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新聞記事

2010年05月25日号から

北海道住宅新聞版 事業仕分け

 昨年に続き、今年も事業仕分けが今日(25日)まで行われ、注目を集めている。住宅に関連する仕分けでは、住宅金融支援機構が4月23日に対象となった。もとより事業仕分けは国民の代表が中心となって行うものだが、本紙は業界都合だけにとどまらず消費者目線からも課題の多い点について、問題を整理した上で解決の方向を示してみたい。

20100525_01_01.jpg●中央集権がなじまなくなっている
〈全国共通基準としての建築基準法〉
 まず最初に検討しなければならないのは、建築の基本を規定する建築基準法だ。
 同法が不要だなどとは誰も言うまい。問題は、狭い国土の中に亜寒帯から亜熱帯が分布し、人口密集地域と過疎地域が混在する日本で、東京ですべてが決められる(中央集権的)あり方が、徐々になじまなくなっているという点だ。
 中央集権のメリットは、東京で一元管理ができること。全国ネットの住宅メーカーなどナショナルメーカーにとっては、仕様決めなどがきわめてスムーズに進む。
 しかしこんな事実もある。分譲マンションでは東京で決まった仕様が北海道・札幌にも持ち込まれるが、それがあまりに寒冷気候に合わない場合、工事仕様の段階などで変更になる。ただ、東北などでは東京基準で建てられるため、温熱環境があまりにひどいマンションがどんどん増える。
 温熱環境や断熱のほかにも、住宅密集地や狭い道路を前提として作られている基準が多いとされる。
 地方の実情にあった基準は地方が作る。建築こそ地方分権がもっとも必要な分野の1つではないだろうか。都道府県レベルが地域基準の1つの目安となると思う。

20100525_01_02.jpg●整理して住宅新法に一本化へ
〈相次ぎ制定された住宅新法の整理〉
 建築基準法を補うために、住宅を対象とする新法がこのところたくさん登場した。品確法(通称)による瑕疵(かし)保証の10年義務化と性能評価制度、瑕疵保証を保険等によって担保することを義務化する瑕疵担保履行法、そして長期優良住宅法。また、告示という形を取った省エネルギー基準。さらに、これらの法規に補助金などがからんでいる。まぎらわしい上に事務の手間も多く、苦労して認定などを取得しても行政や公的機関は認定に対する結果責任を取らない仕組みになっている。
 複雑になった関連法規はいちどリセットし、住宅の基準を定める新法に一本化するべきではないだろうか。新法は、耐震や採光、断熱などを定める実体基準と、申請行為などの手続き面、そしてそれらに伴う責任の所在を明確にすること、そして、地域基準は各地域にゆだねるとともに情報公開を徹底するべきだ。

●矛盾だらけ...
〈消費者保護と瑕疵保険〉
 新築住宅を建てるとき、売り主側が瑕疵保証保険に入ることが義務化された。当初は耐震偽装で倒産した企業のマンションを購入した消費者の悲劇を繰り返さないため、ということだったが、実際の法律運用はだいぶ違うかたちとなった。保険の引き受け基準は横並び、重過失に保険金を出さないなど、制度趣旨が運用に反映されていない。
 そもそもこの保険は、欠陥住宅を建てた業者のために欠陥なくできあがった家の保険掛け金が利用されるという矛盾をはらんでいる。また、耐震偽装を見逃した建築確認申請のあり方と責任を見直すことなく、保険というかたちでリスクをカバーしようとしたことに、逃げはなかったのだろうか。
 消費者保護は、判断基準と判断材料(情報)を消費者に提供するかたちで行えば、義務保険より低コストで安全を担保することができるのではないか。そのためには、品質検査を行い、その結果が公開され、融資が連動し、消費者は業者選びを自身の責任で行える環境が整っていることが求められる。

