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2010年04月25日号から

札幌・児童館トルエン問題

20100425_01_01.jpg原因は意識の低さ

 すでにテレビや一般紙で報じられているように、札幌市・宮の沢児童会館の床改修工事後に、トルエンの室内濃度が厚生労働省指針値の26倍となっていたことが判明。100人を超える児童らが体調不良を訴えた。なぜこのようなことが起こったのか。札幌市への取材でわかったのは、市の担当部署と施工業者ともにシックハウスに対する意識の低さと、なおざりな施工管理体制だった。比較的対応が進んだ住宅に比べ、公共建築での意識の低さを指摘する専門家もいる。

トルエン濃度、指針値の26倍
 今回、札幌市の宮の沢児童会館で起こったトルエン問題の経緯は次の通り。
 1.3月22日にプレイルームの床材を、じゅうたんからコルク床に改修する工事を実施。
 2.3月23日から一般開放したところ、職員の1人が体調不良を訴え、アレルギーと診断される。
 3.3月28日と31日に室内のVOC測定を行ったところ、厚労省指針値の23~26倍の濃度のトルエンを検出。
 4.4月2日にVOC測定の結果を受けて使用した接着剤を確認したところ、トルエンが含まれていたことが判明。
 5.4月3日から休館し、9日に床をタイルカーペットにする工事を実施。室内VOC測定の結果、トルエンの濃度が厚労省指針値以下であることを確認。
 6.4月10日から一般開放を再開。4月15日午後3時現在でこれまでに体調不良を訴えた児童らは114人となっている。
 問題となったトルエンは、接着剤や塗料の溶剤・希釈剤などに使われるもので、人体への影響としては平衡感覚が失われたり、めまいや立ちくらみ、疲労感、吐き気が起こるなど、中枢神経への影響があると言われている。厚労省では260μg/m3(0・07ppm)を指針値として定めている。
 工事担当部局である子ども未来局子ども企画課によると、問題が起きた後、コルク床の施工に使った接着剤にトルエンが含まれていたことが成分表で判明。この接着剤はコルク床材メーカー指定の製品で、F☆☆☆☆とJISの認定も受けていたという。

材料検査実施せず
市「事務職では対応できない」

 シックハウスの社会問題化を受け、平成15年にシックハウス新法が施行となり、今では住宅でホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)が高濃度になることは、かなり少なくなった。それだけに厚労省指針値の26倍という濃度は尋常ではない。なぜ事前に被害を防ぐことはできなかったのか。
 実はこの問題は工事担当部局が適切に職務を遂行していれば、事前に防ぐことができたもの。
 札幌市では平成17年に「札幌市公共建築物シックハウス対策指針」を策定し、その中で 1.新築・改修等を行う時には材料受け入れ検査を行い、実際の使用材料が適性かつ安全であることをMSDS(製品安全データシート)や成分表などで確認 2.施工後は室内VOC測定によりホルムアルデヒドやトルエンなど6物質の濃度が指針値を上回っていないことを確認―などを定めている。室内VOCの採取は、捕集管を一定時間設置しておくだけのパッシブ法と、機械で空気を強制的に補集するアクティブ法のいずれでも良いとしているが、今回はアクティブ法を採用し、道立衛生研究所が分析した。
 この指針通りに材料受け入れ検査や室内VOC測定を行っていれば、被害は未然に防げたはず。ところが、実際にはいずれも行われていなかったのだ。

働かなかったチェック機能
 子ども未来課によると、「材料受け入れ検査はMSDSなどの内容を事務職の人間が見ても、いいか悪いか判断できない部分が多いことから、実際に使う材料は施工業者の判断に頼っていた」という。
 確かに建築を専門としない事務職が、化学物質の善し悪しを判断できるかと言えば難しいかもしれないが、それであれば建築関連の部局に依頼することはできなかったのだろうか。そもそも何のために札幌市が指針を定めたのか。
 札幌市の公共工事を行った実績がある住宅会社の1社は「あり得ない話で信じられない。公共工事では実際に使う材料をすべて図面に入れて市のチェックを受けるが、今回はチェック機能がまったく働いていなかったとしか言いようがない」と言う。

