新聞記事

2012年12月05日号から

いい家にこだわって毎年25~30棟

秋田県大館市・ワイズホーム

20121205_02_01.jpg秋田県の内陸部、青森との県境に位置する人口8万人弱の大館市は、真冬は札幌並みの寒さ。そんな大館市で15年以上にわたり、高断熱・高気密住宅だけを年間25~30棟建て続ける工務店がある。北海道とは異なり、ローコスト系や地元工務店の多くは気密化しない旧来型の家、しかし性能による差別化は同市でも難しい。そんな中奮闘する㈲ワイズホームを取材した。
 山内裕一社長は工務店3代目。工法改良や設備の見直しを続け、現在は充てん+外張り付加断熱のオリジナル工法「マルチスタック工法」が全体の7割を占めている。同工法は軸間にウレタン吹き付け、外張りにアキレスQ1ボードを採用。開口部はトリプルシャノンを使い、C値0.6以下、熱交換換気なしでQ値1.2W程度の性能を誇る。大館市は地域区分で2地域、次世代省エネ基準が1.9Wなので、性能レベルは際立って高い。今年は顕熱熱交換換気とヒートポンプ暖房を採用した家も増えている。

どう伝えたらわかってもらえるか

20121205_02_02.jpg 建て主との出会いは内覧会が中心。そして、内覧会の告知にはこだわっている。
「内覧会は、新聞に段ヌキでカラー広告を掲載しています。新聞は1日限りでも広告は残るし、気に入った方は保存してくださる。2年前の広告を持ってお見えになる方もいらっしゃるんですよ」と山内社長。
 大館市には新聞が多い。秋田県のブロック紙「秋田魁(さきがけ)新報」のほか、地方紙を含め全部で4紙。市民の購読が支えるこれらの新聞を使った新聞広告がメインとなっている。
 物づくりにこだわってきた会社だから、内覧会では語りたいことがたくさんある。「何かひとつ欠けても障害の発生につながる。だから自分が最高と認めたモノだけを使って信頼できる仲間と家を建ててきた」と社長。しかし一方で、ものづくりの違いをどう説明したらわかってもらえるか。このことを悩み続けた15年でもあった。

これからは社員が輝く会社へ

20121205_02_03.jpg 『家を建てるならワイズホームさん』というユーザーを少しずつ増やし、口コミの底力で顧客の支持を広げていく。営業マンを置かず、お客さま担当は社長1人。朝イチで手描きのプランおこし。出勤して社長を支えるスタッフと、プランの打ち合わせ。その後現場、夜はお客さまとの打ち合わせ。このスタイルを15年続けてきた。事務所も現場も心の通う仲間と仕事がしたいから、社員大工だけで工事をおこなう。
 これからも棟数を伸ばすつもりはない。目標を、どこにもマネできない性能とデザイン性を兼ね備えたオンリーワンの家に据えて、スタッフが活躍する場を拡大し、お客さまから『社員が素晴らしい』と言われる会社になりたい。山内社長の挑戦は続いている。

有限会社 ワイズホーム
秋田県大館市字観音堂298-5
代表取締役 山内裕一
設立 1969年3月
ホームページ・http://yshome-net.com


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