新聞記事

2013年07月15日号から

2013年着工予測 全道37,000戸 持家の成長、年末まで続く

 北海道の今年の住宅着工は、ここまで15%増の持家の成長が年内は続くが、貸家と分譲が微増で推移し、年計では当初の予想通り3万7000戸台の成長になりそうだ。また札幌圏は意外にも伸び率が全道平均を下回っているが、2014年以降の落ち込みは全道より小幅に収まりそう。

好調な持家、振るわぬマンション

 全道的に新築・リフォームともにすでに強烈な人手不足感となる一方、「全体でどの程度増えているのか?」「この状態がいつまで続くのか」「現場は昨年比で急増しているとは思えない」などの声も聞こえる。今年は、予想される消費税率アップを控えた難しい年でもある。そこで、2013年の着工と同時に、札幌市と周辺市を合計した札幌圏※の着工予測、さらに年末までの持家着工の動向予測を行ってみた。
※札幌圏:札幌・小樽・岩見沢・江別・千歳・恵庭・北広島・石狩の8市の合計

全道着工:持家のみ2ケタ成長
20130715_01_02.jpg

 全道の持家着工は2009年の1万224戸を底に徐々に回復しているが、とは言え2007年以降、1万1千戸台の着工が続いている。今年は1~5月累計で15%増、今後もほぼこの伸び率が維持され、年間で13%増の1万3500戸程度となりそう。7年振りの着工量だ。
 持家の着工増がいつまで続くかだが、前回の消費税アップとなる1996年を見ると、持家は3月以降12月の微減を除き翌1997年の2月まで2ケタ増を続けた。それを参考にすると、今年も年末まではプラス成長が続くとみても良さそう。ただし、前回はその後15ヵ月にわたり反動の大幅減となった。
 貸家は今年、ほぼ前年並みに推移している。これは1996年も同様。施工力が木造系は戸建てに、RC系は分譲マンションに取られるため伸びないのか? 今年年計もほぼ前年並みの1万9300戸と予想した。伸びがない分、来年は小幅減少にとどまる見込み。
 難しいのが分譲の予想だ。1996年と今年は違った動きとなっており、参考にならない。今年はここまで建売が好調、分譲マンションはすでに累計で減少している。マンションはすでに来年3月の竣工・引き渡しが工期上、難しくなっていることに加え、用地取得が難しいこと、建材値上げなどでペイラインがあがっていることなどを考えると、今年後半月のプラス成長は限定的と考えられる。年計では好調な建売と合わせ微増の4200戸台。
 この結果、住宅着工全体は3万7200~3万7300戸、前年比5~6%の伸びとなりそうだ。2014年以降は現時点で非常に読みにくいが、持家と分譲の減少、貸家の堅調が予想されている。

札幌圏着工:伸び率、全道を下回る
20130715_01_01.jpg

 今年1~5月の着工を見ると、札幌圏は全道を伸び率で下回っている。いまや全道着工の約6割を占める札幌圏着工が伸び悩んでいるということは、裏返せばその他の地域が今年は非常に好調だということ。キャッチコピー的に現状を表現するなら、札幌圏は堅実系、その他全道は駆け込み気配-となろうか。
 もうひとつ、施工能力の面から見るなら、札幌圏は持家10%増でも目いっぱいということになる。
 さて、現状から今後を占うのは難しいが、年計でも全道の伸びを下回ると予測する。持家は10%少々の伸びで6100~6200戸台、貸家は6%程度減少し1万1000戸台、分譲は2ケタの減少で3000戸とみた。

全国着工:100万戸ラインで推移
20130715_01_03.jpg

 全国の着工は、今年1年間100万戸にギリギリ到達するかどうかという線で推移している。当初、東北地方の復興需要が2万戸程度あり、それ以外がほかの地域の伸びとみていたが、今のところ当初予測の範囲内で推移している。
 伸び率でみると、前年比13%台のプラス。


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円


関連記事

powered by weblio


内容別

月別

新着記事