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新聞記事

2009年07月25日号から

全道着工25,000戸台か

全国も90万戸割れの可能性

 全国的に見ても最低の水準が続く09年の北海道の住宅着工はどうなるのか。
 本紙は今年2月5日号で2009年の道内住宅着工を"3万1千戸台、良くても3万4千戸程度"、と予測した。しかし、その水準すらも下回ることが確実な情勢だ。
 1~5月の住宅着工と6月の札幌市の確認申請件数から判断して、2万7千戸台、最悪で2万5千戸割れも考えられる。
 1~5月の道内着工は、対前年比41%減。この減少ペースで行くと年計では2万3千戸だ。
 着工が急降下したのは昨年10月以降。つまり9月までは対前年比で大幅な減少が続く可能性が高い。
 9月以降、政治の安定によって未来展望に明るさが感じられたとしても、年内の仕事には結びつきにくい。
 長期優良住宅が始まった6月4日以降に確認申請が集中するという見方もあったが、札幌の6月戸建て実績を見ると、5月よりは回復したものの、対前年比では減少から抜け出していない。
 ただ、消費者の住宅取得意欲は根強く、集客自体はさほど悪くないという声も多い。問題は消費者の希望する低価格帯に供給側が応えきれていない面があること、住宅ローンの審査が通りにくいこと、将来が不安で多額の借金を背負いたくないマインド面、とも言われている。
 この結果、持家は9800戸台(2月予想と同じ)、問題は貸家と分譲、ということになる。
 貸家については、1~5月累計で44%減。フルローンに融資がつかない、入居率が低下しており地主が投資を見合わせる、不動産バブルの崩壊、というマイナス要素が目立ち、新築市場の回復には時間がかかりそう。当初予想から下ブレし、1万2千戸から1万4千戸あたりか。
 分譲もボロボロだ。現状はトータルで68%減、このうちマンションが8割減、建売が3割減。マンションは大手の破たんなどもあり、在庫の整理が進んでも新築が以前ほどの着工に戻るとは思えない。建売については、在庫のリスクから着工が減っているが、注文を補う意味もあり大幅な底割れはないと考えられる。当初予想を大幅に下回り、2500戸程度に落ちつくか。
 全国ベースでも下ブレは大きい。2月時点では最悪90万戸割れも、と予想したが、このペースで行くと80万戸台前半、場合によってはさらに下回る可能性もある。
 ただ、中部圏・関西圏・首都圏などを中心に長期優良住宅によって弾みがつくと見る向きも根強い。それによって秋から冬場の着工が伸びる可能性もある。ただしマンションの回復は思わしくない。


2009年07月25日号から

給料は振込か手渡しか

そこが知りたい!工務店生態レポート 第1回

 社風や慣習は工務店によって様々だが、他の工務店が"なぜそうしているのか"は意外と自社の体制改善のヒントになるかもしれない。
 そこでこの連載では、工務店社長に対するアンケートから得られた、経営・業務の実態について紹介していく。第1回目のテーマは「給料は振込みか手渡しか」。
 
20090725_02_01.jpg振込み派の意見
手渡す時間がもったいない
 「給料を手渡しするなら、やはり会社の代表である社長自ら渡さなければならないと思うが、そうすると私自身が手渡しのための時間を作らなければならなくなる。その時間がもったいないので振込みに変更した」(札幌・A工務店)
飲みに行ってもなくさない
 「間違いなく社員の手に渡る。帰宅途中に飲みに行って、どこかに忘れてきてしまうなんてこともない」(札幌・B工務店)
経理業務合理化のため
 「振込みにしているのは、経理業務の合理化を考えてのこと」(千歳・C工務店)
 
大工のみ手渡し派の意見
頑張ったことを実感
 「希望すれば振込みにするが、大工は手渡しを希望することがほとんど。給料日にそのまま飲みに行くからというわけではなく、仕事で頑張ったことを直接実感できるからではないか」(札幌・H工務店)
コミュニケーションできる
 「仕事のことを現場のみんなで話し合う機会になるので、給料日には会社に大工全員集まり、ジュースを飲んで、納まりのことやマナーのことなどいろんな話をしながら一人一人給料を手渡ししている」(旭川・I工務店)
 
