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2010年09月25日号から

日射遮へいのありがたい効果 ひと夏の体験

 2010年はおそろしく暑い夏でした。天然クーラーつきの北海道も、夜間に機械が故障気味?で、暑さに弱い道民はみんなゲッソリ。そんなこの夏に、たまたま7月から取り組んだよしずを使った日射遮へいの成果について、体験を中心にまとめてみました。題して、「編集長のひと夏の体験」(新聞に掲載した写真類を一部省いています。ご了承ください)

夜9時以降は扇風機が不要
20100925_01_01.jpg20100925_01_02.jpg 日中は家にいない自分だけでなく、女房もこの夏を「暑いが耐えられないほどではない」と感じていました。家族5人ともに夏バテもなく、食欲も旺盛。
 その理由を9月1日の室温変化で見てみたいと思います(図2)。
 室温測定は「おんどとり」で行いました。日射と風の影響を受けにくい部分に置いてあります。すぐ近くに景品でもらった温度計があり、常におんどとりより1℃程度低く表示していました。
 体感的に27℃を超えると「あついー」とぼやきが出ます。そのぼやきが出る時間帯がこの日は朝7時台から夜の8時ころまで続いていました。
 朝の暑さはどのくらいかというと、電気カミソリが滑らない状態です。それが27℃。冷房設備があれば必ずonする温度ですね。
 夜はというと、汗を流しながらの夕食となります。しかし扇風機がちょうどいいのもこの温度帯でした。そして夜9時以降になると扇風機がいらなくなりました。
 日中は女房の話になりますが、もちろん『暑い』。ただ本州出身で暑さは慣れていることもあるでしょうが、『耐えられないほどではない』。
 RC造のマンションに住む友だちは『32℃から下がらない』とぼやき、木造の1戸建ての友人も『家に帰ると32℃』とノイローゼ気味で、わが家は『天国のよう』と涼んでいたというのです。
 確かにわが家は今年、いちども家の中が30℃以上になりませんでした。

照り返す暑さなく夜眠れる
 涼しかった昨年は別として、これまでも30℃以上にはめったにならない家です。では何がこれまでと違ったか。
 照り返すような暑さ、そして夜10時を過ぎてもあまり下がらない室温。そういうことが今年はありませんでした。測定してはいませんが、例年はかなり暑い2階の子ども部屋が1階より少し高い程度でした。
 室温と札幌管区気象台の気温の差を見てください(図1・表)。
 9月1日は朝8時から外気温が上回り、夕方5時まで続きます。外気ピークは31℃、室温は29℃で、夕方から夜にかけて室温もなだらかに低下しています。
 夜間の室温が高いのは、窓をほぼ閉めた日です。前日の外気温が低いときは窓を大きく開けずに寝られる気温でした。
 温度上昇の山を見ると、外気より室温がやや穏やかで、しかも遅れてピークが来ています。上昇こう配と下降こう配が同じ角度であることから、順調に室温が下がっていることがわかります。その結果、よく眠れるのです。
 これが屋外で日射をさえぎる最大の効果だと思います。

エアコンあればさらに快適
20100925_01_03.jpg もちろん日射遮へいだけでは快適な涼しさは得られません。エアコンがなければ湿度を下げられませんし、そもそも温度コントロールはできません。
 ただ、エアコンを使う場合も日射遮へいはものすごく効果的だと思います。室内に強い輻射熱源がないので、スッキリと冷房が効くはずです。逆に日射遮へいができていないと、この夏は北海道でもエアコンが効かなかったようです。
 最後になりますが、窓の外でどのように日射遮へいをするかは立地条件や意匠と相談しながら決めると思いますので、ここでは触れません。
 よしずについては、写真のように壁から腕木を突き出し、窓の外側に下げました。窓面との間は10㎝ほど離れており、雨の日は窓を開けると涼しくなります。風対策で振れ止めをつけてみましたが、なくても問題ありません。
 光は入るのに室内が涼しく、目障り感もない。口うるさい家族にも好評です。よしずは冬になる前にはずすつもりです。
 もう1つよく効いてくれたのが、窓面に這わせたにがうり(ゴーヤー)です。緑のカーテンによる天然の日よけで、かつゴーヤーが3つも収穫できました。2階は軒で、これらは南東面。
 西面は立地上、あまり光が入らないので対策していません。