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勘違いして測定も省略

本来は6物質の濃度確認
 一方、室内VOC測定を行わなかったことについては、シックハウス対策指針の取り扱い要領を、子ども未来課の担当者が誤って解釈していたことが原因。
 取り扱い要領とは、シックハウス対策指針に基づいて各部局ごとにどのように対応するかを定めたもの。同課では施工後の室内VOC測定について、「施設管理者が発注した小規模な修繕工事では、簡易測定や書類で安全確認できれば行わなくてよい」とした指針の一文を受け、課の取り扱い要領でF☆☆☆☆の認定やMSDSなどで安全を確認できた物質は、測定を省略してもよいと規定していた。
 しかし、担当者はこの取り扱い要領を誤って解釈し、「F☆☆☆☆であれば6物質すべての測定を省略できる」と勘違いしていたという。
 市の公共施設、特に子どもが利用するということを考えれば、人体に影響を及ぼす化学物質が高濃度になるなどあってはならないこと。それだけに今回明らかになった子ども未来課のシックハウスに対する意識は、明らかに低いと言わざるを得ない。
 また、指針には「F☆☆☆☆建材の使用とVOCを含まない材料の使用を基本とする」と書かれてあるのに、施工業者はメーカー指定とは言え、なぜトルエンがそんなに高濃度になる接着剤を使ったのかという疑問も残る。その点について同課では現在調査中としているが、施工業者もシックハウスに対する意識が低かったのではないか。

トルエン含有に驚く接着剤メーカーも
 そもそも室内濃度が厚労省指針値の26倍にもなるほどのトルエンを含む接着剤が、現在でも作られていることに驚きを隠せない接着剤メーカーもおり、あるメーカーは「当社ではもう5~6年前からトルエンを含む床用接着剤は販売していない。速乾タイプもノントルエンタイプ。正直、まだそんなにトルエンを含む接着剤を作っているメーカーがあったとは」と話す。
 子ども未来課では、使われた接着剤のメーカー・製品名は把握しているものの、現時点では公表していない。ただ、メーカー筋の話によると"おそらくこの製品ではないか"という見当は付くという。
 今後、同課ではシックハウスに対する意識を高めるとともに、取り扱い要領の見直しや工事仕様書などの書類を確実にチェックできる体制を考えていきたいとしているが、今回のトルエン騒動はシックハウス対策としてVOCを放散しないまたは放散量が少ない材料の選択と、適切な施工管理が重要だということを改めて認識させてくれたと言える。

基準法見直しも必要
 さらに今回新たに考えなければならない問題点も浮かび上がった。建築基準法で規制する化学物質は、このままホルムアルデヒドとクロルピリホスだけでいいのかという点だ。
 トルエンやキシレン、アセトアルデヒドなどは、人体への影響が指摘されているものの、いまだに法律で使用を規制する動きは見られない。
 室内VOC濃度の測定・分析を行うNPO日本VOC測定協会の資料によると、同協会が2007年3月から2008年10月までに行ったVOC測定では、トルエンが厚労省指針値を超えていた物件が21%と、アセトアルデヒドの42%に次いで多いというデータもある。この2つの化学物質はいずれも塗料・接着剤関連の物質から放散されるもの。全棟VOC測定を行っていても、塗料や接着剤を変えたりすると、この2物質の濃度が高くなったことがあると話す住宅会社もいる。
 建材メーカー各社ではノントルエンタイプの接着剤や塗料などが主流になっているが、今回のようにトルエンを含んだ製品も市場に出回っており、今回のようなことが住宅でも起こりうる可能性は十分あるだろう。
 シックハウス新法の施行から7年経ち、改めて規制の内容を見直す時期に来ているのではないだろうか。

グラフ
NPO日本VOC測定協会が2007年3月から2008年10月まで行ったVOC測定におけるアセトアルデヒドとトルエンの結果


2010年04月25日号から

フラット35が激増 2010年1~3月は前年比約4倍

20100425_02_01.jpg 証券化支援事業による長期固定金利住宅ローン「フラット35」の平成21年度道内申込受理数を住宅金融支援機構北海道支店が発表した。それによると、伸び率が前年比で約2倍となっており、特に今年1月~3月は前年同期比で約4倍と大幅に伸びていることがわかった。