行政刷新会議ホームページ
http://www.shiwake.go.jp/


2010年05月25日号から

手稲で初セミナー

地道な広報で上々の滑り出し

 20100525_02_01.jpg
札幌圏で断熱リフォームの啓もう活動と全道的な技術支援を目的に今年から活動を開始した「あったかリフォーム倶楽部(繪内正道会長、北大名誉教授)」は4月24日、札幌市手稲区民センターで初の市民向けセミナーを開催。参加した市民からは「こういう会なら安心して参加できる。また参加したい」などといった声が聞かれた。
 断熱リフォームへの理解と投資がなかなか進まず、またリフォームに対する消費者の不信感がいまだ根強い中、見込み客を集めるのは容易ではない。どうやって消費者にアプローチするか。
 あったかリフォーム倶楽部は、悩みに答えるセミナーを地域単位で開いていく方法を開始した。
 手稲での講師は3名。NPOさっぽろ住まいのプラットフォーム理事長で一級建築士の山本明恵氏が、リフォームのきっかけや考え方について説明したあと、断熱リフォームに対する公的補助について北海道R住宅先導的モデル事業推進協議会代表事業者で三王建設興産(株)社長の安田敦司氏、最後に断熱リフォームの実際例について河合良夫氏(札幌ホームテック(株)取締役)が説明した。
 当初、午後1時30分から3時までの予定が、実際は3時30分過ぎまで講演や質問が続く活気となり、最初としては大成功となった。
 告知については、広告を一切行わず、地域町内会への協力依頼と手稲駅のポスター掲示、ホームページでのイベント情報掲載程度。これで市民の参加が10名程度あった。
 セミナー終了後に簡単な相談会を実施。この折に相談を希望した1人が中古住宅の診断を依頼してきているという。
 当日の責任者だった札幌ホームテック・河合氏は「初回で反省もいろいろあるが、上々のすべり出しだったと思う。何より、1社ではできないセミナーなどの取り組みを行うことができる。コツコツ続けること、そして団体で取り組むのにふさわしい活動だと思う」と語っている。
 同会は7月に札幌市西区で市民セミナーを予定。また6月15日午後1時から、活動に関心ある会員以外の企業も対象にトステム札幌ショールームにて交流会を開く。詳しくはホームページで。
http://www.hsc.or.jp/rifoumu/


2010年05月25日号から

11月まで募集

福祉住宅への
助成金申請

 (財)ノーマライゼーション住宅財団(土屋公三理事長)では、障害者や高齢者が快適で安全に暮らせる住宅(福祉住宅)の普及を目指して続けている「福祉住宅と福祉小規模集合住宅の建築主に対する助成金給付事業」を今年も実施する。応募は今月から始まっており、11月30日まで。
 対象は北海道と東北地域で、福祉住宅と、福祉小規模集合住宅(グループホーム)を新築、増改築した建築主。選考のうえ、それぞれ参考になる事例に30万円から5万円の間で助成金が交付される。
 応募は、所定の申請書に必要事項を記入して申し込む。申請書は財団のホームページからダウンロードできる。選考結果の発表は来年1月、助成金の給付は4月を予定。
 問い合わせ・応募は同財団へ(札幌市中央区大通西16ノ2ノ3 ルーブル16、tel.011・613・7551)。

http://www.normalize.or.jp/


2010年05月25日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略3 シャープ

低価格化を進める

20100525_04_01.jpg1.製品のPRポイント
 シャープ(株)は、1959年から太陽電池の開発を始め、1994年に住宅用太陽光発電システムを商品化。多結晶シリコン方式を採用し、国内生産・シェアともにトップメーカーだ。
 同社は品質を維持しながらの低価格化が普及のカギと見ており、今年度の新製品は7%程度値下げ。たとえば今年度モデルND―160BWは7万200円(同)で前年度モデルよりも5400円の値下げ。定格出力1Wあたりの『W単価』は新製品が439円と、500~700円程度の他社に比べて安い。
 切妻などの勾配屋根では、なるべく多くの太陽電池を設置するため基本モジュールをサイズ違いで2種類用意し、組み合わせることで屋根面に無駄なく設置できる『ルーフィット設計』を新たに採用した。
 このほか、発電状況を室内の専用モニターだけでなくパソコンや同社のインターネット対応液晶テレビ、インターネット対応携帯電話などから確認できる『Webモニタリングサービス』が利用可能だ。

2.今年の生産・販売量
 大阪府堺市に薄膜型太陽電池の生産工場が完成し、今年度は160MWの生産予定。従来の多結晶シリコン太陽電池と合わせ、710MWの規模となる。さらに来年は1GW(=1000MW)を超える生産体制を予定。薄膜型太陽電池は低コストで生産できる半面、面積あたりの発電量は多結晶シリコンタイプに及ばないため、現在は太陽光発電所など大規模施設向けだが、今後一般家庭への導入も期待されている。