使ったのはよしず。回転窓をフルオープンできず不便かと思ったのですが、不都合なし。通風換気さえできればOKです


2010年09月25日号から

基礎断熱した床下のカビ① ぜんそくなどには有害

高性能住宅Q&A737

Q・・・北海道も高温・多湿、そして夜間も気温が下がらなかった今年、施工住宅で基礎断熱した床下にカビを発見しました。ショックです。スノコを敷いた上にものを置いて収納にしていたお客さまの家で、スノコの裏がびっしりカビだったのです。

涼しい=カビが生えやすい
A・・・この問題を2006年と2007年に取り上げてから4年。そのとき、2つの問題があることを報告しました。
 1つは住宅会社が知らないだけで(住み手も?)、じつはけっこうカビが発生している疑いがあるということ。もう1つは、住宅内に繁殖するカビについて調査・研究している専門家は、北海道にはいないということです。

20100925_02_01.jpg

 残念なのは、道立北方建築総合研究所、林産試験場、衛生研究所など建築と木材、そして微生物の専門家が共同で調査をしてほしいのですが、それが進んだ気配がないことです。道民の居住環境改善にかかる重大なテーマであるだけに、ぜひ調査研究してほしいと思います。
 まず、一般論としてはカビは相対湿度70%以上になると繁殖しやすくなります。カビは床下結露が発生しなくても十分に繁殖できるのです。しかし夏場に床下を湿度70%以下に抑えることは、湿度の低い北海道でも無理でしょう。温度、水分、酸素、栄養の4つのカビ生育条件を絶つことは、じつはかなり難しいのです。
 そもそも、床下が涼しいのは地熱の影響を受けていることと、太陽熱の影響を受けないから。夏にエアコンなしで涼しいということは、相対湿度が高い状態にあるわけです。

呼吸器系シックハウス原因
 カビによる被害ですが、木材への被害はほとんどありませんが、ヒバなど防腐性の高い木材にも付着します。
 ヒトへの影響は、一般の人にはさほど有害ではありませんが、『呼吸器系の病気』を持っている方、例えば『ぜんそく』にはとてもよくないのです。『鼻炎』にもよくないと言われています。『肺炎』の心配もあります。これはまさにシックハウス症候群で、健康被害が起きる人と起きない人がいるので、注意が必要です。
 カビ臭さの度合いにもよるのですが、住んでいる方も床下を何かの理由で開けない限りカビには気づきません。また暖房シーズンになるとカビ臭はほとんど収まります。北海道では夏だけの問題なのです(冬場の結露によるカビは高断熱・高気密住宅で起きることはありません)


*「基礎断熱した床下のカビ関連記事」*
床下のカビ対策 高性能住宅Q&A749 地盤全面に断熱材
http://www.iesu.co.jp/article/2011/05/20110525-2.html

基礎断熱した床下のカビ② 高性能住宅Q&A738 残念ながら決め手なし
http://www.iesu.co.jp/article/2010/10/20101015-2.html


2010年09月25日号から

日本の住宅をめぐる現状

住宅金融支援機構 島田 精一理事長

正味資産が低下
20100925_03_01.jpg 住宅資産について、従来にない視点から見たグラフが図1。
 家計の資産は、直近の2008年で金融資産が1420兆円。この数字はよく言われるところだ。この膨大な金融資産が団塊世代の定年退職・年金生活入りで、目減りするだろうといわれている。
 非金融資産を見ると、土地が765兆円、固定資産が221兆円で、固定資産の大部分は住宅(建物)と見られる。
 そして、資産から負債を差し引いた正味資産はこのところ低下している。

償却年数が伸びたら
20100925_03_02.jpg さて非金融資産の土地と建物を円グラフにすると、建物(住宅)が4分の1、土地が4分の3を占めている。土地神話が崩れたとは言え、建物の価値は20年で消滅するから、建物の資産価値は依然として上がらない。
 アメリカはどうかというと、日本と正反対。住宅の価値は建物で決まるとも言える。
 もし、建物の価値が今の1・5~2倍になったらどうか。22年で償却される建物がアメリカ並みの50年以上になったら、住宅の資産額はほぼ倍増する(図2)。

