新聞記事

2010年11月15日号から

2011年住宅着工予測 回復続き32,000戸

 今年2010年の全道住宅着工は予測を上回る貸家の伸びによって3万戸の大台を回復し3万800戸前後、来年2011年は貸家のもうひと伸びと持家系の微増によって3万2000戸程度になりそうだ。ファミリー向け賃貸の供給が増えてきていること、融資差別のないローン商品など政府の後押しによって、住宅景気はほぼ維持される。

2010年 賃貸マンションが予想超える

20101115_01_01.jpg 2010年は9月までの累計で持家6%、分譲11%の成長。この持家系については予想通りの動きとなっている。予想を上回ったのが貸家の24%成長。2万戸台だった2年前の水準には戻らないが、1万6000戸程度のボリュームとなりそう。この結果、合計で14%の成長となった。
 読みにくい貸家と分譲だが、貸家は木造アパートがやや弱含みを続ける一方、非木造の賃貸マンションが前年比1・5倍の回復。回復の理由は今ひとつ不透明だ。
 分譲は当初の予測通りとは言え、マンションの動向については依然として読みにくい。デベロッパー側の新規開発はいまいちと言われ、用地も戸建て用に回ってきたと見られる物件がある。建売は、注文住宅が年の後半に集中してしまう現状を補完するために、この暮れから来年にかけてそれなりの数が建つのではないか。

2011年 持家が成長を持続

 さて2011年だ。景気をどう見るかによって見通しが大きく変わってくる。
 マスコミは景気の腰折れを伝えており、急激な円高が回復に水を差している、というのは輸出産業を中心とした全体の話。住宅(持家)については購入時のローン与信に対する不安がかなり解消されたこと、政府が住宅分野を支援していることもあり、悪くても今年程度を維持するだろう。ただし、景気全体が厳しく、特に北海道経済によい材料はない。大幅成長は見込めない。
 着工全体では3万2000戸程度。このうち持家は微増で1万1000戸、貸家は予測が難しいが伸び率が低下して1万7000戸台、分譲は今年よりやや伸びが低下して3000戸台。
 問題は市場変化だ。地方市場は過疎化などによって基本的に新築がどんどん減少している。そのなかで地方の中核都市では、従来の木造アパートに加えて戸建て賃貸なども計画されている。ファミリー賃貸というこれまでなかった需要に対応し、安定経営を目指す動きと言える。
 札幌ではサラリーマン大家が消滅し、ファンドも撤退して市場は落ち着きを取り戻していると言われる。定住型の戸建て賃貸や、郊外の小さな戸建てなど、いままでにない動きも見られる。

全国 回復が遅れ、来年は91万戸

 全国は当初の予測よりも回復が遅れた。今年前半は成長が続かず、後半に入って8月の20%増でようやく弾みがついた。今年は81~82万戸台、2011年に91万戸程度まで回復するが、それでも100万戸には及ばない。全国の回復の遅れは、新築物件に割安感が出てきたとは言え、大型の出費に慎重な消費者の動向、さらに賃貸経営の手控えなどが予想以上に長引いていることが影響しているだろう。

※道内着工の詳しい資料は試読をご請求ください。(伝言欄に「11月15日号から希望」とお書き添えください)
https://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円


関連記事

powered by weblio


内容別

月別

新着記事