新聞記事

2014年07月25日号から

欠陥住宅訴訟から学ぶ トラブルを避ける3つのポイント

 建物が傾いたなどの被害がないのに賠償命令、築後10年を経過しても欠陥に対して責任を負うなど、最近の住宅関連訴訟の傾向は大きな変化を見せている。一方で、建築側が被害者となるモンスタークレーマーも増えている。トラブルを避けるために必要な3つのポイントを探った。

瑕疵に対する責任は10年で終わらない

140725-1men.jpg 住宅の欠陥・瑕疵を争点とする住宅関連訴訟は、医療訴訟と並んで勝訴が難しい専門訴訟と言われてきた。構造や設計、積算などに関する専門的知見が必要になる一方、請負などの契約で交わされた性能レベルがいわばあいまいであるため、、原告側が住宅会社の過失や損害を立証することが非常に困難だからだ。しかもかつては判決まで平均10年程度かかるなど、長期化が避けられなかった。ユーザーの精神的・経済的な負担は大きく、訴訟を起こすこと自体、相当な覚悟が必要だった。
 その流れが変わったのは、(一社)日本建築学会による2000年の司法支援建築会議設立からだと言われている。同会議は最高裁判所の要請によって設立したもので、建築の専門家が建築紛争の調停・鑑定に協力。紛争解決の早期化に貢献してきた。
 国は消費者保護の観点から、2000年には秋田の第3セクターが千葉で分譲した欠陥住宅の問題、いわゆる秋住事件をきっかけとして、10年間の瑕疵保証を義務付けた品確法を施行。2009年には姉歯事件をきっかけに瑕疵保険加入を義務付けた。欠陥住宅訴訟でも、業者側の瑕疵担保責任で建替費用相当額の賠償を認めた2002年の判例や、建築士の名義貸しを行った建築士の賠償責任を認めた2003年の判例など、消費者に有利となる先例的な判決も目に付くようになったと言われ、最近では札幌で建物の揺れなどを理由に建替費用を設計事務所に請求した裁判で、建て主が全面勝訴する例も出てきている。
 ただ、それでも瑕疵保証が10年間義務化された対象は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分のみで、スガモリは雨漏りとして保証対象に含まれると判断されているが、道内の住宅トラブルで多いとされる落雪や結露などは対象外。万が一、構造・防水に瑕疵があっても、引き渡し後10年を過ぎれば、住宅会社の補修責任はなくなると考えられていた。

損害なしでも不法行為が問われる

 ところが、ここにきて状況はさらに大きく変わってきている。
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