顧客ニーズに応えるのは商売の基本。でも「言うが易し、行うが難し」だ。シリーズの第4回は、北海道では食っていくことも難しいとも言われる「フリーライター・エディター」として活躍する佐藤優子さん。住宅会社にもヒントをいただきました。
「聞き方」のNGは?
佐藤さんの仕事の一つが、北大文学部の教授陣をインタビューし、学生にその魅力を伝えるというもの。専門家の話は一般の人には難解だが、誰でも理解できるように記事化するには、
1 「あなたの話をぜひ聞きたい」という取材の姿勢=事前の準備・情報収集
2 常識的な身なりや言葉遣い
3 聞いているはずの「話」を相手から奪ったり、「要するに」といいながらまとめようとしたりするのはNG。きちんとうなずき真剣に聞くこと
などが重要だという。 「コーチングなどの資格を持たない身で恐縮ですが、1本1本の取材が教科書がわり。自己流で身につけた取材術です」と佐藤さん。こうしたスキルを身につけてこそインタビューの仕事が続けられるのだ。
「初対面ならなおさら『この人に話してもしっかり理解してもらえるだろう』と思わせ、貴重な時間を割いてもらえるような事前の準備をすることが大事です」と佐藤さん。
この3つのポイント。人に会う仕事なら誰もが参考になるのではないでしょうか?
テーマは尽きない
ビジネス情報誌「ウイング札幌」での「北の匠」シリーズは北海道の様々なジャンルの匠を探しだし、毎月1人を連載で紹介、そして美唄市のポータルサイト「PiPa」の特集記事などの編集と取材も行っている。思わず「美唄市内だけでそんなに取材ネタありますか?」と聞いてしまったところ、
「美唄やきそばがブームになっていますが、地元の人にとっては馴染みの食。地域の良さ、努力、面白さを嘘をつかずに身の丈にあった形で紹介しています。月間18万ページビューの訪問者を得ています」とのこと。
住宅会社にアドバイス
「顧客ニーズを聞き、期待に応える」ために努力しているのは住宅会社も同じ。「聞く」ことのプロ、佐藤さんに「どんな住宅会社さんには家造りを頼んでみたいか」と聞いてみました。
1・話を聞ける営業マン
家を建てる時にはたくさんの人間の欲望が渦巻き、できるできない、という話が噴出すると思います。家づくりで最も大事なのは家族のハートをまとめる、責任を持って家族の話を聞くことではないでしょうか?話を聞いてニーズをくみ取ることができる営業マンがいるか、が第1です。
2・顧客の喜びを共有
接客担当者は、顧客のニーズをしっかり聞き、設計や施工、経営者などと住まいづくりの方針を話し合うことになると思いますが、その時に「これをこうしたい」という対処法だけを話し合うのではなく、「キッチンにこの工夫があれば奥様が喜ぶ」「玄関で座れる工夫があればおばあちゃんが喜ぶ」というように、オーナーファミリーの「誰が何に喜ぶか」をすべての基準として社内の共感を勝ち取れる営業マンがいいですね。結果的に住宅オーナーの共感も得られる家になる気がします。そういうことができる営業マンを探したいです。
詳しくはサイトで
紙面の都合で、佐藤さんの活動全てを紹介することはできません。続きは「札幌良い住宅.JP」をご参照ください。
札幌良い住宅.JPへ
(写真上...北海道大学大学院文学研究科・文学部の「Lab.letters」に各先生の聞き書き記事が掲載 写真中...ビジネス情報誌「ウイング札幌」の「北の匠」にも連載を持つ 写真下...美唄市ポータルサイト「PiPa」)
フリーライター・エディター佐藤優子:北大文学部卒、(株)アルバイト情報社編集室に12年間在籍。05年独立、フリーライター・エディターに。札幌在住
新聞記事
2009年09月25日号から
話の「上手な」聞き方
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