新築戸建ての約1割が利用
 申込実数では、平成20年度の925件に対し、1840件で約2倍。内訳は、戸建て持家が約3分の2、中古住宅が約4分の1、残りが分譲マンションや建売住宅。新築戸建住宅では少なくとも1割以上がフラット35を利用した計算になる。特に今年1~3月の道内申込数は658件。前年同期比で約4倍、年間申し込みの3分の1以上を占めた。全国の21年度を見ると、対前年比67%増の8万1726件で、北海道支店の勢いが上回っている。
 平成19年4月に住宅金融公庫を独立行政法人化して発足したのが住宅金融支援機構。独法化以降は直接融資から民間の長期固定金利住宅ローン商品を支援する立場に変わった。しかし、不況による金利水準の低迷で、発足当初は目先の金利が安い「3年固定」や変動金利型住宅ローンが利用者に支持され、フラット35は伸び悩んでいた。
 ところが昨年は世界同時不況の影響で民間金融機関の住宅ローンに「貸し渋り」が目立つようになり、職業差別のないフラット35に人気が出始めた。
 また、政府も緊急経済対策の中でフラット35の条件緩和・強化を打ち出し、昨年6月に購入価格の100%融資が可能となった。これにより、それまで前年比横ばいだったフラット35申込者が大幅に増えた。
 さらに今年からはフラット35S(優良住宅取得支援制度)の金利優遇幅を大幅に拡大し、当初10年間は1%も金利が低くなった。特に長期優良住宅の認定を受けたりトップランナー基準をクリアした住宅は金利の優遇期間が20年間に拡大。
 たとえば2000万円の住宅を全額ローンで35年返済する場合、フラット35Sの20年金利優遇タイプで借りれば、通常のフラット35に比べて総返済額で約260万円も安くなる。これに、長期優良住宅の100万円補助金や、先導的モデル事業の200万円補助金を組み合わせれば、消費者に対して強力なアピールとなる。

 道内が大きく伸びた要因として、同支店では「もともとフラット35Sの利用率が他地域よりも高い」ことを挙げている。全国では4割程度だが、道内は8割近く。さらに、他地域では地場工務店がフラット35Sの性能要件に対して消極的だが、道内では対応が早いことも大きいという。
 同支店では、「フラット35はプロパーローンの1つ。住宅ローンに多くの選択肢があり、その中の1つとしてフラット35が選ばれれば良いと考えている」と話している。
 問い合わせは、住宅金融支援機構北海道支店営業推進グループ(電話011・261・8306)。


2010年04月25日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略2 三菱電機

無落雪対応で販売増

20100425_03_01.jpg1.製品のPRポイント
 三菱電機(株)は、1996年に住宅用太陽光発電システム事業に参入し、98年から太陽電池の自社生産を開始した。太陽電池で発電した直流電源を家庭用交流電源に変換するパワーコンディショナは、同社の持つインバータ技術を生かして高効率化を発売当初から進めており、その変換効率の高さに定評がある。4kW用のパワーコンディショナの変換効率は97・5%。住宅用で最も効率が高いという。
 住宅用商品は、「ダイヤモンドソーラー」という名称で販売。多結晶シリコン太陽電池モジュールを4種類組み合わせ、切妻、陸屋根だけでなく寄棟屋根にも対応する。

2.今年の生産・販売量
 2月に長野県飯田市に太陽電池セルの第2工場が完成、今年度の生産量は前年度の220MWから270MWに増える。太陽電池モジュールの種類も、これまでの多結晶シリコンタイプに加え、より高効率な単結晶シリコンタイプが今年度中に加わる。2011年以降は、2種類合わせて600MWまで生産量を拡大する予定。
 納期は現在1ヵ月程度ということだが、今年度は道内での販売量が倍増すると見ており、「今後2ヵ月程度お待ちいただくことになるかもしれない」と話している。
 なお、6月から既存製品の一部改良を行い、同じ面積で発電量が約3%アップした新製品を発売する。これまで基本モジュール20枚で3・7kWだった発電量は3・8kWに増える。

