新聞記事

2013年06月26日

6月29日30日 MADOのリフォーム相談会を全道で開催 YKKAP

YKKAP(株)は、北海道内にある「MADOショップ」26店舗の合同企画として"MADOのリフォーム相談会"を6月29日(土)・30日(日)の2日間開催する。

この相談会は2011年からスタートし、今年で3回目。昨年から本格化した電力需給の問題などで省エネに対する関心が高まり、住まいの防犯性や安全性に対する関心も高まっている。そこで、高い省エネ性能で節電効果のある窓や玄関ドア、カギのかけ忘れを防止する内窓などを相談会で紹介する。

相談会では個々の製品だけでなく、半日程度の短時間で窓や玄関ドアの取り替え工事ができるカバー工法の紹介や、住まいながらの手軽なリフォームも提案する。
 
MADOショップは、全国各地にある建材販売店がYKKAPとパートナーシップを結び、窓や玄関ドアのリフォームを中心に展開するお店。今年3月末現在で全国に1000店舗以上ある。
 
同社北海道支社では、MADOショップ推進部を今年度から設置し、担当者を専任で配置し、しかも前年度に比べて大幅に増やすなど、「MADOショップ」との連携を深めて全道でより快適な住環境を届けられるリフォーム提案を強化する。
 
 
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MADOのリフォーム相談会 開催概要

■日 時 :2013年6月29日(土)、6月30日(日)
■参加店舗:北海道内のMADOショップ26店舗
■開催時間:10:00~17:00(店舗により前後有り)
■来場者プレゼント:エコバッグ、お子様向けプレゼント等
■主な商品:プラマードU(内窓)、樹脂窓カバー工法(リフォーム工法)、ヴェナートRD(リフォーム用玄関ドア)
■参加特典:イベント特別価格での販売
■その他特典:各店舗オリジナル企画も予定 例;網戸張替(500 円)、野菜即売会等 地域に応じた催事


【参加店舗リスト】
下記店舗の住所などは
http://www.madoshop.jp/shop-search/list/?qp1=sc&arid=1 へ。
 
□札幌市
手稲富丘店 (株)総建装
手稲星置店 (有)岡建窓
札幌丘珠空港通店 北光ガラス(株)
札幌北1条通店 TOTO北海道販売(株)
札幌石山店 地商ハウス(株)
 
□道央
恵庭店 (有)西川建具工業所
石狩花川店 たいち
小樽オタモイ店 (有)安藤建装
倶知安店 本田興業(株)
伊達店 山本産業(株)
登別室蘭IC店 (株)田中ガラス店
 
□道南
函館吉川町店 日新産業(株)
函館美原店 (株)エイワアルミ産業
 
□道北
旭川永山店 (株)ホクニチ
旭川末広店 (株)かんの
富良野店 (株)ヤマサ
士別店 (有)中田ガラス店
名寄店 (株)松前ガラスサッシ事業部
 
□道東
北見西卸町店 (株)水沢金物
北見小泉店 (有)藤アルミ工業
網走店 秋山アルミ工業(株)
中標津店 丸二サッシ工業(株)中標津
釧路曙店 丸二サッシ工業(株)
釧路駅前店 (株)水野商店
帯広大通店 (株)道東サッシセンター
帯広西20条店 エラサッシ工業(株)
 
 


2013年06月25日号から

2013年上半期を振り返る 着工増も駆け込みの気配なし 8月以降に集中するとの声も

20130625_01_01.jpg 2013年も早半年が過ぎた。この間、国は改正省エネ基準の告示や、住宅ローン減税の延長・拡充、木材利用ポイントなど新たな補助事業の創設を実施。一方、住宅会社は来年4月に消費税増税を控えて駆け込み需要の刈り取りが重要になるところだが、実際に駆け込みが目立つという声はほとんど聞こえてこない。ただ、例年より道内の住宅着工量(1?4月)は増加傾向にあり、住宅会社からは今年後半に向け、大工や外注業者の確保、建材値上げなどへの対応が急務との声も出ている。

続きは、以下のページから伝言欄に「6月25日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
https://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2013年06月25日号から

