新聞記事

2010年04月25日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略2 三菱電機

無落雪対応で販売増

20100425_03_01.jpg1.製品のPRポイント
 三菱電機(株)は、1996年に住宅用太陽光発電システム事業に参入し、98年から太陽電池の自社生産を開始した。太陽電池で発電した直流電源を家庭用交流電源に変換するパワーコンディショナは、同社の持つインバータ技術を生かして高効率化を発売当初から進めており、その変換効率の高さに定評がある。4kW用のパワーコンディショナの変換効率は97・5%。住宅用で最も効率が高いという。
 住宅用商品は、「ダイヤモンドソーラー」という名称で販売。多結晶シリコン太陽電池モジュールを4種類組み合わせ、切妻、陸屋根だけでなく寄棟屋根にも対応する。

2.今年の生産・販売量
 2月に長野県飯田市に太陽電池セルの第2工場が完成、今年度の生産量は前年度の220MWから270MWに増える。太陽電池モジュールの種類も、これまでの多結晶シリコンタイプに加え、より高効率な単結晶シリコンタイプが今年度中に加わる。2011年以降は、2種類合わせて600MWまで生産量を拡大する予定。
 納期は現在1ヵ月程度ということだが、今年度は道内での販売量が倍増すると見ており、「今後2ヵ月程度お待ちいただくことになるかもしれない」と話している。
 なお、6月から既存製品の一部改良を行い、同じ面積で発電量が約3%アップした新製品を発売する。これまで基本モジュール20枚で3・7kWだった発電量は3・8kWに増える。

3.システムの保証体制
 システム全体に10年保証が付く(パワーモニターのみ1年保証)。内容は、太陽電池モジュールの出力やパワーコンディショナの変換効率がJIS規定の条件下で一定割合を下回った場合や、システム部材が製造上の瑕疵で太陽電池モジュールの外れ・落下などを招いた場合の修理費用を同社が負担するというもの。据付工事については保証の対象外となる。
 保証は、同社推奨部材を使い、指定された工法で施工IDを取得した施工者が専用の設計・施工管理システムを使うことが条件となる。無落雪屋根に関しては、一昨年から専用架台を使うことで保証対象となった。

4.施工品質の確保
 施工品質の確保に関しては、10年保証に欠かせない施工ID取得者の育成に力を入れている。ID取得は、同社の据付技術講座を受講し、試験に合格しなければならない。道内では約750名がIDを所有。さらに施工ID取得者を増やすため、販社の三菱電機住環境システムズ(株)北海道社では、年間18回の今年度は300名以上の新規登録を見込んでいる。

5.普及に何が必要か
 これまでは、無落雪屋根への対応で遅れを取っていたと言うものの、専用架台を開発してからは販売量が大幅に増えているという。普及に弾みをつけるため営業力の強化に乗り出した。
 4月から三菱電機住環境システムズ北海道社内に太陽光発電システム課を新設、同社の強みであるエコキュートやヒートポンプ暖房、IH機器などとのセット提案でエコオール電化を推進する。


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