手渡し派の意見
仕事の価値感じられる
 「振込みにしたほうが楽だが、手渡しを続けている。やはり現金を直接渡したほうが仕事の対価としての価値が感じられると思うからだ」(十勝・F工務店)
父親の威厳が保てる
 「『今月もお疲れさまでした。また来月も頑張りましょう』と声をかけることが社員の励みになればと考えた。また、最近は家庭の中で父親が軽視されるようになってきているので、父親が母親に直接給料袋を渡せば、子供も一家の大黒柱として父親のことを見るようになるのではと考えたことも理由の一つ」(オホーツク・G工務店)
 
(グラフ...11社に話を聞いた結果、振込みと答えた工務店が多かったが、大工に限って見れば、手渡しとしている工務店のほうが多い)


2009年07月25日号から

映像録画が可能に/MMレンタCOM

20090725_03_01.jpg 建築現場にWebカメラを取り付け、パソコンや携帯電話でリアルタイムに現場状況を監視できるシステム「モバイルモニター」の付属ソフトが機能アップし、監視映像の録画ができるようになった。
 録画機能は、パソコンのハードディスク内に自動記録する。機能アップしたソフトは、最大16台までのカメラ映像を同時表示でき、日時指定再生やスロー再生などさまざまな機能が追加された。
 モバイルモニターは、Webカメラ本体、モバイル通信カードなどを防水ケースにコンパクトに収め、従来製品よりも格段に監視範囲が広く、狭い工事現場でも使いやすい。今回から1日単位のレンタルや、月払いレンタルも可能になった。申込みは、同サイトから行う。
 料金設定は携帯会社にイーモバイルを利用し全期間一括前払いの場合、6ヵ月レンタルで9万3000円(税別)で、1ヵ月あたり1万5500円(同)になる。また、月払いレンタルは、スタート月が3万7000円(同)で2ヵ月目からは1万3500円/月(同)。
 問い合わせはMMレンタCOM(Tel.0120・940・381)。
 
(写真...1度に16台までのカメラを接続・表示できる)


2009年07月25日号から

◆"補助金漬け"で足腰弱る危険

◆"補助金漬け"で足腰弱る危険
東京 FCチェーン 本部長
 
 これまで国からさまざまな補助金を引き出してきましたし、会員工務店の中には独自に補助金を獲得している会社も少なくありません。最初は補助金を活用してもっといい家を、と営業するのですが、だんだん営業マンが補助金に頼りっきりになってしまうのです。ある意味麻薬と同じで、打ち続けなければ怖くなってしまう。民需だけで生きてきた強い足腰を補助金が弱めてしまう危険があることを、住宅会社の経営者に知ってほしいと思います。
 
 
◆どうしてわかってくれないの
帯広市 工務店 社長

 ハウスメーカーと当社とを比較検討中のお客さまから話を聞きました。すると、ハウスメーカーの見積は高くて住宅ローンを希望額借りられないので、足りない分は別居している親名義でノンバンクローンを借りる計画なんだとか。無茶な計画だと思い、「当社ならノンバンクローンが不要になる低価格でハウスメーカーより良い住宅ができますよ」とアピールしたのですが返事はありません。どうしてわかってくれないのかなあ。
 
 
◆新築着工がどんどん延びる
札幌市 工務店 社長
 
 今年は北方型ECOと100万円の補助事業あわせて6戸の長期優良住宅を予定しているのですが、認定が6月4日からだったうえ、事前審査や認定申請の準備に手間取って着工がどんどんずれ込んでいます。その間、何も仕事をしないわけにはいかないのでリフォームを積極的に行っていますが、やはり新築の現場をやってないと何か不安です。お客さんが補助金を利用できるのはいいのですが、各種手続き・申請はもっと早く簡単にできるようにならないものでしょうか。


2009年07月15日号から

日本初のパッシブハウス

20090715_01_01.jpg ドイツの超省エネ住宅基準「パッシブハウス」の認証を受けた日本初の住宅が神奈川県鎌倉市で建設中だ。ハイテクによるCO2削減政策を推し進める日本・とくに関東で、あえてヨーロッパの考え方を紹介し「ローテクの集大成によって省エネと経済性が両立することを知ってほしい」。建築家・森みわさんの挑戦が始まった。20090715_01_02.jpg
 