読者のつぶやき

足場組むのに1ヵ月待ちって...
道央 工務店 社長

 これから着工する2つの物件の確認が下り、いつも頼んでいる足場業者にいつ現場に入れるか電話したところ、なんと1ヵ月待ちという返事。現場が混み合い出して、普段取り引きのない住宅会社からも発注が相次いでいるとのこと。何とか部材を確保してもらって、基礎工事の後、すぐ足場を組んでもらえることになりましたが、こんな状況が今年は続くかと思うと気が滅入りますね。


地産地消は大切だと思うけど
オホーツク 工務店 社長

 ここ数年で地域材の使用を条件とする補助金が多くなりましたが、補助金ばかりに目が向き、地域材の品質・特性が普段使っている外材などと比べてどうなのかという議論が十分なされていないと思います。地域材の品質や特性によっては、構造体が経年変化する度合いも変わってくるでしょうし、住宅性能にも影響が出てくる可能性があります。地産地消が進んでも、住宅の品質が落ちたら本末転倒です。


2013年06月15日号から

繁忙期を前に現場の安全管理

 厚生労働省の統計によると、労働災害で命を落とす人は全国で毎年1000人以上いる。北海道の建設業に限っても、平成24年に27人が亡くなり、960人がケガしている。増税前で現場が多忙を極める中、事故の危険性は増えている。安全に現場を管理するためにはどうすればいいだろうか。

足場の安全意識高まる
法改正が浸透し現場も取り組む

 住宅関連の10団体で構成する?住宅生産団体連合会は、全国635社から平成23年に集められた40万件以上の住宅新築・リフォーム現場の報告書を元に、「平成23年低層住宅の労働災害発生状況報告書」をまとめた。それによると、労働災害の発生件数は415件あり、約半数が墜転落事故、次に工具がらみの事故が約2割を占める。この割合はここ数年ほとんど変わっていない。
 報告書を細かく見ていくと、平成21年から23年の3年間で足場からの墜転落事故件数は約4分の3に減ったのに対し、脚立からの事故は2倍以上に急増している。また、ハシゴ事故や屋根からの墜転落事故も増え続けている。
 この結果についてまず考えられるのは、仮設足場に対する安全意識の向上だ。本紙では平成21年6月15日号で「足場に新たな規制」と題して国の労働安全衛生規則の一部改正を報じた。それまで規則を守っていても墜転落事故が起きていた現状を踏まえ、新たに中さんや巾木の設置など墜転落の防止措置を義務化することで足場の安全性を高めようという改正だった。
 さらに国は、昨年2月に「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」を各都道府県の労働局長宛に通達し、労働者の作業実態などを踏まえて、法律ではカバーしきれない建築物の設計段階から足場の解体まで総合的な安全対策を求めている。
 こうした取り組みが功を奏したのか、足場からの墜転落事故による死傷者数は5年で半減している。
 柳求環境安全部長は、「住宅会社の間でも『足場の組立て等作業主任者』の資格取得者が増えるなど、足場の事故防止への取り組みが進んでいる」と話している。足場リース会社も「資格取得の講習会を今年開いたところ、定員を大幅に上回る申込が来た。大半が住宅会社の工事担当者や大工だった。これは今までにないほどで、関心が高まっている証拠ではないか」という。
 足場作業主任者は、足場の構造や仕組みを理解し、組み立てや解体に際して労働災害の防止を行う役割がある。足場リース会社の社員が取得していたのはもちろんだが、住宅会社側も足場をリース会社が組んだ後に作業工程上の都合で巾木を1枚動かしたり取ったりすることがあり、本来この資格が必要だという。資格者が住宅会社におらず、大工が運搬や作業の邪魔だと足場のパーツを一部取り外してそのままにしたために、足場が傾いた現場もあるという。