家計資産は減らない
20100925_03_03.jpg このことを、見方を変えていえば、700兆円におよぶ住宅の投資額が現状では資産価値として250兆円しかなく、差し引き450兆円は償却されているが、建物の寿命が延びれば消えた450兆円のうち240兆円は資産に転化する(図2)。
 その結果、金融資産の目減りを固定資産がおぎなって、家計の正味資産は構成が変化するだけでほとんど目減りしないという試算が成り立つ(図1参照)。
 住宅金融支援機構はフラット35によって優良住宅の取得を支援している。住宅の寿命が延びればCO2削減にもつながり、省エネ・耐震性などに優れた住宅を建てれば金利も優遇される。
  *     *
 北海道住宅都市開発協会と住宅金融支援機構北海道支店、札幌商工会議所が共催した研修会で9月6日、住宅金融支援機構理事長の島田精一氏が話した内容をまとめた。


図1 マクロベースで見た家計の資産と負債

図2 住宅の資産価値 日本は20年ほどでゼロだが・・・


2010年09月25日号から

◆去年は雨、今年は猛暑で現場遅れる

◆去年は雨、今年は猛暑で現場遅れる
北見市 工務店 社長
 去年の夏は雨が多くて現場に遅れが出ましたが、今年の夏はとんでもない暑さのせいで大工の作業がなかなか進まず、現場の工期が遅れ気味となっています。寒ければストーブやジェットヒーターなどを焚いて何とかしのげるんですが、暑いのだけはどうにもなりません。汗をぬぐったり、水分を補給するたびに手が止まるのですから、しょうがないと言えばそれまでなんですが、こちらとしてはお客様への引き渡しが予定通りにできるか気が気ではありません。

◆ライフスタイル提案
札幌市 工務店 社長
 「子どもがもう1人生まれても、子ども部屋に可動間仕切り家具があれば、個室を2部屋にできる」「子どもは個室でこもりがちなので、むしろ小さな部屋に」「20年もしたら独立して家を出て行くのだからその後の用途も考えて」というような提案が意外とウケますね。ユーザーは今後の人生設計を見越した提案をする住宅会社に好感を持つようになりました。家族構成や趣味、暮らし方の変化などに対応できる家づくり提案を強化したいと思っています。

◆ホームページよりブログ
札幌市 工務店 社長
 当社はホームページを持っていません。仕事は口コミで今のところ十分ありますが、突然仕事が途切れたらどうしよう、という不安感は常にあります。かといってホームページをこれから作るとなると何十万とお金がかかるでしょう。そこでお金をなるべくかけずに効率的にPRできる方法がないか考え、ブログを始めようと思っています。現場の進行状況や完成見学会告知など、いろいろな情報を無料で発信できるので使わない手はないと思います。


2010年09月15日号から

「大工がいない」ぼやきも これから忙しくなるのに・・・

20100915_01_01.jpg 9月に入り「大工がいない」という声が聞かれるようになってきた。ここ数年、補助金絡みの物件の着工はお盆開け以降になるケースが多く、この時期から現場が混み合うのが常態化しつつあるが、今年は特に大工の手配が大変で、それにともなって大工賃金も上昇気味だという。本紙で道内各地の声を拾ってみたところ、まだら模様だが道東の一部などで大工不足が起こっているのは確実のようだ。

道東 十勝は賃金強気
 話を聞いた中で、特に大工不足を強く感じたのが道東の十勝と北見・網走地域。
 十勝では「大工が不足していて、賃金面もやや強気になっている。こういう話は不思議と大工同士で連絡が広がるらしく、一時的にせよ手配しにくい状況だ。地元の大手は賃金を少し上げて大工を集めているという話も大工から聞いた」(帯広・A社)、「確かに大工が足りないという話が周囲である。当社も大変だが、応援の大工にいつもよりも多めに仕事をこなしてもらっていて、それでなんとかしのげそうだ。労賃が上がるということはまずないと思うが、応援の大工は手当てを一時的に上げるということがあるかもしれない」(帯広・B社)など、大工不足だけでなく、賃金も上がる気配を見せている。
 また、北見・網走では「今年前半こそどの業者も現場がないという話が多かったが、お盆前後からに北方型ECOプラスもそれ以外の住宅も一気に着工が集中したことで、大工がめちゃめちゃ足りない状況。これまで頼んでいた大工が別業者の現場に入ってしまい、あわてて他の大工に頼んだ」(北見・C社)、「もともとこの地域は大工の絶対数も足りないうえに、北方型ECOプラスとそれ以外の物件の着工が重なったため、大工の手が足りないのはどうしようもない。大工2組は確保しているが、そのうち1組は規模が小さい2棟を同時にやってもらうことになりそう」(網走・D社)と、大工の手が足りないのは着工の集中以外に地域の慢性的な大工不足も背景にあると話す。