(写真...パッシブハウスの認定書を背景に設計者の森さん。ドイツに5年、アイルランドに5年滞在してヨーロッパ(EU)の省エネ政策を肌で感じた)

実現可能なコスト

20090715_01_03.jpg ドイツのパッシブハウス研究所によると、パッシブハウスの条件は年間暖冷房負荷がそれぞれ、15kWh/m2以下、暖冷房、換気、給湯、照明などすべての使用エネルギーが一次エネルギー換算で120kWh/m2以下、気密性能が50パスカル測定法で0.6回/h以下であること。
 鎌倉パッシブハウスはこの基準をクリアするために、外壁断熱が240ミリ、開口部はU値が1Wを切る木製のトリプルガラスサッシを採用。専用のシミュレーションソフトを使って、基準をクリアできる仕様を決定していったという。
20090715_01_04.jpg 断熱材は熱伝導率がグラスウールとほぼ同じで、蓄熱効果が高い木質繊維断熱材を使用。また換気はドイツの熱交換換気を採用。
 このほか、温暖・多湿地対策として、夏場の逆転結露を防ぐ調湿効果のあるという気密シート「インテロ」や、アメリカで開発されたシロアリに強い基礎断熱材を採用するなど、日本への適応を考えた。
 7月4、5日は現場見学会が開かれ、一般消費者のほか全国から専門家も見学に訪れるなど、関心は高かった。
 森さんによると、パッシブハウスはCO2削減や快適性を実現することだけでなく、実現可能なコストでなければならない。ドイツの現行基準である2002基準は、暖冷房・給湯・一般電灯を合わせて210kWh/m2。これを120kWhまで減らすためには当然、多額の建設コストがかかるが、暖房負荷が15kWh/m2以下になると、暖房設備はほとんど不要となり、その費用がかからなくなる。断熱などで費用アップしても暖房設備が不要になる分の費用が浮く。そのレベルがパッシブハウスの基準となっている。
20090715_01_05.jpg また、このレベルまで来ると、あとは太陽光発電などごくわずかなアクティブエネルギー活用でゼロカーボン(CO2排出ゼロ)が達成できるとしている。
 鎌倉パッシブハウスでは、暖冷房にルームエアコンを利用する予定だ。これは第一に暖冷房設備費としてもっとも安いこと、第二に施主の希望であるオール電化という条件で選ぶ場合、パッシブハウス基準をクリアするためにCOP6・5が必要だったことによる。
 施主は共働き。仕事で建築家・森さんとパッシブハウスを知り、「ちょうどわが家を計画しているので、パッシブハウスで」と依頼されたそう。当然予算の制約は厳しく、施工した㈱建築舎(東京都八王子市)には技術への投資と考えて協力してもらったという。
 竣工は8月中旬ころの予定。
 
(写真上...建築中のパッシブハウス 写真中...壁体の模型。外壁はツーバイシックス、その外に100ミリ付加 写真下...2階室内。気密シートのインテロ、熱交換換気のサプライ側ダクトが見える。内胴縁は配線スペース確保のため)
 
 
建築家のメッセージ「燃費表示・世界標準・ローテク」/編集長の目

 関東の中でも温暖な鎌倉でなぜ240ミリ断熱? そう思った読者諸兄も多いと思う。答えは最後にして、森さんが強調していたことは次の3点。
 ①自己申告制の省エネ性能に終わりを。
 ②これからの世界標準は、2011年EU標準となりつつあるパッシブハウス(ローテクの集大成)。
 ③この技術をどうやって日本で実現するかをずっと考えてきた。
 取材して感じたのは、投入する技術とそれによって得られる効果、そしてそれらが取得可能なコストであること、これらがわかりやすくハッキリと説明できて当然、という考えかただ。
 日本の次世代省エネ基準を筆頭とする省エネ住宅は、Q値などを規定していてもその結果暖冷房消費がどうなるかを明示しない。また温暖地域では、住宅の省エネを高効率給湯設備と太陽光発電などのアクティブ技術(ハイテク)だけで達成しようという考え方に流れつつある。
 森さんはそれは違うと考えている。EUでは暖房燃費を表示しなければ家の貸し借りすらできなくなっている。そして住宅省エネの基本は、断熱構造化(ローテク)であることを忘れてはいけないという主張だ。
 鎌倉でなぜ240ミリ断熱なのか、その答えは、「ローテクの集大成」で何ができるかを関東で知ってもらうため、ということだと思う。