脚立からの事故増える
「少しぐらい」という気の緩み

 一方、脚立やハシゴからの墜転落が増えている背景は、多くが屋内作業であり、足場を使わない高さや規模の作業のため「これぐらいは大丈夫だろう」という気の緩みがある。柳部長は「たとえば2階で高所取付作業をする時、1階に下りて適正な脚立を持ってくることをせずに『作業時間が少しで済むから』と手元にある120㎝の脚立で無理な姿勢で作業を行い、バランスを崩して落下した例がある。この高さからの落下でも4日以上の休業となり得る」と危険性を警告する。
 また、工具がらみの事故では、丸鋸の安全カバーを外して作業中に刃が体に当たったり、電動釘打ち機のトリガーを引いたままうっかり先を足に当ててしまい、釘が自動的に打たれてしまった事例など、一瞬でケガをしてしまう。作業上の便利さを優先するあまり、基本的な安全確保がおろそかになったのが原因だ。

新しい職人に十分な教育を

 たとえ意識の高い住宅会社でも事故は起こり得る。たとえば規律の緩い住宅会社で働いていた職人が、規律の厳しい住宅会社で働き出すと事故を起こすことがある。また、忙しくて応援で来てもらった職人や大工に限って事故を起こすこともある。いずれも、新しい現場の環境・規律を理解し、慣れる前に事故を起こしてしまったようだ。
 こうした事故を少しでも減らすには、働き出す前に十分な安全教育・説明の時間を取るほかに、今いる職人に対しては元請側が根気よく働きかけて1人1人の安全意識を高めていくしかない。
 ある工務店では月1回午前中に取引業者を集めて現場をパトロールさせ、午後には安全大会を開いてその状況と改善点を発表させる。さらに夕方には現場から大工を呼んでその場でダメなところを指摘する。手間はかかるがこれを何年も続けている。
 そこまで徹底するのは難しくても、職人や大工に給料を渡すときに必ず労働安全に関する話をしたり、どのような状況で働いているのかヒアリングするだけでも効果がある。
 また、北海道労働局の山川和巳主任産業安全専門官は、「『足場からの墜転落防止対策要綱』や、安全帯など墜落防止工法・関連器具の使い方を啓蒙する小冊子を用意しているので活用してほしい。作業に潜むリスクを未然に防止するリスクアセスメントの考え方を取り入れることが重要だ」と話している。

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2013年06月15日号から

津波被害受けた古民家を再生中 港町に再びにぎわいを 福島・いわき市 中之作プロジェクト

20130615_02_01.jpg 2011年3月11日の東日本大震災で床上浸水し、80歳を過ぎてそこに暮らしていた所有者が解体しようとしていた築200年以上の住宅を再生、「清航館」と名づけてレンタルスペースとし、地域復興の足がかりにしようという取り組みが始まっている。
 福島県南部の太平洋岸に面したいわき市中之作(なかのさく)地区。江戸時代から続く歴史ある港だが、4㎞ほど南には小名浜(おなはま)港があり、こぢんまりした中之作は、古き時代の味わいを残していた。気候は温暖、5地域(旧Ⅳ地域)区分となる。
 震災による津波は中之作も襲った。海岸沿いの住宅地は一段高い場所に位置しており、5mを超す津波を受けて床上50㎝程度まで浸水したものの、幸いにして建物構造には大きな被害がなかった。ただ、室内は建具が散乱し、津波の恐ろしさを物語っていた。
 震災後、高齢化が進む中之作地区では、旧家を所有している高齢者たちが建物の解体をはじめた。解体に対する補助金が出たこともあるが、背景には進学や就職で家を出て行った跡継ぎ世代が戻ってこないことが原因だった。
 中之作地区では、震災・津波は解体のきっかけに過ぎず、家を壊す本当の理由は、そこに住むべき住民の世代交代がうまくいかないことだった。

冬も暖かい古民家に
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 いわき市内で設計事務所を営む豊田善幸さんは、震災前に趣味の自転車でよく中之作地区を通り、また「清航館」の改築相談も受けていた。震災後、土地建物を所有者から譲り受け、再生工事をスタートした。
 建てたのは、江戸時代の船主で廻船問屋も営んでいた豪商で、築200年以上と想定されている。木造2階建てで延床は70坪。低く構えた2階からは中之作港と太平洋を一望することができる。
 豊田さんの計画は、「清航館」を調理場つきのレンタルスペースとし、地域の会合などに使ってもらうほか、落語会などのイベント、食事付きのワークショップなど地域活性化の核になる施設として運営すること。
 そのためにも、『冬は寒くて行きたくない』古民家ではなく、断熱・気密にしっかりこだわった暖かい民家にしたいと考えた。

