新聞記事

2014年02月25日号から

エアコン暖房の勘どころは 常時運転と躯体の高断熱化

北電・毎田氏がO.E.Hで報告

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 積雪寒冷地におけるエアコン暖房とエコキュートの快適性・省エネ性について、北海道電力北見支店の毎田光則氏が、去る1月27日に行われた「オホーツク環境住宅研究会(略称・O.E.H)」の25年度第5回研究会で報告。オホーツク管内でエアコン・エコキュートを採用した住宅の室内温度変動や電気料金、運転状況などの実測結果から、エアコンの気流感解消は設計の配慮や常時運転が必要なこと、エコキュートのランニングコストは日中に沸き増ししたほうが安くなるケースがあることなどを紹介した。
 毎田氏は主暖房にエアコンを使った住宅の温熱環境やランニングコストについて説明した後、エアコン暖房の課題である気流感の対策としては、常時運転と断熱性能の向上が重要になると強調。「エアコンから2〜2.5m以上離れると、温風による気流感はほとんど感じないので、エアコンの設置位置は居住者との間に2m以上の距離が取れるようにしたい。ただ、間欠暖房すると運転停止状態から設定温度まで室温を上げようと出力を上げ、風量も多くなるため、2mの距離があっても気流感を感じやすくなる。エアコンは常時運転したほうが気流感対策として有効。
 また、断熱性能が低いと室内に対流が起こり、室温が高くても不快に感じてしまう。Q値が1.6Wより悪いと対流が起こりやすく、Q値1.4W以下になると対流は起きにくくなる」と語った。
 エコキュートのランニングコストについては、「冬期は日中に沸き増し運転する場合と、深夜電力だけで運転する場合を比較すると、ランニングコストは日中に沸き増ししたほうが安いケースがある。これは夜間より外気温が高い日中の方が運転効率が良くなるためで、電気料金が安い深夜のみ運転するほうがいいというわけではない。洗濯回数が多いなどお湯を多く使う家庭であれば、冬期は省エネモードで沸き上げ温度を低めに設定し、日中の沸き増し運転を増やすほうがいいかもしれない」と、冬期は日中の沸き増し運転によってランニングコストが下がる可能性があると説明した。

[写真]毎田氏


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