2009年07月15日号から

黒アリは断熱材が好き

 ちょうど1年前の昨年の7月15日号と25日号に、黒アリ(トビイロケアリ)が新築住宅に侵入する理由は、基礎断熱などに使う発泡プラスチック系の断熱材と関連しているという記事を掲載し、かなりの反響となった。今回はその続報。
 
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「クロアリ」関連記事
住宅内にクロアリが侵入する事例を最初に報告した記事
寄稿・前編 トビイロケアリ(黒アリ)が 新築住宅に侵入する事例について (株)青山プリザーブ 青山 修三
(2008年・平成20年7月15号 北海道住宅新聞)


前年記事の続報(2009年07月15日号)
(この記事)

リフォームで壁をはがしたらアリ
シロアリ駆除剤を使うべきかどうか(2010年2月25日号)

クロアリが出たときどうするか
状況説明より、共感と誠実な対応(2010年6月25日号)

気密性が良くてもアリが侵入
「アリの侵入は築後6ヵ月以内が多く、1年以内の侵入報告がほとんど..」(2013年5月15日号)


2009年07月15日号から

外張断熱で高耐震化/北総研研究報告会

20090715_03_01.jpg 道立北方建築総合研究所では、去る6月8日・9日に旭川市内の同研究所多目的ホールで「平成21年調査研究報告会」を開催。住宅関連では耐震改修や高性能断熱材の特性、基礎断熱の課題への対応、家庭用燃料電池、高性能な熱交換換気などについて研究発表を行った。
20090715_03_02.jpg このうち、耐震改修は生産技術部生産システム科の植松武是科長が次のように報告した。
 「合理的な住宅改修の方法として、耐震性と断熱性を同時に向上させる2つの工法に取り組んだ。1つは室蘭工業大学鎌田研究室とNPO住宅外装テクニカルセンターとの共同研究で開発した工法。外装材の土台・胴差・桁回りを水平に切り取り、柱頭・柱脚に腐朽がないことを確認してから、袋入りの圧縮グラスウールを気流止めとして土台・胴差し回りに入れることで、既存断熱材の効果を高める。
 外壁を切り取った部分は構造用面材を張って釘打ちすることにより仕口を補強。金物を使った場合と同等の補強効果があることを検証によって確認した。
 また、既存外装材がモルタルの住宅であれば、モルタルの上から胴縁材をビスで躯体に留め付け、モルタルを構造用合板同様に耐力として活用。さらに胴縁材の間に断熱材を施工することで断熱性も向上させることができる。
20090715_03_03.jpg もう一つは外張り断熱を行うだけで耐震性を向上させる工法。これは外張りする発泡系断熱材と胴縁材を留める高耐力ビスによって、軸組屋外側にある既存または新たに施工した外壁下地の構造用面材をより強固に留め付け、外壁の耐力を高めるとともに、地震時には外張り断熱材によって構造用面材を留めている釘の頭抜けも押さえようというもの。
 外張り断熱材の厚さが100ミリと厚くても、胴縁材を留め付ける高耐力ビスのピッチが250~300ミリであれば耐震性能が向上することがわかり、これから外張りする断熱材の固さや高耐力ビスの性能などの情報を整備していく」。
 
(写真上...同研究所多目的ホールには、道内外から多くの住宅業界関係者が集まった 中図...既存のモルタル外装を活かした耐震・付加断熱工法 写真下...外張り断熱による耐震実験の様子。外張り断熱材がある壁体では構造用面材の浮きは見られない)