2間グリッドの伝統工法

20130615_02_02.jpg 建物構造はとてもシンプルで、8寸(24㎝)角の柱が2間(3.6m)間隔に並び、その柱に梁の高さ30㎝を超す鴨居(かもい)が差し込まれて留まっている。石の基礎に柱が乗ったこの構造で、震度6弱の揺れと津波によく耐えた。
 200年の間には何度も改修が行われており、オリジナルがどうだったかをつかむことはかなり難しい。また、断熱・気密を行うために当然のことながら窓や壁、小屋組にはこれまでにない改修を加えることになる。ただ、デザインしすぎず、これまでの200年がそうだったように、ずっとこの地にあったような意匠にしたいと豊田さん。このため開口部については木製にこだわった。
 2012年に土塗り壁の施工を参加型イベントなどで終え、地震で崩れた瓦の除去と断熱のための新しい小屋組を行って瓦を載せ直し、今年1月末には外部足場がいったんはずれた。その後木製サッシを取り付け、外部工事がほぼ終了。訪問時は床断熱工事をほぼ終え、隣接して蔵があった東側の解体が行われていた。
 断熱は屋根が既存の小屋組の上に200㎜、壁が土塗り壁の外側に100㎜、床は床下に100㎜。いずれもグラスウールを使用。
    *       *
20130615_02_04.jpg 改修工事の資金は、有志からの募金や企業などの補助金で捻出。運営は、任意団体で立ち上げ、今年2月にNPO法人に認可された中之作プロジェクトが行っている。代表の豊田さんは「予算の関係で、2階の工事や厨房などは間に合わないが、来年3月にはとりあえず完成の予定だ。ここが最初にきれいになり、にぎわいがよみがえって震災復興の第一歩になれば」と語っている。
 同プロジェクトの問い合わせや募金は事務局へ(tel0246-38-4848)。

[写真 上から]
・港に面した「清航館」。外観はきれいにお化粧直しが済んでいる

・室内の一部。正面床の間の脇に2階へ上る隠し階段がある。手前は氏神様をまつる神棚、8寸柱と鴨居も見える

・2階の床の間は螺鈿(らでん)貼りに加え、漆加工の模様が浮き上がる。隠し階段からも2階は特別な空間だったのではないかと想像される

・施工を終えた塗り壁の前に並ぶ、中之作プロジェクトを支える豊田さん(中央)、公私ともに豊田さんを支える千晴さん(左)、NPOの事務をするとみーさん(右)


2013年06月15日号から

編集長の目 土間下断熱は必要か?

土間下の断熱なしで普及開始

 北海道で壁の断熱厚とともに最近関心を集めているのが、基礎まわりの断熱だ。
 基礎断熱工法は北海道で開発され、本州へ広まった。布基礎の外側に断熱し、床下全体を保温空間とすることで地盤の熱容量を生かしつつ、床まわりの気密納めを大幅に簡略化できることが主に在来軸組工法を採用するビルダーから評価されたためだ。床下を収納スペースにすることもできる。
 基礎断熱をする場合、布基礎とともに土間下も断熱するべきか否か。ヨーロッパ・スウェーデンの図面を見ると、土間下に厚い断熱を施していた。カナダ・R-2000マニュアルでは、布基礎から90㎝までの室内側土間下に断熱すると、とても効率的だと書かれていた。昭和60年代のことだった。
 基礎断熱を普及させる際、北海道では、土間下の断熱は必要ないという指導がされた。断熱すれば冬季の暖房負荷を軽減できるが、夏場に地盤の涼しさを室内に取り込むことができなくなること、数年経過すると冬季の熱損失もおちついてくることがその理由だった。また、新工法普及の障害となるコストアップを最小限に抑えるため、土間下断熱をあきらめた面もあったかもしれない。