道央
事前の手配が重要
北方型ECO以外は余剰感
 道内着工の大部分を占める道央は、着工が本格化した北方型ECOプラスを手がけているかどうか、自社大工を抱えているかどうかなどで、状況が異なっている様子。
 北方型ECOプラスを建てる住宅会社は、「自社で大工をかかえず、大工全員を外注している業者は手が足りずに苦労しているようだ。当社では北方型ECOプラスの着工時期を予測し、前々から自社大工のほかに外注の大工をあらかじめ頼んでいたため、特に困っていることはない。大工賃金が上がっているという話も聞いていない」(札幌・E社)、「大工の数はすごく足りない状況。北方型ECOレベルの性能を確保するには、技術力のある大工が必要なだけに、誰でもいいというわけにはいかず、今後1人の棟梁が複数の現場をかけもちすることも考えないといけない」(札幌・F社)など、早いうちから大工の手配を行っていたかどうかもポイントになっている。
 なお、逆に北方型ECOプラスを建てない住宅会社からは「大工は足りている」「逆に余っている」という声もあった。

道北・道南
特に変わりなし
 道北・道南では、それほど深刻な状況にはなっていないようだ。
 話を聞いてみても、「当社ではこれから現場が集中するが、基本的には自社大工だけ対応できる見込み。旭川市内で大工が足りないという話や大工賃金が上がっているという話は聞いていないので、手が足りなくなったとしても何とかなると思う」(旭川・G社)、「特に大工が不足し、労賃アップしているということはない。仮に手が足りなくなっても、工務店同士で大工さんを融通しあっているので対処はしやすい」(函館・H社)、「今後もこれまで通り、自社大工で工事をする方針だが、人数は十分足りているので外注を頼む必要もない。同業者に聞いても、大工の手配についてそれほど大きな動きは感じていないようだ」(室蘭・I社)など、特にこれまでと変わりはないという声が多かった。


2010年09月15日号から

新住協の耐震・断熱改修 事前調査で腐れ確認

20100915_02_01.jpg 国の長期優良住宅先導事業に採択されたNPO新住協の断熱耐震同時改修プロジェクトの説明会が8月27日、札幌で開かれた。
 耐震性と断熱性を同時に改良するという内容で、耐震性については「一般診断法評点1・0」とすること、断熱性は原則として次世代省エネルギー基準をクリアすることが基準となる。
 改修手法については指定されていないが、北海道などⅠ地域は断熱層内の気流止め施工によって既存の充てん断熱材の性能を回復させる工法についても認められている。この場合のQ値は1・9Wでよく、付加断熱が必要ない簡易改修が対象になっている点が1つの特徴でもある。
20100915_02_02.jpg 補助率は3分の1で200万円以内。
 当日は提案内容と申請手続きについて新住協福島支部の豊田善幸氏(豊田設計事務所)が解説。続いて提案内容の技術的ポイントについて代表理事の鎌田紀彦氏(室蘭工業大学教授)が解説した。
 このうち豊田氏は耐震改修について、「建築基準法クリアではなく一般診断法の評点1なので、これをクリアする場合は耐震補強の必要はない」など、注意点を中心に説明した。
 また鎌田教授の講演要旨は次の通り。
 「施工前に腐れが予想される部位を破壊検査によって確認し、改修内容を見積もりに盛り込むこと。なお基礎については、昭和48年から50年にかけて、オイルショックによる鉄の値上げなどを背景に無筋の基礎があるようなので注意してほしい。
 20100915_02_03.jpg気流止めは、断熱性能を回復させるとともに内部結露抑制につながる。気流止めによる気密層の連続を確保するために、ポリ袋詰めの圧縮グラスウールを使う場合、間仕切壁の上部などでは天井面とポリ袋が連続した気密層を構成するように施工すること。
 付加断熱しない改修(A工法)は図のように取り合い部をすべて気流止め施工する。ただ、付加断熱を行うと部分的に気流止めが不要となり、さらにケタ上断熱や屋根断熱を組み合わせると気流止めをまったく行わなくてよい場合もある」。
 なお、14日には札幌で耐震診断法のセミナーも開かれた。


