2014年7月
2014年07月24日(10:04)
在宅型の認知症ケアで、住宅はますます重要に
自分はいま、認知症とその対策について調べています。
1週間前まで、ボクは認知症を"ボケ"としかみておらず、『認知症は病気である』という基本的な理解もない有り様でした。
認知症は病気で、統計上は高齢者の約1割が認知症と見込まれます。このことがどういうことを意味するかというと、認知症はとても身近な病気であり、また、厚生労働省が認知症ケアの方針を見直して、なるべく住み慣れた環境で自立した生活を送れるよう支援する在宅型を目指していることから、住宅の役割はますます重要になってきているのです。
認知症は初期の段階で発見し、適切な診断と支援ができると、症状悪化のスピードを遅らすことができ、家族や地域、医療か介護の支援を受けながら豊かな生活が送れる、ということがわかってきて、これまでの入院や施設依存から、住み慣れた地域で豊かに暮らすという方向に変わったようです。
高齢者にとって、断熱住宅の室温環境が血圧を抑える薬と同じくらい重要である、という見方が出てきていますが、認知症介護の場面では、住宅に何が求められるのでしょうか。
段差解消などのバリアフリー対応は当然として、色使いなども関係するのでしょうか?
これからの研究の進展に注目です。
北海道も夏らしくなってきました。
2014年07月17日(11:57)
木の繊維の工場に行ってきました。7月14日(月)
北海道のカラマツやトドマツの未利用材をほぐして、木の繊維そのままに断熱材をつくっている会社です。
竣工式に工場設備を見て以来。久しぶりでした。
東北の一行をご案内するかたちで総勢10名以上での訪問。
工藤社長以下、渡部工場長、営業の赤尾課長が出迎えてくれました。
断熱材というのは機能性建材ですので、基本的に機能と価格は比例的関係にあります。
しかし、木の繊維がつくる断熱材「ウッドファイバー」は違った価値観でつくられています。
断熱性能はグラスウールなどの繊維系断熱材と同等。蓄熱性はとても優れています。しかし、いちばんの特徴は、地元の木を余すところなく使いきるというエコと、天然素材につつまれる安心感にあると思います。
じっさいに「ウッドファイバー」を触ってみると、とても素朴です。
そんなことを見学者がみんな感じながら、ひととおり工場を見終わり、飛行機の時間が迫っていたグループが先に空港に向かい、自分を含め10名ほどが残って話を聞きました。
かなり興味を持たれたようです。価格のことも重要ですが(すなわち少々お高いのです)、ウッドファイバーが価値ある建材かどうかが重要であり、また上手な使い方をすると付加価値を上げられる可能性があるのです。
写真はこう配天井に張ったウッドファイバーです。
付加断熱材として断熱強化を実現するとともに、吸音材として大きな空間の反響を減らし、また仕上げを兼ねることで天然素材の良さを利用しています。
場所は千歳空港から南へ10分ちょっとのところにあり、札幌からも空港利用者にも利便性がいい立地です。
〈写真:旭川・芦野組施工物件〉
2014年07月15日(11:20)
蓄熱性と吸放湿性を旧荒谷邸から学ぶ
35年前のパッシブハウスとして最近注目を集める旧荒谷邸(タギ邸)を2月に訪れたことをブログで紹介しました。
https://www.iesu.co.jp/column/2014/02/05185540.html
そのときに『夏は本当にカビくさくならないのか』ぜひ確認したいと思っていました。その機会がありました。
7月12日(土)、総勢13名でタギ邸を訪問。前回と同じく、タギさんと奥さまが迎えてくださいました。
雪がない時期なので、外回りをぐるりと見ることができました。そして室内へ。
旧荒谷邸(タギ邸)は、やはりカビくささがありませんでした。
冬暖かく、夏涼しいのは、250mmの外断熱と3層ガラスによって実現されており、そのこと自体に驚きはありません。
ただ、この家の気密性能がガス減衰法による測定で換気回数3回/h、強制換気設備なしで、燃費がいまの一般的住宅のおよそ1/3、冬の相対湿度40-50%、夏も冬も結露なしと聞けば、「どんなマジックを使っているのか?」と専門家ほどうなってしまいます。
トリプルガラスサッシもセントラル換気もない時代に考えられた仕掛けに驚くと同時に、いまこそ取り入れるべき知恵もあると思うのです。
それはやっぱり、コンクリートブロックです。吸放湿性があり蓄熱効果のある建材。室内の熱を蓄えて温度変化を緩やかにすること。そして同じく湿度変化もおだやかにすること。その両方ができる建材が、住宅用建材としていま求められています。
ドイツも同じことを考えていることを昨年末のセミナーで知りました。ドイツは日干しレンガを使っているそうです。
室内にどのくらいの量を使ったら良いか、など今のところぜんぜんわかっておりません。タギ邸は構造そのものがコンクリートブロック造ですから、大量に使われていますが、木造ではそうはいかないのです。
2014年07月10日(18:25)
保険に加入していない会社
6月末からの10日ほどで、書きかけのブログをたくさんつくってしまいました。なぜかどれも日の目を見ることなく、お蔵入りの気配です。
今日は、うちの副編集長が昨日取材の中で聞いた話を。
住宅の新築工事を請け負ったり、建売住宅を販売する会社は、引き渡し後の万が一の欠陥発見とその補修工事の費用面の裏付けとして、保険に入らなければならないことになっています。これは義務であり、車を購入したら自賠責保険に入らなければならないのと同じです。
とところが、その保険に入っていない会社があるのだそうです。
うーん。
ボクや社員がおつきあいさせていただいている会社は、ユーザーに真剣に向き合うと同時に、自分たちのプライドにかけて仕事をするタイプの方が多いのですが、住宅会社はさまざまなタイプがある、ということだね、と改めて社員みんなで確認しました。
誰だってミスはありますし、一所懸命やった仕事でも、お客さまから評価いただけない場合があります。そういうときは苦情になったりもしますが、保険に入らない会社は、会社の姿勢として本質的な違いがありますね。
・ルールを守る意識がない
・利益が圧迫されればルール違反も悪びれずにやってしまう
・これらルール違反行為は、注文者・購入者からほとんど見えない
良心にゆだねられるこのような場面では、良心がない人もいることに注意しなければならない。
残念ですが、いまだにそれが現状です。