新聞記事

2010年04月15日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略1 京セラ

20100415_02_01.jpg あるシンクタンクの試算では、今後新築戸建住宅の約半分に太陽光発電システムが採用されれば、2020年に家庭からのCO2排出量を一割削減する効果があるという。政府も昨年11月からFIT(固定価格買取制度)方式による太陽光発電システムの普及に乗り出し、国内販売量も倍増の勢いで増えている。そこで、メーカー各社に太陽光発電システムの普及に向けてどのような取り組みをしているのか、アンケートを送り回答してもらった。メーカー別に順次掲載する。

台風被害にも対応
屋根防水は総合補償制度

1.製品のPRポイント
 京セラ㈱(本社京都市)は1982年に多結晶シリコン太陽電池の量産化に世界で初めて成功。原料シリコンの調達からセルの製造、モジュール組み立てまでの一貫生産体制を生かして太陽電池の変換効率をアップさせ、研究レベルでは世界最高クラスの変換効率を達成。
 住宅用の主力商品は、長短2種類の太陽電池モジュールを組み合わせ、寄棟屋根や複雑な屋根形状にもムダを少なくレイアウトできるSAMURAI(サムライ)。また、切妻など傾斜屋根には、ECONOROOTS(エコノルーツ)タイプR、陸屋根用は防汚仕様の同タイプGと、合計3種類をラインナップ。

2.今年の生産・販売量
 3月に滋賀県野洲市に新工場が完成し、生産拠点が2ヵ所になったことから生産計画を上方修正し、2010年度が前年度比5割増の600MW(=60万kw)、2012年度に1GW(1000MW)を見込んでいる。1GWは、家庭用に換算すれば約30万軒分だ。

3.システムの保証体制
 システム全体を対象に10年間の保証が付く。太陽電池モジュールの出力保証だけでなく、設備工事が原因の機器不具合も対象となっている。さらに、期間中2度の有料点検を受けることで火事や台風、落雷被害に対しても10年間保証するのがポイント。なお、発電モニタの保証期間は1年間。

4.施工品質の確保
 積雪への備えとして、フラットルーフへの施工時には滑雪・落雪しやすいよう設置角度を大きく取ったり、架台をかさ上げしている。
 施工品質の確保は、同社独自の「京セラソーラー施工士認定制度」を設け、基礎セミナーや模擬屋根で施工実習する専門技術セミナーなどを開催して正しい施工が行える施工士を育成している。
 なお、同社の施工基準を守って施工すれば、万一雨漏りしても総合補償制度で補償される。

5.普及に何が必要か
 無落雪屋根など北海道特有の屋根形状や、寒冷地の特性に対する十分な知識と設置スキルのある工事業者が増えること。

6.その他
 製品~販売~施工~アフターサービスの品質を重視し、エンドユーザーに接する販売店の人材育成に注力している。「京セラソーラーFC店」というフランチャイズ方式の販売網構築は国内業界唯一で、地域密着型の総合的サポートを行う。道内では札幌、帯広、北見の3店舗を展開中。今年3月5日現在で全国88店舗だったFC店を来年3月末には150店舗に拡大予定。


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