新聞記事

2014年04月05日号から

建物のダメージを最小限に 2×4工法の制震部材を6月発売

住友ゴム工業 tel.03-5614-8261

20140405_03_1.jpg 住友ゴム工業は、昨年10月にリニューアルした木造軸組工法用の制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」を2×4工法用にも開発し、6月から発売する。
 2000年から施行された新しい耐震基準の住宅では、震度6強クラスの大きな地震に対して倒壊しないような設計が求められているが、本震の後にくる余震の影響までは想定していない。東日本大震災のように、本震の後にも強力な余震が何度も続く状況では、構造躯体がダメージを受け、多大な修繕費用がかかったり、最悪の場合は倒壊の危険性も出てくる。
 制震ダンパーは、こうした余震も含めた地震の揺れを吸収・低減して建物の変位を抑え、構造躯体へのダメージを最小限に抑える目的で使用する。「ミライエ」は、鋼製ブレースと独自のゴムダンパーからなり、脚部は基礎へアンカーボルトで緊結する。
 ダンパー上部につけられたエネルギー吸収材が地震の力を熱に変換して逃して吸収し、建物の変位を抑える。同社の実験では、震度6強相当の揺れを加えたとき、変位を最大70%抑えられる。劣化促進試験では、90年相当の耐久性があり、メンテナンスも不要。
 なお、一般的な広さの2階建住宅ならば、1階のX方向Y方向の合計4ヵ所のみの設置で十分な制震効果が得られ、2階は施工する必要がない。また、部材の配置設計は、同社がシミュレーションを行って提案できるほか、専用シミュレーションソフトも住宅会社に提供可能。販売形態は同社の直販とすることで、中間マージンを削減。販売価格は4ヵ所に使用した場合、30万円以下を予定している。
 同社は、高層ビルや橋梁の制震ダンパーを長年開発・製造しており、北海道では江別市の美原大橋などで同社のダンパーが使われている。ミライエは、こうしたノウハウも生かし、開発され、ハウスメーカーでも採用されている。

【写真】
東京で3月に開催された「建築・建材展」に出店され、大きな関心を呼んでいた


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