新聞記事

2012年02月05日号から

1月に室温が上がらない①

高性能住宅Q&A 759

立ち上げの熱量不足

Q・・・昨年、当社としては初めての床暖房の住宅を施工し、年末に引き渡しました。1月に『室温が20℃までしか上がらない』と施主から相談が来ました。原因がわからず不安です(道央・建築会社)
A...まず最初に疑うべき可能性から説明しますが、この会社は、断熱住宅の実績については充分で、これまでの住宅と違う点は暖房方法だけだそうです。断熱不良が原因とは考えにくいのです。
20120205_02_01.jpg 窓面のダウンドラフト対策が不十分だったと言えなくもないですが、室温が上がらないのは、もうちょっと違った問題があると考えられます。また、最初の暖房負荷設計は間違っていなかったという前提で話を進めたいと思います。
 真っ先に考えられるのは、コンクリートに熱を取られて、室温を上げられないということです。
 この問題について、建築側のチェックポイントと設備側のチェックポイントに分けてみていきます。
20120205_02_02.jpg まず建築側です。断熱区画内にコンクリートがどのくらい使われているか、竣工の時期はいつかがポイントになります。
 特に1階がRC造外断熱で2、3階が木造の場合など、コンクリート使用量が多いと熱量不足になりやすい(家が暖まりにくい)です。
 試しにおおざっぱに計算してみました。建築面積60㎡の3階建て、1階がRC外断熱だとしたら、その概算コンクリート量は39m3(重さにして90t)。このコンクリートを5℃から18℃に加熱するのに必要な熱量は、容積比熱が立方メートルあたり0・55kWhですから、少なく見積もって22kWh。   (続く)


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