新聞記事

2012年02月25日号から

ストッパールーフ 扱い変更

住宅かし保険 認定品のみ保証

 「ストッパールーフ」の愛称などで広く知られる無落雪勾配板金屋根の住宅かし保険取扱いが昨年11月から変わり、一部の工法を除いて申請書類などが煩雑になった。施工現場の中には、戸惑いや波紋が広がっている。真相を取材した。


札幌や旭川で漏水事故続発
保証機構が改善要請

20120225_01_02.jpg20120225_01_01.jpg これまでストッパールーフは通常の「勾配屋根」と同じようにかし保険で扱われていた。しかし、昨年11月からは、施工マニュアルなどの書類を添付する個別審査が必要となり、手続きが煩雑になった。
 これに対してマキタ式スノーストッパールーフを販売する㈱マキタ(帯広市、牧田光成社長)は、設計施工基準第3条に基づいて保険取扱いできる確認書を12月初旬に住宅保証機構から取り付け、他の4保険法人からも同様の扱いを受け、以前と同じ手順で保険を受けられるようにした。
 関係者らの話を総合すると、事の発端はこうだ。昨年、札幌や旭川で無落雪勾配板金屋根の漏水事故が続発。スガモリを含む屋根の漏水事故については、北海道が突出して多く、住宅保証機構側は保険事故を未然に防ぐための措置を工法開発・発売元に要請した。
 その措置とは個別申請。機構はその理由を「設計施工基準で想定している勾配屋根とは異なり、雨水が屋根の勾配なりに流れる形状になっていないため」とした。
 マキタは、平成13年に現在の第3条除外認定と同等の扱いを住宅保証機構から受けていた。このため、申請を受け付ける窓口である北海道建築指導センターでも、これまでは特別な書類の添付をせずに申請が受理されていた。しかし現在、無落雪勾配板金屋根は、同社だけでなく複数の会社がそれぞれ独自工法として発売しているほか、今回の住宅保証機構側の要請もあったことから、同社では改めて第3条除外認定を申請。その際、若干のマニュアルの修正等を求められたという。
 主な変更点は、①下葺き材に改質アスファルトルーフィングを全面張りする②天窓まわりの納めなど、写真と図解で施工をわかりやすく説明③引渡確認書として、屋根施工業者の保守責任などを明確化し、屋根施工業者、建築請負業者、施主の3者が署名押印して複写をそれぞれが保管―など。
 このほか、責任施工体制も再構築した。札幌地区は特約店の㈱エスエス販売、その他の地区についてはマキタがそれぞれ講習会を開くなどして施工マニュアルの周知徹底に努め、講習会を受けた施工者には修了書を手渡し、教育を受けた施工者が責任施工したことを書面に残す。

施工費アップが大きな課題

 住宅保証機構では「マキタ以外にも申請は複数から受けている」と話しており、今後も第3条除外認定を受ける類似の工法が出てくる可能性がある。
 一方、屋根施工業者からは、「実際にマニュアル通り施工すると施工費が3倍になる」という声も出ており、住宅会社側の屋根仕様ともからんで波紋が広がっている。


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