土間下断熱が有効
20090715_03_04.jpg また、基礎断熱の課題への対応に関しては環境科学部居住環境科の立松宏一研究職員と生産技術部技術材料開発科の伊庭千恵美研究職員が報告。
 立松研究職員は竣工初年度の床下空間の高湿化について「シミュレーションによると、冬場の12~3月に竣工する住宅は、地盤の温度が上昇するまで時間がかかることなどが影響し、床下空間の相対湿度は竣工初年度の夏期に100%に達して結露が発生する結果となっている。改善策としては、地盤温度の影響を緩和するため土間下に発泡系断熱材を敷き込んだり、外気の床下への流入を抑えるために土台・基礎天端間の隙間をなくすことが有効」との見解を示したほか、基礎断熱へのグラスウール採用についても、「発泡系断熱材と同様に使用できることが確認できた」としている。
 伊庭研究職員は基礎断熱材の表面仕上げについて「ひび割れや耐久性に関する課題を解決するには、乾式仕上げや外装一体型基礎断熱材の研究開発がポイントになる。当研究所の実験住宅では、基礎断熱材表面にGRC板(ガラス繊維補強セメント板)、鋼板、PCC(ポリマーセメントコンポジット)という3種類の乾式仕上げを行っているが、6冬経過しても劣化はない」と発表した。
 
(図...冬期に竣工した基礎断熱住宅で夏期の床下結露を押さえるには、土間下に断熱材を敷き込むと効果的)


2009年07月15日号から

苫小牧工場が竣工/木の繊維

20090715_04_01.jpg 日本ではじめて木質繊維断熱材を生産する(株)木の繊維・苫小牧工場が7日、竣工式を迎え、ドイツ駐日大使や北海道副知事などの来賓や関係者ら約150名が工場の完成を祝った。
 
(写真右...主催者あいさつをする木の繊維・中山茂会長 写真左...来賓祝辞を述べるドイツ駐日大使・ハンス=ヨアヒム・デア氏)
 
 同社は、トドマツやカラマツなど道産木質チップを細かく砕いた木質繊維に熱と圧力を加えて断熱材を製造・販売する日本初の木質繊維断熱材メーカー。ドイツ・ホーマテルム社から独占的ライセンス生産と販売権を獲得し、大友詔雄社長が中心となって準備を進めてきた。
 竣工式では木の繊維・中山茂会長が「当工場は、木質繊維断熱材の製造技術がドイツ本国以外に提供された初めての工場となる。エコ製品をいかに普及させていくかが我々の使命であり、あらためて身が引き締まる思いだ」とあいさつした。
20090715_04_02.jpg その後来賓あいさつがあり、ドイツ駐日大使のハンス=ヨアヒム・デア氏が、「昨年の洞爺湖サミットが終了した翌日の7月10日、この工場の起工式に参加することができた。それから1年あまりで工場ができあがり竣工式に出席できたことを嬉しく思っています」とお祝いの言葉を贈った。
 来賓代表らによりくす玉が割られると、大きな拍手が贈られ、その後参加者は工場内見学行い、大規模な設備と自動化の進んだ機械類に感嘆の声を上げていた。
20090715_04_03.jpg なお、苫小牧工場では間もなく木質繊維断熱材「ウッドファイバーLD」シリーズの出荷を開始する。価格など問い合わせは、本社(011・398・5210)。


(写真上...試験生産された断熱材 写真下...工場見学でその設備の精巧さに目を見張る)


2009年07月15日号から

◆社員のモチベーションアップ

◆社員のモチベーションアップ
札幌市 工務店 社長
 
 社員にやる気を起こさせるにはどうしたら良いか、それは明確な目標を社員に提示し、達成できた時にどんな「ごほうび」があるのか説明し、その後達成したときには約束に応えてあげることだと思います。また、社員が住宅に関連する資格取得をする際には積極的に応援し、費用などを負担しています。大手に勝つために、中小企業は人こそが財産で、大事に育てていかないといけないと思います。
 
 
◆自社のスタイルを見失っているのでは
オホーツク 工務店 社長
 
 今年の新築住宅市場はひどい状態になっていますが、それゆえ自社のこだわりを捨ててまで価格競争に走る工務店が増えているように思います。以前ならグレードの高い建材を使っていたのに、最近はアパートにでも使うような安物を使っていたり、内外装の仕上がりを見ていてもプロが見れば雑に施工しているのが一目瞭然だったりとか。ホントは工務店それぞれ自社のスタイルがあるはずなのに、この不況によってそれを見失っているようです。
 