圧縮グラスウールによる気流止めの施工注意。ポリ袋と天井面が連続する。

気流止めだけで付加断熱しないA工法(左)はすべての取り合い部に気流止めが必要。ただし基礎断熱の場合は間仕切床面が不要になる


2010年09月15日号から

◆マンションリフォームは気を遣う

◆マンションリフォームは気を遣う
札幌市 リフォーム会社 部長
 今年は例年になくマンションのリフォームが多いのですが、上下左右に他の住戸がくっついているだけに戸建てよりも気を遣います。事前に工事日と工事内容、音が出そうな時間帯などをまとめた印刷物を、回りの住戸にポスティングしておくことはもちろん、資材や工具の搬入・搬出などもエレベーターや通路を占領しないよう、タイミングを見計らって迅速に行うなど、とにかく回りに迷惑をかけないことが第一。どんなに小さな工事でもそれは変わりません。


◆きつい予算のリフォーム
札幌市 リフォーム会社 社長
 リフォームの時に「耐震改修や断熱改修を同時提案」と思っていますが、実際に実現は難しい。今も若いお客さんが不動産屋で中古住宅を購入し、入居前に当社にリフォームを頼むという話があります。予算は300万円ですが、「キッチンと浴室を変えたい」「間取りの変更も」というのです。この時点で予算オーバーしそう。さらに「フラット35で借りたい」と言ってきたので、壁量計算などが必要になり、場合によっては耐震補強が必須となります。なかなかきつい仕事です。

◆優良企業はニト*だけではない
札幌市 住宅会社 社長
 ユニ*ロとかニト*とかが優良企業といわれています。利益を生んでいるという点ではそのとおりだと思いますが、雇用は創出しているのでしょうか。雇用が生まれなければ地域は人がいなくなります。若者も故郷に残ることができなくなります。ローカルな視点から活動を行う企業だって、優良な会社のはず。大企業はともかく、少なくても当社は、雇用が生まれる仕事をしたいと思います。そうしないと北海道から人がいなくなってしまいそう。


2010年09月05日号から

神奈川・横浜パッシブハウス

コスト抑え日本らしく

20100905_01_01.jpg 8月21日・22日の2日間、横浜市金沢区で「日本版パッシブハウス」(K's House=きらり1号)施工現場見学会が開催され、110名が参加した。
 パッシブハウスとは、ドイツの研究所が開発し普及を進めている省エネ住宅の基準。その基準はほぼ無暖房を実現する高い断熱・気密性能と熱交換換気に加え、給湯と電灯も含む住宅の全エネルギー消費についても厳しい基準を定めている。
 見学会は、昨年鎌倉パッシブハウスの施工を行った東京都八王子市の(株)建築舎とジャパン・パッシブハウス・プロジェクトというパッシブハウス推進の企業グループが主催し、坂本雄三・東京大学大学院工学系研究科教授が応援する形で開催された。
 21日15時からは『低炭素社会の実現に向けた「日本版パッシブハウス」への挑戦』と題した記者会見が同プロジェクトの総合プロデューサー、(有)イーアイ代表堀内正純氏の司会で行われた。
 最初に主催者を代表して建築舎・齋藤敏晴社長があいさつ。「日本版パッシブハウスとは、国産材料、日本で入手できる海外の優れた資材を活用した建物で、従来のパッシブハウスと比較して25%コストダウンを実現した」と概要を説明。
 つづいて、東京大学坂本教授が『低炭素社会の実現に向けた「日本版パッシブハウス」への挑戦』と題して講演。坂本教授は、省エネは外皮+設備+創エネの総力戦になるとし、日本が目標とする低炭素社会を実現するために求められる性能として、1.省エネルギー性能はドイツ・パッシブハウス基準を目標 2.日本に馴染む設計(気候風土、住まい方、建材) 3.日本の特長を活かす選択(優れた家電・設備、建材)―の3点をあげた。