3.システムの保証体制
 同社では、機器本体、架台、工事にわたる総合保証制度を構築している。1.システム構成機器に不具合が生じた場合 2.太陽電池モジュールの出力が保証値を下回った場合 3.設置工事が原因でシステムに不具合が生じた場合―に10年間無料で修理・交換が行われるというもの。設置工事が原因の防水事故などに対しても同社が保証する。「業界唯一の10年システム」と謳っている。

4.施工品質の確保
 経済産業省では、太陽光発電システム施工の際に品質を確保するガイドラインを今年度中に定め、来年度にも運用開始する方針だ。同社も業界代表として委員会に参加するなど協力している。
 同社はこれまでも施工講習会を開催して施工IDを取得することや施工管理者の工事チェック導入による責任施工制度を構築して一定以上の品質を確保するほか、業界に先駆けて無落雪屋根対応架台を開発し、様々なタイプの屋根に対応できる工法の確立などを行ってきた。

5.普及に何が必要か
 道内の太陽光発電システムへの認知度は、一般消費者の間ではまだまだ低く、「冬は雪が乗って発電しないから内地より損ではないか」など、間違った認識も多い。
 帯広や北見など道東での日照時間の長さ、道内全般では夏の日照時間の長さや気温の低さによって、年間を通じた発電量では道外と比べて全くそん色ないことなどをアピールする啓蒙活動を続けていく。
 販売の主力は既築住宅への採用だが、昨年来道内でも新築への導入例が目立って増えていると言い、価格を早期に普及価格と言える状態にしたいという。


2010年05月15日号から

高性能住宅Q&A 730回 在来の気密と先張り簡略化

基礎精度upが重要
土台は意外に気密悪化の盲点

前回(4月25日)は胴差しまわりの先張りについて、「梁との接合部を避けて後張りするより、先張りした方が良い」ことを紹介しました。今回は土台まわりについて。
※第1回を見てみたい方は、「4月25日号も希望」と書き添えた上で試読紙をご請求ください。

 20100515_01_01.jpg省略されることも多い胴差しまわりに比べて、土台まわりは先張りシートが施工されているケースが多いように思います。そういう意味ではあまり問題がないのですが、基礎断熱した住宅で気密性能が思ったほど上がらない場合、原因の多くは土台周りにあるとも言われます。なぜでしょうか? そしてどうしたらよいのでしょうか。
 基礎天端と土台の気密化ですが、現在、大きく分けて3通りの手法があります。1.基礎打設時に布基礎と外側断熱材の間に防湿・気密シートを挟んでおき、打設後シートを立ち上げて基礎天端に被せその上に土台を乗せてさらにシートを立ち上げ、壁のシートと連続させる2.基礎打設後基礎天端にスポンジまたはゴム状の気密パッキンと防湿・気密シートが一体になった気密部材を敷き、その上に土台を乗せたあとシートを壁のシートと連続させる3. 1や2と同様の方法を使うが、防湿・気密シートではなく透湿・防水シートを使う。
 要注意のポイントは、使うシートによって土台の屋外側を回すか室内側かが違うという点です。シートを土台の屋外側から土台上へ立ち上げるときは、必ず透湿・防水シートを使います。防湿・気密シートを土台の屋外側に張ると、土台との間で結露する可能性があるからです。
 問題は、気密性能が意外に上がらない原因です。
 20100515_01_02.jpg基礎天端のレベルはプラスマイナス2~3mmの高い精度が必要です。床断熱の場合は多少の不陸をスペーサーで調節できますが、基礎断熱の場合はそれはできません。またパッキン材は大きな不陸を調節するほどの能力はありません。パッキン材はあくまでもヘアラインのような細い隙間を埋めるものと考えて下さい。
 20100515_01_03.jpgまた、パッキン材はスポンジ状と発泡ゴム状では特徴が異なるので、その点を十分理解して使わなければなりません。スポンジ状のパッキン材は厚さ10mmが主流、20mm厚もあります。5分の1に圧縮して使うのが原則ですが、腰が弱いためすぐ圧縮できる半面、働き幅が狭すぎる場合もあります。一方、発泡ゴム状のパッキン材はパイプを二本寝かせたような中空構造の製品が多く、腰が強く弾力性があるため働き幅は広いのですが、アンカーをあまり締めすぎるとパッキンの反発力で土台がねじれる場合もあります。
 基礎のレベル出しをどうするかは各社が頭を悩ましているところですが、1つはモルタル均しを行う前に高い部分を「削る」という手法、もう1つはセルフレベリングモルタルを使う方法です。高低差をパッキンで調整して、発生したすき間をウレタンで埋めるという方法もありますが、あまり新築に使うべきではないと思います。