 
◆決着をつけられる営業マン
札幌市 工務店 部長
 
 自分がフォローしている見込み客の中で、最初から「受注がとれそうだ」と思えるならやはり受注できる。でも「やるだけのことはやったが自信はない」お客様のケースは9割受注できません。「最終候補には残ったけど結局受注できなかった」が多い営業マンよりも、序盤の提案で決着をつけて、見切りよく次のお客様に気持ちを切り替えられる営業マンの方が、結局年間では多く受注しています。引きずられるくらいなら最初から断られた方がいいという発想が大事です。


2009年07月05日号から

長期優良住宅 動き出す

 6月4日に長期優良住宅の認定制度がスタートしてからちょうど1ヵ月。補助金や減税、ローン金利引き下げなどの優遇措置が用意され、冷え込んだ新築市場のカンフル剤として期待を寄せる住宅会社も多い。そこで長期優良住宅の認定や優遇措置などの現状についてまとめた。
 
おさらい・認定取れば補助や減税
 
20090705_01_01.jpg 長期優良住宅は、「いいものをつくり、きちんと手入れして長く大切に使う」ことをコンセプトとした住宅で、福田元首相が一昨年発表した200年住宅ビジョンをきっかけに法制化された。
 最近のたび重なる法律の施行・改正などにより、別の基準や制度と混同しがちだが、年間150戸以上の建売住宅を建設・販売する住宅会社に義務付けられた住宅事業建築主基準(トップランナー基準)や瑕疵担保履行確保法とはまったく別のものだ。
 関連するのは北方型住宅ECOなどが採択された長期優良住宅先導的モデル事業で、このモデル事業の対象となる新築住宅は長期優良住宅の認定を取ることが前提条件になる。
 制度を利用するかどうかは自由だが、認定を取得することで、補助や減税、ローン金利引き下げ(フラット35S)などの優遇措置を受けることが可能になる。
 これらの優遇措置は、当初最大600万円のローン減税など各種減税措置が柱となっていたが、認定制度開始と前後して住宅金融支援機構が長期固定金利ローン・フラット35Sの金利優遇期間を20年間に延長したほか、50年償還が可能なフラット50の創設も発表。
  
100万円補助に900社
 さらに国土交通省が緊急経済対策として、年間新築戸数54戸以下の中小住宅会社が建設する木造の長期優良住宅に最大100万円を補助する長期優良住宅普及促進事業(以下、普及促進事業)を実施。国交省では同事業実施支援室を開設し申請受付やサポートを行っている(03・6214・5909)。この補助事業は先着約5000戸が対象となるだけに、認定申請を急ぐ住宅会社も少なくない。
 普及促進事業は1.事業へのエントリー(参加申請)2.建設する住宅の補助金交付申請3.完了実績報告書の提出という3段階の手続きが必要だが、国交省の同事業支援室によると、6月26日現在でエントリーした住宅会社は全国で900社強、補助金交付申請件数は約25戸となっている。
 また、補助を受ける条件として、長期優良住宅の認定取得以外に施工中の現場公開と住宅履歴情報の保管が義務付けられているが、住宅履歴情報は国の指針にのっとって保管されていることが必要。この秋には住宅履歴情報の保管を行う情報サービス機関が立ち上がる予定なので、それまでは必要な書類・図面を自社で保管しておくことになる。
 なお、道内では北方型住宅サポートシステムが利用できるかどうか気になるところだが、道建築指導課によると「現在国の指針に適合しているかどうかを国交省に確認中」とのこと。
 
