新聞記事

2010年05月25日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略3 シャープ

低価格化を進める

20100525_04_01.jpg1.製品のPRポイント
 シャープ(株)は、1959年から太陽電池の開発を始め、1994年に住宅用太陽光発電システムを商品化。多結晶シリコン方式を採用し、国内生産・シェアともにトップメーカーだ。
 同社は品質を維持しながらの低価格化が普及のカギと見ており、今年度の新製品は7%程度値下げ。たとえば今年度モデルND―160BWは7万200円(同)で前年度モデルよりも5400円の値下げ。定格出力1Wあたりの『W単価』は新製品が439円と、500~700円程度の他社に比べて安い。
 切妻などの勾配屋根では、なるべく多くの太陽電池を設置するため基本モジュールをサイズ違いで2種類用意し、組み合わせることで屋根面に無駄なく設置できる『ルーフィット設計』を新たに採用した。
 このほか、発電状況を室内の専用モニターだけでなくパソコンや同社のインターネット対応液晶テレビ、インターネット対応携帯電話などから確認できる『Webモニタリングサービス』が利用可能だ。

2.今年の生産・販売量
 大阪府堺市に薄膜型太陽電池の生産工場が完成し、今年度は160MWの生産予定。従来の多結晶シリコン太陽電池と合わせ、710MWの規模となる。さらに来年は1GW(=1000MW)を超える生産体制を予定。薄膜型太陽電池は低コストで生産できる半面、面積あたりの発電量は多結晶シリコンタイプに及ばないため、現在は太陽光発電所など大規模施設向けだが、今後一般家庭への導入も期待されている。

3.システムの保証体制
 同社では、機器本体、架台、工事にわたる総合保証制度を構築している。1.システム構成機器に不具合が生じた場合 2.太陽電池モジュールの出力が保証値を下回った場合 3.設置工事が原因でシステムに不具合が生じた場合―に10年間無料で修理・交換が行われるというもの。設置工事が原因の防水事故などに対しても同社が保証する。「業界唯一の10年システム」と謳っている。

4.施工品質の確保
 経済産業省では、太陽光発電システム施工の際に品質を確保するガイドラインを今年度中に定め、来年度にも運用開始する方針だ。同社も業界代表として委員会に参加するなど協力している。
 同社はこれまでも施工講習会を開催して施工IDを取得することや施工管理者の工事チェック導入による責任施工制度を構築して一定以上の品質を確保するほか、業界に先駆けて無落雪屋根対応架台を開発し、様々なタイプの屋根に対応できる工法の確立などを行ってきた。

5.普及に何が必要か
 道内の太陽光発電システムへの認知度は、一般消費者の間ではまだまだ低く、「冬は雪が乗って発電しないから内地より損ではないか」など、間違った認識も多い。
 帯広や北見など道東での日照時間の長さ、道内全般では夏の日照時間の長さや気温の低さによって、年間を通じた発電量では道外と比べて全くそん色ないことなどをアピールする啓蒙活動を続けていく。
 販売の主力は既築住宅への採用だが、昨年来道内でも新築への導入例が目立って増えていると言い、価格を早期に普及価格と言える状態にしたいという。


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