新聞記事

2009年08月05日号から

住まい手目線こそ満足度向上のカギ/ウーマンズ・アイ Vol.3

北見・みゆき内装 山本美幸さん 一級表装技能士

20090805_05_01.jpg 「自分がお客様の立場だったら、どのように仕事すれば満足してもらえるか。いつもそのことを意識して作業しています」。そう話す山本さんは、常にユーザーの目線でどのように仕事をすればいいのかを考え、動いている。
 
(写真...山本美幸さん)
 
気軽な会話の中に安心感
 女性職人をほとんど見かけない内装工事業界に山本さんが入ったのは、北見での会社員時代に事務所の隣で家が一軒完成する過程を見て感動したのがきっかけ。「大工は力仕事があって女性には厳しそうだが、内装ならできると思い、この世界に飛び込んだんです」。
 そんな山本さんの現在の仕事はリフォームが中心だが、大切にしていることの一つが"お客様とのコミュニケーション"。ただ、それは根掘り葉掘り質問したり、踏み込んだ話をしたりということではない。
 「友達がクロスの張り替えに来た感じで、気軽にお客様と話をしていることが多いですよ」と言うように、多くは作業中に子供の話など雑談をする程度。リフォームでは奥さんが家にいる状態で仕事をすることがほとんどなので、「黙々と作業して緊張感を与えたり、聞かれたことしか答えないよりも、してほしいことや気になることなどを気軽に話してもらったほうが、安心して任せてもらえるんです」と言う。
 「小さい子供が工具に興味をもって触ろうとすることもありますが、コミュニケーションが取れていれば『ダメだよ』と注意しても、緊張した雰囲気になることもないですね」と山本さん。単に指定された材料をキレイに施工するだけではない、彼女ならではの仕事に対する姿勢がそこに感じられる。
 
効率よりも気配りが大切
20090805_05_02.jpg もう一つ、山本さんが大切にしていることに女性ならではの"細やかな気配り"がある。
 例えば、内装工事に限らず、住宅の施工現場では効率を重視し、掃除も仕事が終わってから最後にやればいいと考えがちだが、「最後に掃除すればいいというのはこちらの都合。お客様は仕事中もキレイにしてほしいと思うのでは」と話す。
 また、「リフォームで自分がその家の奥様だったら、キッチンからトイレまでの動線をよく使うので、その部分の作業を最初に済ませてから他の部分に取りかかるようにする」など、ユーザーの立場に立って仕事を考えることを忘れない。
 「もともと絵を描いたり、工作をするのが好きだったんです。塗り壁やクロス貼りはその延長のようなもの。それでもお客様が求めるクオリティに100%応えられているわけではないので、まだまだ勉強中です」と笑う山本さん。
 住宅市場が冷え込む中、一番やりたいという塗り壁仕上げの仕事にはなかなか恵まれないというが、「多くのユーザーから"あなたに頼んで良かった""と言ってもらえること」を目標に、自分のスタイルを磨き続けている。
 
(写真...塗り壁の施工に集中する山本さん。「お客様が求めている柄や仕上がりを表現できれば、こんなに素晴らしいことはない」と言う)

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