 
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2009年07月05日号から

換気低下5つの課題7/まとめ

高性能住宅Q&A

20090705_02_01.jpg 掃除せずに放置していたら換気量が低下したという築10数年の住宅を目の当たりにして、住宅会社はどのような対応ができるか。今回は最終回・まとめです。
 住宅用セントラル換気導入の歴史を見ると、始まりは「結露の解消」だったようです。
 20数年前、当時は在来木造よりもはるかに気密性が高かったツーバイフォー住宅では、暖かいけれども冬場の結露は深刻でした。原因は断熱性の低いアルミサッシ、開放型のストーブ、換気不足といった複合だったのですが、セントラル換気を導入すると見事に結露が解消したといいます。
 その威力に感心して、セントラル換気の導入が徐々に始まります。しかし、住宅会社には「結露を防止するための技術」つまりデメリットを解消するいわば"負の技術"と見る意識が残っていて、それを加速させたのが換気設備設置の義務化(2003年)だったのではないでしょうか。
 一方で「換気は人と建物の健康を守るプラス技術」と考えている住宅会社も少なくありません。
 換気はエンドユーザーの指名商品ではなく、多くの場合は住宅会社側の標準仕様商品です。ですから住宅会社側が換気をどう見ているかによって設備選択が変わってくるように思います。
 今回、10年以上経った住宅の換気を取り上げたのは、「空気環境をどうするかは、住宅会社次第だ」というエンドユーザーの声なき声を紹介したかったからです。
 取り組み方はいろいろあると思います。ただ、10数年後を考えなければいけないのは、本当は換気メーカーではなく住宅会社である、ということなのです。取材を通じて感じた取り組み方法を紹介します。
 1.良いものを選ぶ:換気能力に不安がなく、耐久性についても定評のあるシステムを設置する。しかし、良いものは得てして安くはない。
 2.性能も価格も納得できるものを選ぶ:換気能力に不安がなく、掃除しやすさにも配慮し、価格も納得の範囲内。しかしこういう製品は得てして耐久性が犠牲になっている場合がある。それをフォローするのは住宅会社側の「仕事づくり」でもある(連載⑤に掲載)。
 3.法をクリアする最低限の設備:カタログに「最低限」とは書かれていなくても、換気性能より手軽さと価格を最優先した商品も市場に出ている。発売元の資料に沿ってひと通りの説明をすると同時に、交換時期にフォローする。
 換気は住宅会社が選ぶ機能重視の設備です。場合によっては住み手の健康障害を引き起こすことがある一方、換気不良でもクレームにならないケースも多いでしょう。換気が問題になるのは、やはり結露という現象が現れたときかもしれません。(終)
 
(図...換気システムは人の呼吸と同じ)


連載ページ
1.1年で10%程度低下
2.掃除で換気量回復
3.数年後も風量維持
4.ご主人に説明する
5.耐久性が重要なワケ
6.機能と価格をしっかり選ぶ
7.まとめ

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2009年07月05日号から

U値1W切る高断熱/ガデリウス

20090705_03_01.jpg ガデリウス(株)は木質系断熱玄関ドアを一新、断熱性能や仕上げ面材の質感を大幅に向上させるなどして秋口から新発売する。
 新しいドアの名称は「スウェーデンドア」。現行品からの大きな改良点は1.断熱性能 2.調整丁番 3.木質面材の3つ。
 まず断熱性能は、芯材となる断熱材をウレタンに変更するなどにより、ガラス入りで熱貫流率(U値)0.94Wと1Wを切る高いレベルを達成。ガラスなしタイプならさらに高い数値となり、高断熱化が進む開口部への期待にこたえる。
 調整丁番については、新たに3次元丁番を導入した。上下左右に加えて奥行き調整もできるようになり、不具合がほとんどの場合解消できる。
 仕上げの木質面材については、とくにチークとパイン材について品質を大幅に引き上げた。また主力の94型はチーク、パインともに表面単板張りがぶ厚くなり、重厚感も増した。
 このほかハンドルをマット調の落ち着きあるタイプに変更した。ダブルロック、CP対応、着脱式サムターンなどの防犯性能は従来通り。
 これまで人気の高い76型、94型はほぼ従来と同じデザイン。このほかは新デザインとなる。また納期は最短で2.5ヵ月まで短縮できるので、特注対応もできる。
 8月ころに新カタログが完成するが、当面は人気の高い2タイプ。
 設計価格は写真の94型パイン標準ドアで、44万9000円(税別)。
 問い合わせは同社各営業所などへ(札幌=Tel.011・743・7710)。
 
(写真...左がパイン面材の94(P)、右がチーク面材の76W66(T))


