、合板が腐る可能性があるな。

という2点です。
2は、クッションフロアとポリエチレンの防湿・気密シートという湿気を通さない素材の間に水がたまって抜けなくなる危険性が高く、そのまま気がつかずに放置すると合板を腐らせる可能性があるという意味です。

床断熱工法を採用している方は、水漏れしても床下地の合板を腐らせない台所の床構造になるよう、注意してください。
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先日、夫婦2人で白樺山荘のラーメンを食べました。
以前食べた季節限定メニューはイマイチいただけなかったけど、
定番のしょうゆラーメンはけっこううまかったです。
よって写真掲載!
 
2015_0520.jpg

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2015年05月16日(16:07)

鎌田先生、室蘭で最後の実験住宅

2015_0516kamata.jpg

今日は北海道・室蘭で、完成しすでに入居している実験住宅の見学会があり行ってきました。
長年、室蘭工業大学で教壇に立ちながら、木造住宅の作り方にイノベーション(技術革新)をもたらした鎌田紀彦先生が、大学教員として手がけた最後の実験住宅になります。
見学しながら、27年前のことを思い出しました。

大学を卒業して2年働いた自分が北海道に戻ってきたのが昭和63年(1988年)2月。そしてその月のうちにボクは鎌田先生の講義を受ける機会に恵まれました。
当社主催の「寒地住宅学校」。大学を卒業して2年足らず、まだ学生気分の抜けない自分にとって、その4日間はまさに授業そのものでました。

どうして家が寒いのか。どうして家が腐るのか。
どうやったら寒さを解消できるか。そのためにどのくらいのエネルギーが必要か。
「断熱性能を100%発揮するための気密化」
鎌田先生のこの言葉は、木造住宅が寒い理由とその対策をすべて言い切っています。
先生の講義は、いまよりは少し柔らかかったボクの頭にスッと入ってきました。相性も良かったのでしょうね。
ものすごくわかりやすく、しかも業界のどなたかが質問しても回答に迷いがない。

ボクは、右も左もわからない新しい仕事を覚えることと並行して、鎌田先生の教科書を何度も何度も読んで、ほぼ暗記しました。
ボクはこの日から鎌田先生の生徒になりました。

あれから27年と3ヵ月もたったようです。
生意気を言ったことも1度や2度ではありません。最近では、日ごろの仕事は仕事として、先生の気持ちを少しは受けとめられるようになったかなと思っています。
 
この日は、失礼ながら、「先生は本当に働き者だな」と心の中でつぶやきました。写真は、住宅設備のちょっとした取り付けミスを自ら直しているところです。最近、鎌田先生が働き者だと見えるようになりました(失礼をお許しください)。

ボクにとっては、ちょっとだけ昔を振り返る見学会でもありました。
室蘭は快晴でポカポカでしたが、札幌に戻ると曇天で肌寒い。こんんな春の日もあるんですね。

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2015年05月02日(18:29)

上棟式

ゴールデンウィークですね。
札幌はこのところ好天続き。明日(5月3日)までは晴れマークです。
今日は公開中のモデルハウス1棟をのぞいてきました。
前回は小雪舞う中で撮影に同行したのですが、ポカポカ陽気の今日、太陽高度も高くなっており、室内の色がぜんぜん違って見えました。おもしろいものです。

さて、今日のお題は「上棟式」。
地鎮祭はやっても上棟式はやらないというのが最近の流れです。住宅会社側も「上棟式はやらなくても大丈夫。大工さんへのご祝儀は必要ありません」とこたえます。
形骸化してしまった上棟式は必要ないかもしれません。

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ところで、上棟式にかわる「上棟の儀」を住宅会社主催で執り行う運動をしている団体があります。
上棟の儀とは何か。
ひと言で言えば、
いい家を建て、その家が本当の寿命を迎えるまで守る覚悟を、工事関係者が施主の前で宣言するものです。

一、私たちは、わが国匠文化の正統な継承者であることを自覚します。
一、私たちは、地域の家を地域で造る社会を目指します。   
一、私たちは、地域を豊かにする家づくりに努めます。    
一、私たちは、Do for sumiteの心でお施主様に尽くします。
一、私たちは、地域の文化、環境を大切にした家づくりをします。
一、私たちは、地域の住まいの守り人として働きます。
一、私たちは、互いに学び、助け合って地の家の発展に励みます。
一、私たちの誇りは、嘘のない仕事をすることです。

グッとくるんじゃないかと思うんです。
神事として執り行う上棟式より、ぜんぜんいい。

カテゴリ:日記 |

PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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