3.システムの保証体制
 システム全体に10年保証が付く(パワーモニターのみ1年保証)。内容は、太陽電池モジュールの出力やパワーコンディショナの変換効率がJIS規定の条件下で一定割合を下回った場合や、システム部材が製造上の瑕疵で太陽電池モジュールの外れ・落下などを招いた場合の修理費用を同社が負担するというもの。据付工事については保証の対象外となる。
 保証は、同社推奨部材を使い、指定された工法で施工IDを取得した施工者が専用の設計・施工管理システムを使うことが条件となる。無落雪屋根に関しては、一昨年から専用架台を使うことで保証対象となった。

4.施工品質の確保
 施工品質の確保に関しては、10年保証に欠かせない施工ID取得者の育成に力を入れている。ID取得は、同社の据付技術講座を受講し、試験に合格しなければならない。道内では約750名がIDを所有。さらに施工ID取得者を増やすため、販社の三菱電機住環境システムズ(株)北海道社では、年間18回の今年度は300名以上の新規登録を見込んでいる。

5.普及に何が必要か
 これまでは、無落雪屋根への対応で遅れを取っていたと言うものの、専用架台を開発してからは販売量が大幅に増えているという。普及に弾みをつけるため営業力の強化に乗り出した。
 4月から三菱電機住環境システムズ北海道社内に太陽光発電システム課を新設、同社の強みであるエコキュートやヒートポンプ暖房、IH機器などとのセット提案でエコオール電化を推進する。


2010年04月25日号から

思いのほか甘くない 道内企業の札幌進出

 道内から札幌の住宅市場へ進出する建築会社が増えているようだ。今年は帯広本社の(株)ロゴスホームが札幌進出を表明しており、今後もまだ続きそうだ。札幌進出の目算と現状を探ってみた。

○手 法
 道内唯一の巨大市場に参入する企業の背景には、地元市場の縮小がある。多くは地元で成功し、棟数も30~50棟規模まで達している。その成功のノウハウを札幌でも展開するというやり方が一般的だ。
 しかし、手法は同じでも商品メニューを変えるケースもある。1つはフランチャイズ商品を扱っていて、札幌には商権がない場合。もう1つは札幌では別のニードを狙う場合。多くはアッパー層を狙う誘惑に駆られるが、実はローコスト市場でうまくいくケースも少なくない。

○見込み通り
 札幌は辛うじてニッチな市場が成立する市場規模がある。反対にボリュームゾーンが広いので、その中で絞り込むこともできる。
 数年前に進出し、昨年ころから医師などの層をつかんだというH社。札幌圏以外でこういう顧客層だけで1年間の仕事が回るということはほとんど考えられないが、札幌ではある程度成立する。
 土地を仕入れながらローコストを武器に札幌で大きく伸ばしている会社もある。土地の仕入れは即決が必要とされ、札幌にトップが常駐するか同等の決裁権を持っている必要がある。

○見込み違い
 商売だから、失敗はある意味つきもの。反省を次に生かす意味で見込み違いの例も見ていきたい。
「甘く見た」・・・他地域から札幌の市場を見ると、けっこう甘く見えるようだ。例えば実行価格のチェックが甘い、宣伝費をかけすぎ、競争が少ないなど。
 しかし、それは表面的なことであって、例えばお客がコンタクトしてくる前に競争が始まっていることに気づかずに建売やモデルを見てもらう機会を失っているケースがある。
「大勝負をしすぎる」・・・退路を断って1からつくりあげるつもりでも、やはり断ち切れない。というより崖っぷちの気持ちでいきなり大勝負に出るより、小さく始めたほうが時流に合っているように見える。
「知名度」・・・知名度不足を大きな問題ととらえすぎるケースもある。札幌ではそもそも消費者は住宅会社など1社も知らないと言っていいくらい。大切なのは「建てよう」と思った瞬間のお客と知りあうことだけだ。

○今後の札幌
 「エンドユーザーとの距離が遠い」という点が札幌とほかの地域を比べたときの大きな特徴だ。そこで、これまでは大量の宣伝や、住宅展示場といったマス宣伝が使われてきた。ところが昨年1年間で大きく変わった印象がある。マス宣伝が効かないし減らしていい。むしろネット上での戦略や地域密着の地道な活動に気持ちが向いている経営者が多い。土地支配力は相変わらずだが、絶対的とまでは言えず、多少ゆるんでいる。


