新聞記事

2016年01月21日号から

外壁付加200mm厚まで一発施工

施工性に優れたイージーラメラ工法

断熱・防音工事を専門に扱う札幌の企業・音熱環境開発(株)は、暖房費削減を目指して高断熱化が進む外壁付加断熱の施工性を高める工法「イージーラメラ付加断熱工法」を開発。札幌の工務店が標準採用を開始しているほか、本州でも採用が決まるなど関心が高まっている。

エネルギー価格の上昇を背景に高断熱化を目指す会社が増え、付加断熱の構造をどうすると良いかが北海道や東北を中心に注目を集めている。

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この工法はロックウール断熱材を使い、
1)付加断熱厚200mmまで一発施工が可能である点、
2)木材に代わる桟材として圧縮強度に優れている超高密度ロックウールを使い熱橋がほとんど発生しない点、
3)ロックウールを接着張りするだけで施工手間が軽減できる点、
4)不燃性と、壁の遮音性が非常に高くなる点-が大きな特徴。

使用するロックウールは、密度80K、熱伝導率(λ)0.033W/mK、幅1000×高さ500mmサイズの付加断熱ボードと、密度140K、熱伝導率0.032W、幅1000×高さ100mmの桟材ラメラ。繊維方向をそろえたラメラ形状で、密度が高く人が踏んでもつぶれないほどの強度がある。このほかにスプレー接着剤と6mmφ、7mmφの長ビスを使う。
断熱厚の標準は札幌で100mm、本州は75mmとなる。

壁ダレしない独自のビス止め工法

桟材ラメラを土台部の外壁下地面材に接着張りし、その上にロックウールボード、桟材の順に貼り付けていく。断熱材施工後、タイベックを張って、その上から通気胴縁を施工する。
通気胴縁の施工は、壁の垂れ下がりを防止するため、ビスを300mmピッチで水平に打ち込むほか、45度の斜め上に角度をつけて7mmφのビスを打ち込む。この独自のビス止め工法(特許)により、壁の支持力が大きく高まるという。150mm以上の付加断熱は横揺れ防止措置を施す。

断熱材の厚さは50、75、100、125、150、200mmを用意している。

2016_01RW-sekou.jpg〈桟材となるラメラを下地ボードに貼り付ける〉
2016_01RW-sekou2.jpg〈ロックウール断熱材も同様に貼り付け〉

戸建てなら2人工で施工完了

2015年11月末に札幌市北区で取材した工事中の現場では、大工が手慣れた手つきでロックウール断熱材を施工していた。5棟目の工事なのでスピードも速くなり、35坪程度の標準的な戸建住宅であれば、大工1人が1面を1日でタイベック(透湿・防水シート)の施工まで終了。通常は2人が2日で付加断熱の工事を終えるという。
ビデオの映像のように、桟材となるラメラと外壁下地ボードに接着剤を吹き付け、桟材を貼り付け。次にロックウール断熱材を同様に貼り付け。この繰り返しで、撮影している間にも付加断熱材がどんどん貼り上がっていく。貼り上がったあとにタイベック、独自のビス止めによる通気胴縁施工となる。

イージーラメラとトリプルサッシでZEH対応も完了

発売元の音熱環境開発・三星寛社長によると、モデルプランを例にした試算で、Q値1.47Wの住宅外壁にイージーラメラ100mmを施工し、窓にトリプルガラスサッシを採用するだけでQ値が0.8W以下になるという。札幌版次世代住宅基準のスタンダード・Q1.0レベルはもちろん、経済産業省が2020年までに普及を目指すZEH(ゼッチ、ネットゼロエネルギー住宅)に必要となる断熱レベルもクリアする。
三星氏は「イージーラメラ100mm付加断熱とトリプルガラスサッシの追加工事費がお客さま渡しで150万円程度だとして、暖房費の削減効果でじゅうぶんに元が取れるため、消費者からの評価がとても高い」と自信を深めている。

イージーラメラ工法の普及を進めるため、全国各地域における独占的販売店を募集している。工法の詳細など問い合わせは同社へ。

音熱環境開発(株)
住所:札幌市北区新川3条20丁目
電話:011-762-7805
メールとホームページinfo@onnetsukankyo.comhttp://www.onnetsukankyo.com/


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