2010年05月15日号から

現場のジャッジ 第11回 北方型サポートシステムの使い勝手

 20100515_02_01.jpg道が国に先駆けて立ち上げた住宅履歴の作成・保管システムが北方型住宅サポートシステム。今では北方型住宅ECOが国の補助事業に選ばれたこともあり、利用する工務店も増えている。その使い勝手やメリットについて聞いた。

3年前から全棟登録 
 (株)奥野工務店(札幌市、奥野智史社長)では、3年前から全棟でサポートシステムを利用。同社が入会している"欠陥住宅を考える会(現北海道の家づくりを学ぶ会)"で、全棟北方型住宅での建設推進をパンフレットでうたったことがきっかけだった。
 サポートシステムはそれより前から運用を開始していたが、奥野社長によると「当時は専用ソフトをダウンロードしてパソコン上で使う形だったが、うまく動かなかった。それでいつも道に電話してどうやればいいか聞いていたが、結局使えなかった」という。
 その後、同社が全棟北方型住宅対応を開始した同時期に、ウェブブラウザーから利用できるサポートシステムのWeb版が提供され、これまで登録した物件はすべてWeb版で情報入力を行っている。

将来的に役に立つ
 サポートシステムについて奥野社長は「お客様にとっては安心感につながるシステム」と評価する。
 「サポートシステムを利用すれば、当社とお客様と北海道建築指導センターの3者で設計・施工データを保管することになるので、いつの間にか図面などがなくなってしまったという心配がなく、将来的に何か問題が発生した時や売買する時にはそれらの情報が役に立つと営業段階で説明している。
 それによって建主に安心してもらえるし、できない業者との差別化にもなっているのでは」と話す。
 施工の要所要所で写真を撮り、情報を入力することは、自社の現場を改めて見直す機会にもなるという。

初めて利用するときは注意
 それでは使い勝手はどうか。同社セールスエンジニアの稲辺賢司氏は「最初は入力画面の記述があいまいだったり、何とでも解釈できる記述があったりして、いくつか道にも質問した。例えば開口幅について入力する時、芯々が内々かなど、解説書を見ないとわからずに苦労した。また、入力しようとしている項目が、他の入力項目の影響で操作を受け付けてくれないこともあった。今では慣れてしまったが、初めて利用する時は注意したほうがいい」と語る。
 今時間がかかっているのは、設計情報を入力するにあたってCADデータをPDFデータに変換し、アップロードする手間。特に北方型ECOでは構造計算を行った場合、計算書類をアップロードするのにかなりの時間を取られることになるという。

今後も積極的に利用
 建主にもパスワードを発行して、入力した施工過程を見ることができるのもサポートシステムの特徴の一つだが、「工事の進行状況はお客様が見ても確認できるでしょうが、そこにある写真が何を意味しているのか、なぜそのような施工が北方型では必要なのかといったことはおそらく理解できないのでは。一般ユーザーでも意味がわかるものにしてもらいたい」と稲辺氏。
 まだ改善の余地もあるようだが、同社では今後も全棟での利用を進めていく考えだ。

photo:奥野智史社長(左)と稲辺賢司氏


2010年05月15日号から

◆大工の道極めたい気持ちも...

