新聞記事

2012年11月15日号から

腐らないデッキ木材

秋田杉など原料の再生複合材 秋田ウッド

20121125_02_01.jpg リサイクル原料で腐りにくいデッキやベンチなどのエクステリア建材を製造している会社が秋田県・大館市にある。地元の秋田杉と工場から排出される廃プラスチックを原料とし、顔料を混ぜて押出成型される建材は、腐らず色落ちせず、紫外線劣化もほとんど起きない高い耐久性と、木材の質感、そして南洋材並みの手ごろな価格で、地元東北のほか西日本などでも人気。北海道への販売にも意欲的だ。
 商品名は「AO-MWood(エー・オー・エムウッド)」といい、木材・プラスチック再生複合材として国内6番目のJIS適合認証を昨年受けている。

 AO-MWoodの特徴は、木材の良さである質感と、プラスチックの良さである耐腐食性などの性能を併せ持っている点に加え、顔料や添加剤によって20年以上のフリーメンテが期待できる点。大学や病院建築の壁面ルーバー材としても採用されているが、これはスーパーゼネコンが外装建材としてアルミ材と同等以上の耐久性があると認めているから。
 原料は、周辺の製材工場から排出される廃木材と、ポリプロピレンをメインとしたプラスチック材。これらを粉砕し、いったんペレット状に混合したあと、熱を加えて押出成型する。
 木材を原料に5割以上使いながら非常に腐りにくいのは、木材腐朽菌が材料内部に侵入することをプラスチック成分が膜を作って防いでいるからだという。
 秋田県が、間伐木材とプラスチック材、AO-MWoodを並べて海岸のキャンプ場に設置して耐久性試験を行ったところ、プラスチック材は3年でダメになり、木材は5年で朽ち、残ったのはAO-MWoodだけだった。現在、腐食の激しい設置場所ほどAO-MWoodが選ばれているという。
 製品はデッキ材を中心に製造しており、ビス留めとブラケット納めの2通りの施工方法がある。またルーバー材は化粧柱として使うこともできる。色は標準色としてブラウン、明るめのサンディブラウン、グレーの3色を用意。
 設計価格の目安は、2間幅×奥行9尺のデッキセットで30~40万円程度。製品単体価格は、ジャラなど南洋材と同等という。
 「針葉樹用材でデッキをつくると、寒冷地でも2~3年で腐ってしまうほか、落雪などで傷みが進行しやすい。このため住宅にデッキを設置することをためらう住宅会社様もあると聞いているが、ぜひAO-MWoodを使ってみてほしい。防腐塗装の必要がなく、枕木のようにタールの流出もないので素足で歩くこともできる。また、外壁の化粧柱に使うこともできる」と同社はPRしている。

 問い合わせは同社へ(秋田県大館市白沢字松原570、tel.0186-47-2230)。
ホームページ
http://www.akitawood.e-const.jp/


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