床下の熱損失とカビのリスク

 それがここへ来て『土間下断熱をしたほうがよい』という話が徐々に強くなっている。
 Q値計算ソフトでシミュレーションすると、基礎まわりの熱損失を減らそうと布基礎部分の断熱をいくら厚手化してもほとんど効かない。次世代基準(Q値1.6W)を超す高断熱化を目指すとき、基礎とは別の断熱方法が必要になっていることが一つ目の背景。
 そもそも基礎断熱は、初年度床下がかびやすい。床下に暖房器を設置しない場合、夏場で床下温度は床上より3~5℃低くなる。ところが土間下全面に断熱すると、カビっぽさがなくなると言われている。床下のカビを防ぐには土間下全面断熱したほうがよいというのが第2の背景。
 そして、最近の熱解析の結果、基礎断熱の場合は土間下の断熱が有効であることがわかってきたことが第3の背景にあるようだ。
 先日室蘭で開かれたNPO新住協の研修会で室蘭工業大学・鎌田紀彦特任教授は、超高断熱住宅Q1.0-X住宅を推進するに当たり、言葉を選びながら土間下断熱をしたほうがよいと述べていた。

納めとコスト増をどう解決するか

 さあ、この問題をどうやって前に進めていくのか。
 コスト面を試算すると、押出スチレンフォームB3種50㎜を20坪の土間に敷き詰めたら40枚。7万円以上の費用増になる。
 工法はどうか。ベタ基礎のように底盤が平たいときは断熱材を敷き込みやすいが、布基礎工法だと最も熱が逃げやすいとされる基礎と土間の取り合いの断熱がいい加減になりやすい。
 断熱性を維持しながら最大限のコスト抑制を実現するために、どのような土間下断熱工法が考えられるのか。そもそも土間下断熱でどの程度の熱ロス抑制が実現するか。夏場の冷熱は使えないのか。これまで日本の断熱住宅をけん引してきた第一人者とともに、ここはぜひ若手研究者のがんばりに期待したい。先人の功績の上に新しい成果を積み上げるのは、後に続く人たちの仕事だと思う。

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床下の環境面から考えると、土間下断熱をした方がカビ被害を避けることができる


20130615_03_02.jpg無暖房・矩計
無暖房住宅(スウェーデン)の断熱構成
屋根:U値0.08W
壁 :U値0.10W
土間:U値0.088W
窓 :U値0.85W


2013年06月13日

8月1日 東大・前先生招きセミナー/本紙編集長とのトークセッションも

0801flyer.jpg 北海道住宅新聞社は、日本スティーベル(株)・(株)エクセルシャノンと共催で8月1日(木)に札幌で省エネ住宅セミナーを開催する。

 電気料金の値上げや割引制度の廃止、エネルギーコストの上昇などでこれからの暖房と換気設備に何を選ぶべきなのか、難しくなっている。また10月からは一次エネルギー消費量規制を導入した省エネルギー基準が施行され、断熱性能を引き上げても電気暖房・給湯の生だきを使うと基準がクリアできなくなる。

 今回のセミナーは、「エコハウスのウソ」で有名になった、歯に衣着せぬ気鋭の研究者・東京大学工学部前真之准教授を招き、「エコハウスのウソ・熱交換換気のウソ」と題して講演いただくほか、前教授と本紙白井康永編集長のトークセッションとして、北海道の熱源選択について、白井から前先生に質問していきたい。このほか、日本スティーベルとエクセルシャノンの製品紹介もある。

 日時は8月1日(木)13時30分~16時50分、場所は札幌コンベンションセンター 小ホール(札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1)。定員100名で先着順、参加費は無料。
お申し込み・お問い合わせは本紙(tel.011-736-9811 fax.011-717-1770)または日本スティーベル奥田まで(tel.044-540-3203 fax.044-540-3210)。

申込チラシはこちら>>2013_0801mae.pdf


2013年06月05日号から

読者のつぶやき

プラン作成・見積りは例年の倍以上
道央 住宅会社 社長

 ゴールデンウィークこそ悪天候でモデルハウスの集客は散々でしたが、4月から5月にかけてプランニングや見積りをしているお客様は例年の倍以上という忙しさ。これまで新築を考えてきたお客様が、「建てる」と一斉に決断し始めたようです。ただ、消費税が上がるからと慌てて今年新築したいというお客様はいません。そういうお客様の駆け込みは、おそらく8〜9月頃にあるのではないかと思っています。