20100905_01_02.jpg断熱性能はQ=0.7W
 続いてイーアイ代表堀内氏から、「日本版パッシブハウスへの挑戦」と題して今回の建物が紹介された。
 性能値は、壁:U値(熱貫流率)0・15W/m2K以下(高性能グラスウール16K140㎜+フェノールフォーム板50mm)、屋根:U値0・1W/m2K以下(ロックウールブローイング400mm)、窓:U値0・8W/m2K・熱取得50%、換気:熱交換率90%以上(インヴェンター)。
 調湿気密シート(インテロ)、透湿防水シート(ソリテックス)。
 断熱性能は、Q値でおよそ0・7W/m2K。全1次エネルギー消費量試算は112kWh/m2・年で、120kWhのパッシブハウス基準値をクリアしている。
 最後にパッシブハウスのオーナーから住宅に対する想いなどが語られた。今回の物件のオーナーは、今後もモデルハウスとして公開するつもりだと説明。鎌倉パッシブハウス住人の蓮見太郎氏からは、1年を経過したパッシブハウスでの暮らしについて「冬は暖房をほとんど使わないことはもちろん、夏もエアコンをあまり使わずに快適に暮らしている。子供のアレルギーもよくなった」などの報告があった。
 記者会見が始まるころには、60名近い参加者で室内はオーバーヒート状態。それでも、熱心に坂本教授らの話に耳を傾けていた。
 22日には、ドイツ公認パッシブハウスコンサルタント、クーラー・アンドレアさんのパッシブハウス講座が開かれた。
 20100905_01_03.jpgジャパン・パッシブハウス・プロジェクトは、総合プロデューサー・イーアイ、基本設計・ハウスタイルズ(株)、設計施工・建築舎、コーディネータ・オフィスコンドウという専門家が集まり、パッシブハウスを推進するグループ。今後、第2、第3の「日本版パッシブハウス」(きらり住宅)の受注を目指している。


2010年09月05日号から

北海道労働局

8割近く改善指導

 厚生労働省北海道労働局は7月12日に道内17の労働基準監督署と支署を通じ、木造家屋建築工事を行っている道内の86現場で一斉パトロールを実施した。その結果、労働安全衛生法令などに基づき76・7%の66現場で改善指導を行った。改善指導を行った割合は、一昨年の66・4%、昨年74・5%と比べてさらに上昇して8割近くに達しているが、昨年の労働安全衛生規則の改正に絡む足場関連の指導は減ってきている。
 この一斉パトロールは毎年実施しており、法令に基づく安全な作業床の確保、手すりおよび中さん等の設置、安全な昇降設備の設置などの墜落防止対策、幅木などの設置による物体の落下防止対策ならびに木材加工用機械の安全点検が適正に行われているかなどの点検を行った。なお、足場が設置されていたのは86現場中79現場。
20100905_02_01.jpg もっとも多かった指摘は今年も足場関係で49現場。足場を設置した現場の62%で、昨年より12ポイントダウンした。その次が躯体、電動丸のこ盤、その他の指摘の順。
 足場の指摘では、「墜落防止のための手すりや中さんの設置が不適切」(28現場)、「物体の落下防止のための幅木などの設置が不適切」(20現場)、など昨年の労働安全規則の改正がらみの指摘が上位を占めたが、足場を設置した現場に占める割合は昨年に比べて大幅に減っている。一方で「安全な昇降設備が設置されていない」(17現場)、「足場の組立等作業主任者の職務・氏名の周知が不十分」(同)は昨年よりも現場に占める割合が増えている。
 道内の木造家屋建築工事における労働災害は、昨年は死傷者124名と22%減少し、うち2名が死亡している。今年7月末時点での死傷者数は54名と昨年同期に比べてさらに11・5%減少、死者は幸いにもゼロだが、安心はできない。工事が本格化する時期を迎え、労働局では違反箇所の改善だけでなく、より一層の労働災害防止対策を講じるよう関係団体に要請する。
 問い合わせは、同局労働基準部安全課(011・709・2311)。


2010年09月05日号から

顧客とビルダーを取り持つ潤滑油に/ウーマンズ・アイ vol15

札幌・久末弘信建設 名古屋志津子さん

20100905_03_03.jpg 「結婚当時住んでいた建売住宅は間取りも水回りも収納も、使い勝手の悪い不便な家でした。だからこそ、お客様の住まいはライフスタイルに合った個性的で暮らしやすい家にしてあげたい」。久末弘信建設㈱で建築士・インテリアプランナーとして活躍する名古屋志津子さんは仕事への思いをそう語った。
 常に心がけているのは、ユーザーと会社との間で「潤滑油」的な役割を果たすこと。「建築の知識のないお客様にとって家づくりはわからないことだらけ。要望を伝えようにも、うまく言い表せないのが普通です。そこをフォローするのが専門家の役目」と話す。
 理想とする住まいの形を言葉で表現しきれない人でも、夫婦間の言葉のやりとりや服装の好み、子供との接し方などを注意深く観察していると、家族のニーズが見えてくるという。それらを踏まえた上で、優先順位に従って予算を振り分け、お客様の夢に近づける方法を探りつつ、全体のプランを練っていく。