2010年04月15日号から

トップランナー基準に、突然ちょっと注目

断熱と設備選択のポイント

 年間150戸以上の建売住宅を建設する住宅会社に義務づけられているトップランナー基準(住宅事業建築主基準)が、少し注目を集めている。金利引き下げ効果が大きい長期固定金利ローン・フラット35S(20年金利引下げタイプ)で適用条件の一つになっているほか、今年から始まった住宅版エコポイントでは次世代省エネ基準とともに新築の適用条件になったからだ。ここでトップランナー基準をクリアする断熱・設備仕様について考えてみたい。

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※トップランナー基準は背景などが少々複雑なため、比較的長い記事になっています。本来は新聞紙上で読んでいただくタイプの記事ですが、webには一覧表だけを掲載します。内容についてはぜひ試読紙をご請求ください。


2010年04月15日号から

太陽光発電2010 メーカーの戦略1 京セラ

20100415_02_01.jpg あるシンクタンクの試算では、今後新築戸建住宅の約半分に太陽光発電システムが採用されれば、2020年に家庭からのCO2排出量を一割削減する効果があるという。政府も昨年11月からFIT(固定価格買取制度)方式による太陽光発電システムの普及に乗り出し、国内販売量も倍増の勢いで増えている。そこで、メーカー各社に太陽光発電システムの普及に向けてどのような取り組みをしているのか、アンケートを送り回答してもらった。メーカー別に順次掲載する。

台風被害にも対応
屋根防水は総合補償制度

1.製品のPRポイント
 京セラ㈱(本社京都市)は1982年に多結晶シリコン太陽電池の量産化に世界で初めて成功。原料シリコンの調達からセルの製造、モジュール組み立てまでの一貫生産体制を生かして太陽電池の変換効率をアップさせ、研究レベルでは世界最高クラスの変換効率を達成。
 住宅用の主力商品は、長短2種類の太陽電池モジュールを組み合わせ、寄棟屋根や複雑な屋根形状にもムダを少なくレイアウトできるSAMURAI(サムライ)。また、切妻など傾斜屋根には、ECONOROOTS(エコノルーツ)タイプR、陸屋根用は防汚仕様の同タイプGと、合計3種類をラインナップ。

2.今年の生産・販売量
 3月に滋賀県野洲市に新工場が完成し、生産拠点が2ヵ所になったことから生産計画を上方修正し、2010年度が前年度比5割増の600MW(=60万kw)、2012年度に1GW(1000MW)を見込んでいる。1GWは、家庭用に換算すれば約30万軒分だ。

3.システムの保証体制
 システム全体を対象に10年間の保証が付く。太陽電池モジュールの出力保証だけでなく、設備工事が原因の機器不具合も対象となっている。さらに、期間中2度の有料点検を受けることで火事や台風、落雷被害に対しても10年間保証するのがポイント。なお、発電モニタの保証期間は1年間。

4.施工品質の確保
 積雪への備えとして、フラットルーフへの施工時には滑雪・落雪しやすいよう設置角度を大きく取ったり、架台をかさ上げしている。
 施工品質の確保は、同社独自の「京セラソーラー施工士認定制度」を設け、基礎セミナーや模擬屋根で施工実習する専門技術セミナーなどを開催して正しい施工が行える施工士を育成している。
 なお、同社の施工基準を守って施工すれば、万一雨漏りしても総合補償制度で補償される。

5.普及に何が必要か
 無落雪屋根など北海道特有の屋根形状や、寒冷地の特性に対する十分な知識と設置スキルのある工事業者が増えること。

6.その他
 製品~販売~施工~アフターサービスの品質を重視し、エンドユーザーに接する販売店の人材育成に注力している。「京セラソーラーFC店」というフランチャイズ方式の販売網構築は国内業界唯一で、地域密着型の総合的サポートを行う。道内では札幌、帯広、北見の3店舗を展開中。今年3月5日現在で全国88店舗だったFC店を来年3月末には150店舗に拡大予定。


