新聞記事

2011年05月25日号から

ひじり野・南あいの里、MHC札幌など大型は好調

GWの集客

 住宅景気を占ううえで毎年重要な指標となるのがゴールデンウィークの集客数。今年は特に東日本大震災で消費マインドの低下も懸念される中、フェアやイベントで集客を図ったニュータウンや総合住宅展示場の来場者数はどうだったのか。北海道マイホームセンター札幌会場に話を聞くとともに、去る12日に行われた北海道住宅都市開発協会・札幌商工会議所共催の研修会で不動産市況アナリスト・外城忠昭氏が報告した道内各地の集客状況を紹介する。

マイホームセンター札幌
家族連れ中心に増加

20110525_01_01.jpg 道内外のハウスメーカー22社・23棟のモデルハウスが並ぶ道内最大規模の総合住宅展示場・北海道マイホームセンター札幌会場では、4月29日(昭和の日)から5月5日(こどもの日)までの期間中、スタンプラリーやふれあい動物園のほか、仮面ライダーショー、道内初登場のすべり台遊具・パイレーツスライダーなどのイベントを実施。天候にあまり恵まれなかったにもかかわらず、来場者数は前年比1割増と好調だった。
 子供向けのイベントが中心だったこともあり、来場者は子供がいる家族連れがほとんど。特に仮面ライダーショーやふれあい動物園が人気だったと言い、東日本大震災による自粛ムードの中で安近短志向となったユーザーも取り込んだようだ。
 同会場の担当者は「昨年と同じくらいの来場者を見込んで各種のイベントを用意したが、最終的には1割増と昨年を上回る来場者数となった。天気が悪かった中ではいい結果だと思う」と話す。
 なお、札幌市内の他の会場については、森林公園会場と南会場が昨年並み。北会場はやや減ったが、「昨年のゴールデンウィークはオープン時期と重なって来場者数が多かったこともあり、単純に減ったわけではないと見ている」(札幌会場担当者)。

ニュータウン
客足鈍く平均20組

 一方、土地・建物の分譲を行っているニュータウンはどうだったのか。道住宅都市開発協会・札幌商工会議所共催の研修会で、多くのニュータウンを見て回った外城氏の報告をまとめると次のようになる。
 ●フェア・イベント内容...集客のためのイベント等は以前と比べて激減し、非常に少ない。ただ、やる気がなかったわけではなく、各住宅会社が来場者に対応するため個々に設置しているテントは増えている。イベントは移動動物園が目立ち、ふわふわ遊具もいくつかのニュータウンで用意していた。あとは屋台や縁日などで、特に変わったものはなかった。
 ●集客状況...イベントの減少・マンネリ化により、多くの来場者を集めたニュータウンは少なく、平均20組程度。50組来場すれば札幌圏では5本の指に入る。個別に見ると旭川に隣接する東神楽町・ひじり野ガーデン「花都心」が1000組を超えたほか、札幌の「南あいの里」が500組、「ライブヒルズ」が250組を数えた。「花都心」は24社24棟の最新モデルハウスが公開され、よさこいや太鼓演奏などの各種イベントも充実、「南あいの里」は24社28棟のモデルハウスを公開するなど新しいモデルを一ヵ所でたくさん見ることができる点が好調な要因。「ライブヒルズ」は新たに2棟のモデルが建ち、大手が集客に力を入れていることがプラスになった。
 このほか千歳の「サンシャインガーデンあずさ」で200組、苫小牧の「スマイルタウン沼ノ端」で100組の集客。
 ●来場者の特性...やはり子育て世代が多い。ただ、これらの世代に付き添う両親は一度も見なかった。両親は子供の住宅取得に援助できなくなってきているのではないか。また、子供が産まれる前の夫婦や婚約中のカップルなど子育て予備軍の増加も目立った。
 このほか、数は少ないが高齢の単身者や夫婦も目に付いた。子供が独立して定年退職した後に、憧れのマイホームに挑戦したい人や、リフォームを望んでいる人が、モデルハウスを参考にし、できれば依頼する住宅会社も見つけられたらと考えているのでは。

景品目当てや冷やかし消えて中身濃い客残る

 報告の中で外城氏は「ほとんどのニュータウンは集客数が期待外れだと思っているだろうが、景品目当てや冷やかしがいなくなり、家を建てる意欲のあるユーザーが残っただけのこと。むしろ意欲の低いユーザーが消えたことで住宅会社はしっかり対応でき、フォローもしやすい。実際に現地で住宅会社の担当者と話をしている時もゴールデンウィークにモデルハウスを見に来たユーザーから契約を決めたという連絡が入るなど、短期間で受注に結び付いたケースもいくつか出ている。このゴールデンウィークの来場者は、成約率がかなり高いと考えていい」と、集客数は少なくても中身の濃いユーザーが多いことを強調している。


写真
北海道マイホームセンターでは札幌市内各会場でふれあい動物園を開催。子供たちに人気のイベントとなった(写真は北会場)


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