モデルハウスはやはり見た目優先か
道北 工務店 専務

 新しい分譲地でモデルハウスを建てるにあたって、当社は標準的な仕様で設計・施工。見た目は地味ですが、地元サラリーマンでも手が届きやすい価格としながら断熱・気密性は高く、建材も耐久性が高い製品を多く使いました。しかし、お客様はコストをかけた見た目の良い他社のモデルから見て、当社は後回し。やはりパッと見の第一印象が良くなければ、見たい気持ちにはならないのでしょうか...。

建材値上げの影響
釧路市 工務店 社長

 ツーバイフォー材は今まで、価格が安い他地域の材木店から買っていました。ところが春先から大幅値上げの通知が出され、地元の材木店と変わりない価格になったので地元の店に調達先を切り替えました。地域によって値上げ度合いに差があるのでしょうかね。建材を買いだめするにも限度があるし、建材値上げの話はほかにも来ていて、この先の見積にどの程度反映させるのか悩みどころです。


材木店は木材ポイントに関心低い?
帯広市 工務店 社長

 木材利用ポイントの事業者登録が始まりました。工務店は比較的登録は簡単ですので、さっさと済ませたところも多いと思います。ところで気になるのは、供給する側の材木店の動きです。彼らも登録しなければならないはずですが、営業担当に聞いても要領を得ない答えが返ってきて困惑しています。いくつかの店に聞きましたが、まだ登録してないようです。大丈夫かな~

下請けでわかる他社のレベル
十勝 工務店 社長

 下請けとしていろんな現場に入ることがあり、他の住宅会社の施工レベルが良くわかるようになりました。屋根下地など「こんなのでいいの?」という施工もありますね。入居後数年という住宅に行くこともありますが、見えないところで手抜きをしている現場もあります。お客さまにはわからないでしょうが、自分は価格優先のためにこのようなことはしたくないなあと感じました。


2013年06月05日号から

マンションに見る最新のスマート装備

 東日本大震災以降、戸建住宅では大手ハウスメーカーを中心に"スマートハウス"の商品化が相次いだが、分譲マンションでも道内のデベロッパー2社がエコロジー・エコノミーを打ち出した"スマート設備搭載マンション"を積極的に展開。他社物件との差別化につなげている。

道内2社が先行し、太陽光など設置

20130605_01_01.jpg ここ1-2年の間に戸建住宅では、大手ハウスメーカーの多くが太陽光発電や蓄電池、HEMSなどを導入した、いわゆる「スマートハウス」を商品ラインアップに加えた。スマートハウスの定義は特に決まっているわけではなく、仕様も各社様々だが、共通しているのは太陽光発電で作った電気を、蓄電池やHEMSを利用することでムダなく使うということ。首都圏ではスマートハウスだけの住宅展示場も誕生しているほど、旬の商品となっている。
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 一方で、分譲マンションはどうかというと、採用物件は徐々に出てきているものの、その数はまだ少数。特に道内・札幌ではマンションデベロッパー15社程度のうち、積極的に太陽光発電などのスマート設備を導入しているのは㈱じょうてつ(山口哲生社長)と日本グランデ㈱(平野雅博社長)の2社だけだ。

 この2社のうち、日本グランデは〝環境にやさしい商品を提供する〟というコンセプトのもと、かねてからディスポーザーや節水型設備の導入を進めていたが、さらに物件の差別化を図るため、2010年末の着工物件から他社に先駆けて太陽光発電の導入を開始。今年3月に完成した「グランファーレ学園前ルネッサンスグランデ」から、太陽光発電に蓄電池を組み合わせたシステムを採用している。共用部の照明の電力をまかなうと同時に、余った電気を売電・蓄電することで管理費の削減を図るとともに、停電時には非常用電源の役目を果たす仕組みだ。
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 さらに現在、札幌市北区に建設中の「グランファーレ北24条ステーションサイド」では、入居者の節電・省エネをサポートすることを目的に、HEMSも全戸に導入した。
 同社企画設計部の北谷博之部長は「お客様は立地・価格を優先して物件を選ぶが、そのうえでさらに太陽光発電や蓄電池があると『これはすごい』となる。太陽光発電や蓄電池などの設備が購入のきっかけになることはほとんどないが、他社物件の差別化としてこれらの設備は非常に有効で、万が一、災害が起こった時の安心感にもつながる」と言い、スマート設備が他社物件と競合した時に最後の一押しとなる「決め手」となっている。
[写真 上から]
太陽光モニター
エントランスホールに設置されたモニターで太陽光発電の状態を入居者が確認できる(日本グランデ)

