社風や慣習は工務店によって様々だが、他の工務店が"なぜそうしているのか"は意外と自社の体制改善のヒントになるかもしれない。
そこでこの連載では、工務店社長に対するアンケートから得られた、経営・業務の実態について紹介していく。第1回目のテーマは「給料は振込みか手渡しか」。
振込み派の意見
手渡す時間がもったいない
「給料を手渡しするなら、やはり会社の代表である社長自ら渡さなければならないと思うが、そうすると私自身が手渡しのための時間を作らなければならなくなる。その時間がもったいないので振込みに変更した」(札幌・A工務店)
飲みに行ってもなくさない
「間違いなく社員の手に渡る。帰宅途中に飲みに行って、どこかに忘れてきてしまうなんてこともない」(札幌・B工務店)
経理業務合理化のため
「振込みにしているのは、経理業務の合理化を考えてのこと」(千歳・C工務店)
大工のみ手渡し派の意見
頑張ったことを実感
「希望すれば振込みにするが、大工は手渡しを希望することがほとんど。給料日にそのまま飲みに行くからというわけではなく、仕事で頑張ったことを直接実感できるからではないか」(札幌・H工務店)
コミュニケーションできる
「仕事のことを現場のみんなで話し合う機会になるので、給料日には会社に大工全員集まり、ジュースを飲んで、納まりのことやマナーのことなどいろんな話をしながら一人一人給料を手渡ししている」(旭川・I工務店)
手渡し派の意見
仕事の価値感じられる
「振込みにしたほうが楽だが、手渡しを続けている。やはり現金を直接渡したほうが仕事の対価としての価値が感じられると思うからだ」(十勝・F工務店)
父親の威厳が保てる
「『今月もお疲れさまでした。また来月も頑張りましょう』と声をかけることが社員の励みになればと考えた。また、最近は家庭の中で父親が軽視されるようになってきているので、父親が母親に直接給料袋を渡せば、子供も一家の大黒柱として父親のことを見るようになるのではと考えたことも理由の一つ」(オホーツク・G工務店)
(グラフ...11社に話を聞いた結果、振込みと答えた工務店が多かったが、大工に限って見れば、手渡しとしている工務店のほうが多い)
新聞記事
2009年07月25日号から
給料は振込か手渡しか
そこが知りたい!工務店生態レポート 第1回
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