新聞記事

2014年06月25日号から

雪と水に強い屋根材一体型 独自開発の太陽光発電システム

タニタハウジングウエア tel.03-3968-1141

20140625_1_2.jpg (株)タニタハウジングウエア(本社東京都板橋区)は、屋根材一体型太陽光発電システム「エコテクノルーフ」を開発した。金属屋根材を製造する子会社の(株)吉岡(仙台市)で製造し、道内でも本格的に販売を開始する。
 同社は銅製の雨樋製造からスタートし、ステンレスやガルバリウム、アルミニウムなど、様々な金属の雨樋製造販売を主力としている。東日本大震災以降、住宅用太陽光発電システムへの関心が高まる中、屋根置き型の太陽光発電パネルはパネルの下敷きになる屋根材のメンテナンスがしづらく、屋根全体の重量や雨じまいに課題が残ると考え、軽量で耐久性の高い屋根材一体型システムを開発した。
 施工は、アルミの縦桟を野地板上にビス留めで固定。桟と桟の間に屋根材を兼ねた発電パネルモジュールを滑りこませる。モジュールを留めるアルミフレームと縦桟は、アルミ同士の勘合で二重に止水する断面形状になっており、止水にシーリングは使っていない。万が一雨水が浸入しても雨水は縦桟にたまり、流れ伝って軒先の雨樋に排水されるため、ルーフィング材には落ちない。
20140625_1_1.jpg 施工が簡単なため、一般的規模の住宅屋根なら2人工で施工できるという。また、施工後にパネルに不具合が起こっても、問題のあるパネルだけを取り出して交換できるなど、メンテナンス性も良い。パネルと野地板の間の空間は通気層になる。
 耐久性に関しては、社内試験で40m/s相当の風と1時間240mm相当の降雨という悪条件を20分続けても、ルーフィング上に水が落ちないことを確認している。また、旭川市の北方建築総合研究所で模擬屋根を使った長期耐候性試験も実施している。
 このほか、屋根材として防火地域、準防火地域でも使用できる飛び火認定を取得。荷重試験で2.5m相当の積雪まで耐えることを確認済。モジュール間に雪止めも設置可能。
 パネルサイズは働き寸法で幅1365×奥行700mmで重量11kg。ハーフサイズモジュールは幅1365×奥行380mmで重量6.8kg。セルは、多結晶シリコンを採用している。
 保証制度は、モジュール出力保証、パワーコンディショナーなど基本システム保証、屋内への漏水が発生しない止水保証、をそれぞれ10年間。このほか、オプションとして物損補償や天気補償なども用意。
 価格は、他の屋根材一体型システムに比べてやや高くなる見込み。道内では、今月中に販売店向けの説明会を開き、本格的に販売を開始する。


【写真】
[上]フレームも縦桟も二重にツバがついており、そのかみ合わせで止水する
[下]エコテクノルーフを使った住宅 設計:㈲西方設計(秋田県)


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