2010年04月15日号から

◆児童館トルエン高濃度を調べてほしい

◆児童館トルエン高濃度を調べてほしい
札幌市 建材メーカー 幹部
 札幌市の児童館で国の指針値を20倍以上も上回るトルエンが検出され、大騒ぎになっています。室内のVOC濃度と空気環境についてはずっと調査をしてきたので大いに関心があります。貴紙(北海道住宅新聞)はぜひこの事件を取材し、技術的な視点から原因と対応を解明してください。VOC問題は終わったと思っていらっしゃる方も多いですが、住宅でもアセトアルデヒドとトルエンは指針値を超える例が多いですし、公共建築では今回のような事件がままあります。

◆今年度は飛躍したい
札幌市 工務店 社長
 独立して工務店を始めて数年、ようやく経営も軌道に乗ってきましたが、営業面ではそれほど苦労しませんでした。というのも、前に在籍していた会社時代からのお客さまとのつながりがあり、積極的な営業をしなくても仕事が確保できていたのです。でも、そろそろ自分の意識を変えないとたいへんな事になるなと思いました。気がついたら会社が傾いていたということがないよう、今年度は初心に戻って勉強会に参加するなど飛躍するために前向きに活動したいです。


2010年04月05日号から

"新築を超える"

性能リフォームの打開策 シリーズ1

 既に世帯数を超える住宅ストックがある現代。エコと住環境改善を目指すなら中古住宅の性能リフォームが急務ともいえる。未だ活況を呈していない「性能リフォーム」市場に打開策はあるのか?
 今回はリフォーム会社・工務店の施工力・提案力向上のために始動した「北海道住宅高性能リフォーム普及支援協議会(あったかリフォーム倶楽部)」の設立記念講演会を取材した。

1980年代以降の住宅が主流
20100405_01_02.jpg 約60名のリフォーム会社・工務店、専門家などが集まる中、同会アドバイザーである道立北方建築総合研究所の福島明居住科学部長が性能リフォームに関して熱いトークを展開。性能リフォームで受注を拡大させようと熱心にメモをとったり頷く参加者が多かった。
 発言の要旨は左表掲載のとおり。すでにリフォーム市場は、1980年以降に建築された住宅。「安価なリフォームで新築を超える性能を実現できる住宅ストック」が7割を占めている。
 これらの住宅を性能リフォームすることで顧客にも喜ばれ、環境にもやさしく、住宅リフォーム会社・住宅会社にとっても収益性が高まると強調した。

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施工力と提案力を支援
20100405_01_03.jpg 同協議会幹事の高杉昇氏(はるす工房代表)は「リフォームで壁の一部にポリフィルムを入れただけで気密工事をしたかのようなケースが少なくない。技術面を支援するので身につけてほしい」
 「性能リフォームで安価に性能を高めることができる既存住宅でも、安易に建て替えを薦める傾向が目立つ。技術を身につけエンドユーザーに性能リフォームをお勧めできるようになってほしい」と強調。
 「相当隙間面積(C値)1を切る気密リフォーム工事ができるようになるためには、理屈を知るだけでなく熟練の施工力、いわば"現場力"が必要になる。まずは熱損失係数(Q値)とC値が1・5を切り、耐震強度も現行法並みの性能に高めるリフォームができるノウハウを協議会が提供したり現場施工アドバイスを行う」と述べた上で「協議会が施工店の認定を行ったり、区民センターなどでの市民セミナーも実施し、営業支援も行っていく」と述べた。
 参加したリフォーム会社・工務店などからは「性能リフォームには展望があると思うが、当社はまだ本格的なアプローチはしていない。冬季の受注減対策としても興味がある」「断熱改修のリクエストは多い。コストを抑える手法とともに興味を持っている」「ユーザーさんに対する説明不足を感じる。営業力を強化したい」「既存住宅の性能アップを上手に提案していきたい」「連携して集客強化を図れればうれしい」といったコメントが寄せられた。
 同協議会は、住宅の性能リフォームによる住環境改善と温室効果ガスの削減を目指す環境省認定の協議会で、性能リフォームの基準とマニュアルづくり、その基準をクリアするための設計・施工力の支援、クリアできる会員の認定、エンドユーザーへの性能リフォームに対する啓蒙活動を行う。会長は北海道大学繪内正道名誉教授。
 24日には札幌市手稲区民センターで市民セミナーを開催する。