◆大工の道極めたい気持ちも...
札幌市 工務店 大工
 昔からものづくりが好きで、20歳で大工になりました。就職して2年。ひと通りのことはできるようになった自信があります。ただ、いまの住宅建築はプレカットなので手刻みで墨つけする機会がなく、このままでは墨つけができない大工になってしまいそうです。大工としての道を極めたい気持ちもあり、その道に進むなら早いほうがいいとも思います。いまの職場に待遇の不満は一切ありません・・・。 

◆値引だけは社長決裁
札幌市 住宅会社 社長
 ふだん、営業にはほとんど口を出しませんが、値引だけは自分が決済します。というのも、これまでの経験上、いちど値引販売を許すと営業マンは"値引という武器"で仕事をラクに取ろうとするからです。なので原則として当社は値引きしません。じゃ例外はあるのかと申しますと、あります。戦略上、何としても受注を取りに行く場合、施工中の些細なクレームでも値引が避けられない場合などです。

◆北海道の人間はマナーが悪い?
札幌市 工務店 社長
 冬場は講演会やセミナーなどを聞きに行く機会が多かったのですが、札幌では主催者が「携帯は電源を切るかマナーモードにして下さい」と言っているにもかかわらず、派手な着信音を鳴らしている人がけっこういます。もちろん、うっかりしていたという人もいるでしょうが、東京で行われるセミナーではまずそんなことはありません。道民ならではのおおらかさも関係しているのでしょうが、本州の人たちから見たら、北海道の人間はマナーが悪いと思われそうです。


2010年05月05日号から

生まれ変わった北総研 福田所長に聞く

20100505_01_a.jpg 今年4月に道内22の試験研究機関が地方独立行政法人北海道立総合研究機構(道総研)に統合され、道内の住宅性能向上に大きな役割を果たしてきた北方建築総合研究所(北総研)は、道総研建築研究本部内の一研究機関として新たな一歩を踏み出した。ここでは北総研が担う役割や今後の業務体制などを福田聖治所長に聞くとともに、同研究所が行ってきた代表的な調査・研究をここで改めて紹介したい。

研究機関同士の連携活かした総合力

 平成21年4月に6代目の北総研所長に就任し、道総研への統合・移転後は建築研究本部長も兼ねる福田聖治氏に、北総研が果たす役割と調査研究の方向性について、話をうかがった。

―今年の4月から道総研の一研究機関として新たなスタートを切りました。
 「これまで当研究所をはじめ22の道立試験研究機関は、それぞれ道民の様々なニーズや課題に対応してきましたが、近年ではそのニーズが複雑化・多様化し、私たち試験研究機関を取り巻く環境も大きく変わってきました。
 そこで今まで以上に試験研究機関同士が連携することで得られる総合的な力を活かし、現代の道民ニーズにも柔軟に対応していこうと新たに設立されたのが道総研です。
 今や北海道の住宅は、産学官の努力によって世界のトップレベルにあります。当研究所でも道総研設立を機にさらに他の試験研究機関との連携を強化し、環境問題をはじめとする様々な地球規模の課題を、世界に先駆けて解決していきたいと考えています」

―道総研における北総研の位置付け・役割は、これまでと変わってくるのでしょうか?
 「道総研には約1200名の職員がおり、そのうち当研究所の職員は56名で全体の5%ほどですが、北総研は6つの研究本部のうち、建築研究本部に属する唯一の試験研究機関であり、道総研の6分の1を担うとも言えるわけで、しっかりとその役割を果たしていきたいです。
 ただ、北海道の住宅建築における当研究所の位置付けや役割が変わることはありません。これまでやってきたことを継続していきますが、他の試験研究機関との連携を強化するという意味では、林業部門や農業部門などとも協力して、今までにない新しい調査研究にも取り組んでみたいです。
 特に地域に根ざした研究開発は調査研究の視点の一つで、当研究所がある旭川を中心とした上川地域ならではの特色を出していきたいと考えていますが、同じ地域にある林産試験場と上川農業試験場とも共同研究などで連携すれば、新たな可能性が生まれるのではないかと思います。さらにその中で地域産業のお手伝いをし、地域と結び着いた研究を行っていきたいです。
 まずは各研究本部・各試験研究機関相互で情報を共有化する中で、当研究所の業務も進化させていきたいと思います」

組織改編し研究体制を強化

―業務・組織体制も見直しを行いましたね。
 「これまで居住科学部・環境科学部・生産技術部の3部体制でしたが、所内の研究体制強化と組織のスリム化を図るため、居住科学部と環境科学部の2部体制としました。
 さらに各部を構成していた各科は、居住科学グループ、建築環境グループ、工法材料グループにまとめ、部や科の垣根を越えた調査研究も今まで以上に柔軟に対応できるようにしています。
 また、これまでの主任研究員を、各グループの研究マネージメントを行う管理職である研究主幹に格上げし、研究主幹のもとに主査と研究員を配置しています。
 このほか、総務部門と企画部門が建築研究本部となりましたが、当研究所と一体であり、これまで通り対応してまいります」