太陽光発電kai
屋上の塔屋の上に設置された太陽光発電パネル(日本グランデ)

蓄電池kai
エントランスホールの一角に備えられた蓄電池(日本グランデ)

専用住戸の光熱費削減で〝指名買い〟も

20130605_01_04.jpg 一方、じょうてつでは共用部だけでなく専有部分のランニングコスト削減に踏み込み、太陽光発電による共用部分の省エネ・電気代削減に加え、専用住戸にもヒートポンプエアコンやエコキュート、HEMSの導入を進めている。
 同社が属する東急グループでは、2008年から環境配慮に関する優秀な取り組みを表彰する「東急グループ環境賞」を創設。これをきっかけに同社では環境負荷低減に貢献できる物件を提供していこうと、2010年着工の「アイム北29条」からヒートポンプ採用のオール電化を推進。「アイム北29条」は同賞の環境優秀賞を受賞した。2011年からは太陽光発電の導入も開始し、現在では太陽光発電・ヒートポンプ・HEMS・LED照明を導入したオール電化仕様を〝スマートECO2スタイル〟と称してユーザーにアピール。この取り組みによって、指名買いのユーザーが増え、同社の物件同士での競合も見られるようになってきたという。
 ランニングコストは同社の試算によると、現在建設中の「アイム旭山公園通」の3LDK(81.9㎡)で4人家族が暮らした場合、年間光熱費は北海道電力の値上げ申請をそのまま適用した条件で19万4800円となり、都市ガスセントラルとIHクッキングヒーターの組み合わせより15%近く安い。既存物件の入居者アンケートでは「以前の住まいより光熱費が下がった」という声が6?7割を占めるそうだ。
 同社不動産事業部都市開発部の坂昭彦部長は「一昨年の震災以降、エコ・省エネに対する関心が高いお客様が多くなっている。分譲マンションを選ぶ際の優先順位は立地が1位だが、その次に設備を重視するお客様も増えており、〝スマートECO2スタイル〟の取り組みは完全に差別化になっている」と語る。

[写真]
HEMS
オプションで専用住戸内のテレビをHEMSのモニターとして使うことも可能(じょうてつ)

2社とも販売価格に上乗せなし

 両社に共通するのは、太陽光発電などのスマート設備を導入したからといって、販売価格が決して割高になっているわけではないということ。
 例えば日本グランデの「グランファーレ学園前ルネッサンスグランデ」は3LDKの販売価格が2300万?2600万円台だが、同物件から半径1キロ圏内で来年完成予定の他社物件は3LDKの最多価格帯が2500万円台。じょうてつの「アイム旭山公園通」も3LDKの販売価格が2430万?3130万円で平均2780万円と、周辺の物件と比べても割高感はない。販売価格を抑えつつ付加価値を高めていることは営業戦略上の大きなポイントだ。
 この点については、「確かに原価は上がるが、大切なのは建設する地域で売れる価格設定にすること。そのために利益を抑えることもある」(日本グランデ・北谷部長)、「設備関係は支給方式とし、当社が各メーカーと交渉し、価格が安いメーカーから仕入れてゼネコンに支給しているほか、仕上げの素材の変更などにより、太陽光発電やヒートポンプ導入物件としては割安な価格設定にしている」(じょうてつ・坂部長)と言う。
 また、両社とも次の展開として低炭素建築物の認定を視野に入れていることも興味深い。じょうてつでは今年8月頃に販売開始する「アイム大通公園Ⅱ」で分譲マンションとしては道内初となる低炭素建築物の認定を目指しており、スマート設備導入に加えて躯体の断熱性能も引き上げる予定。日本グランデも低炭素建築物の検討を始めたところで、新しい基準・仕様などについては今後も積極的に取り入れていく意向だ。


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