2009年07月05日号から

"本当に良い家"をつくるために/ウーマンズ・アイ Vol.2

札幌・㈲TAO建築設計 川村弥恵子さん 一級建築士 デザイナー

 「仕事の中では女性であることを意識させないよう、中性的にふるまうことも多い」という川村弥恵子さん。彼女が手がける住宅は繊細なこだわりがあふれている。
 
「なんかいい」を感じる力
20090705_04_01.jpg 「人間は、ほんのわずかな差を感じるセンサーを持っているんです」。そう言って、家具用の薄い突き板と厚めの挽き板を並べて見せてくれた川村さん。なるほど、たった0・6㎜ほどの違いでクオリティの差を感じてしまう。板の数㎜の厚さや、コンセントのちょっとした位置の違いが「なんかいい」を生み出すという。
 川村さんは戸建住宅を中心に手がける建築家として、施主の要望を一から聞き、一緒に家を造り上げる。しかし施主にとっては、言葉でなかなか説明できないことも多い。そのひとつが「なんかいい」という感覚だ。
 川村さんの頭の中にある「なんかいい」とは、理屈抜きの気持ちよさ。そのためなら、わかりづらくて面倒な注文にも応えるといい、「細かいところが気になるのは女性が多いかもしれません。私もどんなに細かいことを言われても苦にならないです」と、頼もしい。
 「簡単でわかりやすい家ばかり造ろうとすると、絶対良いものができない。どこか手間をかける部分がないとね」と話すように、施主の価値観はじっくり時間をかけて聞いている。
 
(写真...川村弥恵子さん)
 
手間と言葉を重ねてこそ
20090705_04_02.jpg 川村さんのプロジェクトでは、結果的に信頼感のある工務店や設備・板金など職方さんたちと一緒に仕事をすることが多い。「ポイントは、人としての良心と安心感があること。建築家との仕事は、手間のかかる注文を何度も出されて面倒なものです。それをいとわず、逆におもしろがって、少しでもいいものを造りたいという誇りを持っている人は、一緒に仕事をして気持いい」。
 建築家と工務店の密なコミュニケーションがあってこそ良い家が生まれる、と川村さんは考えている。コミュニケーションを意識したのはアメリカ時代。女性経営者でスタッフも9割以上が女性という、ウーマンパワー全開のインテリア事務所に勤めた。常にミーティングや対話を欠かさず、本音をぶつけあっていたという。
20090705_04_03.jpg しかし帰国してかかわわった建築の業界は、まったく正反対の男の世界。駆け引きや探り合いなどはもちろん、何より重要な部分は男性の責任者が決め、社員と話し合って決める雰囲気がなかった。
 この体験が独立を決断するきっかけにもなったようだ。「それに女性が求めるのは、こまめなコミュニケーション。"言わなくてもわかるだろ"は、全然通じないですよ」と笑う。
 手間や言葉を重ねることをいとわず、本当に良いものを。それこそ川村さんが貫く姿勢なのだ。
 
(写真上...室内と屋外がつながる暮らし 写真下...人も登れる猫棚(ねこだな)。家を建てたら猫を飼いたいという施主のために)


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2009年07月05日号から

◆"売り"を説明しやすい

◆"売り"を説明しやすい
函館市 工務店 社長
 
 長期優良住宅と北方型住宅ECOは、実際の営業で役に立っています。お客さまから声がかかるわけではないのですが、こちらからそういった提案をすると、乗ってきていただけるのです。その中で当社の"売り"をうまくご説明できています。お客さまの年齢層が比較的高く、余裕をお持ちだということも関係していると思います。当社にとってはいい流れです。
 
 
◆反応薄い長期優良住宅
札幌市 住宅会社 部長
 
 テレビや住宅雑誌などであまり告知されていないのか、エンドユーザーから「長期優良住宅」という言葉が出てくることがほとんどありません。もしかして住宅業界内部だけの盛り上がりなのか、とも思ってしまいます。住宅会社が一斉に長期優良住宅をアピールすれば認知もされるでしょうが、それでは差別化になりません。エンドユーザーの関心が薄い。のであれば、住宅会社の差別化にもならないという結果になるのならあまり熱心にPRする気にはなれません。
 
 
◆飲み会前の時間帯に話し合い
札幌市 工務店 社長
 
 当社で業務内容に関する話し合いは、飲み会の時に行うことがほとんどです。以前は社内で会議を開いてたんですが、そういうあらたまった場では大工など現場の人間からはなかなか意見が出てこなかったんですが、「これから飲むぞ」というリラックスした時間帯にいろいろ話をすると、活発な討論になることもあるなど、みんな積極的に発言するんです。これまでクレームの対応や現場のマナーの確認、報告のし方などは、すべて飲み会の前の時間に決めました。


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