地域振興や産業化支援も

20100505_01_b.jpg―これからの調査研究で特に力を入れたいところは?
 「現在、道総研の一試験研究機関として第1期中期計画を策定しているところですが、その中には3つの柱があります。
 一つは環境負荷の低減です。道内の住宅では暖房エネルギー消費量が減ってきていますが、地球規模の環境問題はまだまだ深刻。省エネやCO2排出量削減という点で、太陽光発電やヒートポンプなどに代表される省エネ技術の開発や未利用エネルギーの活用、そしてエネルギーを作り出す創エネについては、重点的に行っていきたいと考えています。
 2つ目は良質な住宅ストックの形成です。これは、性能評価と断熱・耐震補強など適切な改修を行った中古住宅を流通させていくことで、ストックの良質化を図るとともに、その仕組みを支えるための家歴システムの普及なども力を入れていく必要があると思います。
 3つ目は地域の自立型経済を支援すること。産業興しやまちづくり、高度成長時代に造られた団地の改修、コンパクトなまちの開発などを、地域に密着した形で進めていきたいですね。
 他の調査研究機関との連携や地域との繋がりを深めていく中で、下川町や美幌町などのように、各地域が豊かな森林資源を活かし、地場産材で住宅を建てることによって、環境保全や林産業の活性化、自立型循環経済の確立につなげていく取り組みへの支援も、より強く打ち出していきたいところです。これは林産試験場や工業試験場などと、全道的に展開していくことを想定しています。
 また、道内の断熱・気密や省エネに関する技術は世界のトップレベルにあると思いますし、本州の温暖地でも有効な技術ですので、道内企業の住宅を通じた国際貢献や、本州への進出も積極的に支えていきたいと考えています」

道内工務店の技術は高水準

―最後に、道内の住宅建築業界へのメッセージを。
 「今改めて思っているのは、道内の住宅建築レベルの高さです。例えば北方型住宅ECOは、Q値・C値を高い水準に設定しましたが、実際にどれだけ建てることができるか不安もありました。しかし、これまで全棟軽々とその性能水準をクリアしており、道内の工務店の技術力には改めて驚いています。
 これほど地場の工務店が高い技術力を持っている地域は、ほかにあるでしょうか。私たちも自信を持ちましたし、工務店のみなさんも国際的に高い技術水準に達していることを誇りに思っていただきたい。
 私たちも道総研ができて良かったと道民のみなさんから言ってもらえるよう、機動性、柔軟性、スピード感などを重視して調査研究業務を進めるとともに、道内全体を元気にするためのお役に立てればと思います」


2010年05月05日号から

帯広 5月8、9日

消費者向けの家造り相談会

(株)道東サッシセンター(帯広市)は5月8日・9日の2日間、エンドユーザーを対象とした「家づくり夢づくりフェア2010」をJR帯広駅南口のとかちプラザで開催する。
 同社では住宅会社向けサッシ販売のほか、リフォーム商品や建築資材の卸売も手がけており、このイベントは今年が5回目。協力する建材設備メーカー、地場ビルダーが一体となり新規顧客の獲得を目指す。
 今回のフェアでは、出展メーカーの協力でキッチンやバストイレなどをフェア特別価格で販売するほか、地場ビルダー12社がブースを構え、新築やリフォームの無料相談を行う。
 消費者向けイベントとして、1日目にエコキュートや住宅版エコポイントの解説、木質バイオマス利用などエコに関するセミナーを3本開催し、2日目は利用者が大幅に伸びているフラット35の活用法セミナーを開催。このほか、チャリティーオークションも同時開催する。
 なお、フェアを通じて6月末までに新築あるいはリフォーム工事を成約した消費者には、抽選で40インチ液晶テレビやブルーレイレコーダーなどの豪華賞品が当たるほか、住宅用火災警報器を特価販売する。
 問い合わせは同社(帯広市大通南31丁目56、電話0155・48・9511)。
 


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