手描きパースで自分らしく
20100905_03_02.jpg 「一般の人にはわかりにくい建築用語や法律を、かみ砕いてわかりやすく説明するのも自分の仕事」と名古屋さん。
 打ち合わせはパースを描きながら進めるが、これは「これから造ろうとする住まいを、より具体的にイメージしやすいように」という配慮から。
 家具や照明、小物など細かい部分までていねいに描き込み、マーカーで色付けしていく。お客様の目の前で短時間で仕上げるには熟練したパースの技術や建築の知識が必要なのはもちろん、家具の標準寸法や流行なども頭に入っていなくてはならない。
 「営業的な意味合いもありますが、これが『私らしさ』。大きな買い物をしていただくのに、図面だけのプレゼンテーションでは寂しい気がします」(名古屋さん)。

仕事はバランス感覚も必要
 住宅業界の男性の仕事ぶりについては「自分の専門分野・担当分野は頑張るが、それ以外のことには関わりたがらない人が多い気がする」とのこと。「お客様にとっては、いい住宅を建ててもらうことの方が大切。もう少しバランスの取れた仕事の進め方も必要では」と指摘する。
 20100905_03_01.jpgまた、古い家や賃貸住宅に長く住んでいた人は、今の住宅がどのようなものかわからないことも多い。
 「ストーブがない」「玄関が引き戸じゃない」と不思議そうな顔をする人もいるそうだが、「お客様自身、住んでいる家の性能や機能性・利便性が現在の標準的な住宅と比べてどの程度劣っているのかを自覚していない場合は、いいプランを提案しても納得しないことがあります。最新の住宅の性能・仕様といった情報をお伝えして、時代にあった住宅を知っていただくところから家づくりをスタートしてもらえるようサポートすることも私たちの大切な役目」。
 一般の人にはわからないことだらけの家づくりをフォローする専門家として、名古屋さんはそう語ってくれた。


2010年09月05日号から

◆そんなに寒さに強いとは...

◆そんなに寒さに強いとは...
道北 工務店 社長
 今年はリフォームの仕事が多く、断熱改修も1棟ありましたが、その家は築25年程度で断熱材こそ入っていたものの、気密は適当にポリフィルムを張っていただけ。気流止めもありませんでした。さぞかし寒かっただろうと思い、お客様に尋ねてみると、「いや、寒くなかったよ」と一言。暖房をガンガン入れてたのかと考えましたが、暖房費はそんなに多くかかっていないとのこと。体感温度は人それぞれと言いますが、これほど寒さに強い人がいるとは思いませんでした。

◆狭小で安い家が主力になるのでは?
札幌市 工務店 社員
20100905_04_01.jpg 昔の家はシェルターでした。冬には漬物を漬けて食料の確保、そして生活用品を蓄える場でした。しかし現代は、スーパーなども増え生活のための利便性が向上し、生きるためにたくさんの食糧や生活用品を家に詰め込む必要性も薄れています。日本人は他の国の人に比べても、家財道具などで家の中を埋め尽くす傾向が強かったと思いますが、今や若者はモノの少ない暮らしを好む人も増えています。家族の数も少なくなっています。狭小で安い家が主流になるのでは?


2010年09月02日

9月4日「住まいのエコリフォームセミナー」

今週土曜日、9月4日13:30~15:30 札幌エルプラザ4階大研修室で「住まいのエコリフォームセミナー」が開かれます。
講師は3名。


  1. 北海道建築技術協会 専務理事の長谷川寿夫さん(セミナー主催者)「性能向上リフォームのすすめ」

  2. 三王建設興産 社長の安田敦司さん「性能向上リフォームの補助金活用」

  3. テーエム企画 社長の森 成世さん「性能向上リフォームの実例紹介」



一般消費者向けですが、工務店・リフォーム会社・関連企業も歓迎。
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