2010年04月05日号から

2010年度着工2~5%増

道内建材各社、やや上方修正

20100405_02_01.jpg 建材メーカーに2010年度の着工予測をやや上方修正する動きが出てきている。
 売上予算の前提となる住宅着工予測、とくに木造系、持家系の新設着工(北海道内分)が2009年度比で2%~6%程度アップするとの見方が、ここに来て増えている。
 背景には2月までの好調な建材売上があるようだ。昨年の10月以降、売上が前年を上回っている企業が多く、3月決算の企業のなかには通年で売上が前期を上回ったという声も聞く。
 今年の年初はまだ慎重な見方も強く、本紙が2月5日号で2010年着工予測を上方修正し、持家7%増とした時点では、冷めた声も強かった。
 ただ、ここへ来て売上にブレーキがかかっているとするメーカーもある。そこで、2010年度通期では前年を上回るとしても、上期は昨年同様、低調なすべり出しとなるのではないかという声も出ている。
 また、前年比を上回るとしてどのくらい上回るかも見方の分かれるところだ。2%程度の微増から5%程度の増加まで幅があり、2ケタ増という声は聞かれない。
 各社とも"おそるおそる"上方修正している背景には、なぜ昨年後半から伸びたのか、その原因をはかりかねているという事情がある。
 極端に冷え込んだ需要の単なる反動増か、一時は冷えたものの需要の底堅さなのか、住宅金融支援機構(支援機構)の職業差別なしの融資承認が押し上げているのか。今年になれば、エコポイントスタート、支援機構の金利優遇、子ども手当てなどにより、民間企業の賃下げや雇用流動化を補えるのか。いずれもあまり決め手には見えない。
 賃貸市場も似た状況となっている。空室の増加や家賃引き下げの広がりなど、賃貸事業者側にはプラス材料が見あたらないにもかかわらず、着工が増加に転じている。その理由がつかめず、各社とも着工予測を強気に修正することをためらっている。
 とは言え、慎重に見すぎても売上拡大のチャンスを逃すことになりかねず、そのあたりのバランスを探っている。


2010年04月05日号から

道経産局など主催 埼玉での技術フェアに100名

道産技術に高い関心

 北海道経済産業局などが企画して3月6日に埼玉県さいたま市で開かれた「北海道発!高断熱・高気密住宅技術フェア」が大盛況だった。
 当日はまず「高断熱・高気密住宅技術の温暖地への展開」と題して、室蘭工業大学鎌田紀彦教授が夏の涼しさとQ1・0住宅技術などについて講演。道建設部の大柳佳紀主幹は北方型住宅の取り組みなどを紹介。集まった関東地域のハウスメーカーや工務店約100名は、省エネ技術や道の政策展開に熱心に耳を傾けた。
 その後、出展企業によるプレゼンとビジネスマッチング会となったが、企業ブースには多くの来場者が訪れ、早速商談が始まるなど来場者の関心も高かった。出展企業は道内の省エネ関連住宅建材を扱う11社。各社ともに大きな手応えとなったとしている。
 この取り組みは、昨年の岐阜県東濃地域での開催に続き2回目で、関東圏では初。


2010年04月05日号から

◆少子高齢化で田舎は...

◆少子高齢化で田舎は...
空知 工務店 社長
 私の町はここ20年で中心部のデパートが無くなり、商店街もシャッター街になりました。若い人はどんどん郊外に出ていき、お年寄りばかりで子どもはほとんどいない。小中学校はどんどん廃校になっていきます。地場産業である農業の担い手は減り、町の活気はどんどん失われています。50代でも若手扱いされてしまいます。新築住宅を受注できるチャンスも激減です。都市部に引っ越し、チャレンジすべきか迷っています。


◆当社がお客さまに選ばれる理由
札幌市 ハウスメーカー 常務
 実を申しますとずっと受注が振るわず、この2月は久しぶりににぎわって活気も戻りました。それは素直にうれしいのですが、ではお客さまが当社を選ぶ理由は何かと、消費者目線で見たときに、置かれた状況は改善したわけではないと思っています。もちろん消費刺激策などの後押しはありがたいのですが、会社の商品力とか、サービスレベルといった本質的な力を高めることが、大きな課題であり、それを改善することがこれからの課題です。


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